退職時の引き継ぎは義務?訴えられる可能性は?後任がいない場合の対処法も紹介

退職をする際、今まで担ってきた業務に関して後任者へ引継ぎを行うことになります。

引継ぎには時間がかかるため、引継ぎしないですぐに辞めたいという人も中にはいますが、引き継ぎは義務なのか、しないと訴えられるのか不安な人もいるはず。

結論から申し上げますと、引き継ぎは義務ではなくすぐに退職することも可能です。

この記事では退職時の引き継ぎに関する情報を中心に、引き継ぎは必要なのか、後任がいない場合はどうなるのかなどをご紹介していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

本題に入る前に…

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退職時の引き継ぎは必要?

退職時の引き継ぎは本当に必要なのか、引き継ぎは必ずしもやらなければならないわけではありません

  • 引き継ぎは義務ではないので退職は可能
  • 法律上2週間前までに退職申告すればOK
  • 円満退職を望むなら就業規則に沿って退職スケジュールを決めよう

引き継ぎをやらなくても問題ない理由についてご紹介します。

引き継ぎは義務ではないので退職は可能

結論から申し上げますと、引き継ぎは義務ではなく引き継ぎをしないで退職することは可能です。

法律で引き継ぎに関する法律がないため、法律上は引き継ぎをしなくても問題ありません。

一般的には引き継ぎをするのが常識という空気は存在するものの、法律上は義務は生じないため、どうしてもすぐに辞めたい場合に引き継ぎをしないという判断は問題ないと言えます。

法律上2週間前までに退職申告すればOK

そもそも退職に関して、法律上は2週間前までに退職の申し出を行えば認められます

たとえ就業規則で2か月前、3か月前に退職の申し出を行わないといけないと定めていたとしても民法が優先されます。

引き継ぎを行いたくない場合に2週間前までに退職の申し出を行うのも1つの手段です。

円満退職を望むなら就業規則に沿って退職スケジュールを決めよう

仮に円満退職を望む場合には就業規則に従う形で退職スケジュールを立てることをおすすめします。

円満退職であれば、引き継ぎが終わった後に残った有給休暇の消化をスムーズに行うことができるでしょう。

社内で知り合った方との人間関係を重視したい場合も、就業規則に従う形で引き継ぎを行っていく方が望ましいです。

退職時に引き継ぎしないと訴えられる?

退職時に引き継ぎをしないと訴えられるのかと不安になる方もいるでしょうが、訴えられる可能性は低いです。

まず法律で引き継ぎの義務はなく、退職の2週間前に申し出を行えば会社側は抗うことができないからです。

仮に引き継ぎがなかったことで損害が生じたと主張しても、引き継ぎがなかったから損害が生じたという因果関係を会社側が証明しなければなりません

そのため、引き継ぎを拒否されたからと訴えるという手段を会社側は取りにくいのが実情です。

退職時に引き継ぎをする後任がいない場合は?

退職時に引き継ぎをする後任者がいなかった場合には、マニュアル作りなどの対策が生じていきます。

  • 後任がいない場合はマニュアルを作成しておくべき
  • 後任がいなくても有休消化に入って問題ない
  • 後任がいないから有給は取れないと断られる可能性は?

退職時に引き継ぎを行う際に後任がいなかった場合のケースについてご紹介します。

後任がいない場合はマニュアルを作成しておくべき

後任がいない場合にはマニュアルを作っておくことが求められます。

マニュアルを作ることで、しばらくしてから後任者となった人物がマニュアルを見ながら仕事を進められるようになるからです。

マニュアルはスムーズに仕事をするために存在するため、引き継ぎと同じような意味合いを持たせることができます。

後任がいなくても有休消化に入って問題ない

たとえ後任がいなかったとしても、有給休暇の消化に入っても何ら問題はありません

それまでにマニュアル作成が終わっているなど、やるべきことをやればある種の義務は果たしたことになります。

そもそも後任者が存在しないのは会社側の責任であり、退職する側がその責任を負う必要は1つもありません。

後任がいないから有給は取れないと断られる可能性は?

後任がいないことを理由に有給休暇の消化を認めないと断られる可能性はあります

これは「有給休暇請求に対する時季変更権」が会社側に認められているからで、繁忙期など有給休暇を消化されると支障が出る場合が該当します。

しかし、なぜ認めてくれないかを会社側は伝えなければならず、明確な理由を示せないと認めざるを得ないのが実情です。

仮に認められない場合、なぜなのかを明確に教えてもらうことが大切です。

退職時に引き継ぎをする期間は?

退職時に引き継ぎをする期間は、おおむね2週間~2か月とされています。

マニュアルが存在するケースは引き継ぎもマニュアルの中で成立するため、さほど時間がかからず2週間程度で済むでしょう。

一方、マニュアルがなかった場合など引き継ぐものが多いと一定の時間がかかることは避けられず、1か月ないし2か月かかります。

円満退職の上で有給休暇を消化したい場合は、引き継ぎ期間などを考慮して退職の申し出時期を考えましょう

退職時に引き継ぎを行うポイント

退職時に引き継ぎを行う場合は5つのステップを踏まえて行いましょう。

  1. 引き継ぎのスケジュールを立てる
  2. 自分の担当している業務を整理する
  3. 業務に必要な情報やマニュアルを作成する
  4. 後任者がいる場合は業務内容の引き継ぎを早めに始める
  5. 後任者のフォローをする余裕を持って退職する

退職時に引き継ぎを行う5つのステップについてご紹介していきます。

引き継ぎのスケジュールを立てる

最初のステップは引き継ぎのスケジュールを立てることです。

いつまでに引き継ぎを終わらせるか、おおよその目安を立てるほか、有給休暇の消化を踏まえたスケジュールを立てましょう。

引き継ぎと同時並行で通常業務も行うため、実際に作業を行う中でスケジュールの練り直しなども行っていくことになります。

自分の担当している業務を整理する

2つ目のステップは、自分の担当している業務を整理することです。

これまでに行ってきた業務を整理し、何を引き継いでもらうかをまとめていきます。

営業であれば取引先のリストなどをまとめるほか、総務であれば発注業務のやり方などを整理していくことになります。

業務に必要な情報やマニュアルを作成する

3つ目のステップは、業務に必要な情報やマニュアルを作成することです。

後任者がいない場合のほか、後任者がいた場合でもマニュアルなどがあるとスムーズに仕事がしやすくなります。

引き継ぎがうまくいかず、退職してから連絡が入る事態を避けるためにもマニュアル作りは必要です。

後任者がいる場合は業務内容の引き継ぎを早めに始める

4つ目のステップは、後任者がいる場合に業務内容の引き継ぎを早めに始めることです。

早めに引き継ぎを行えば、退職する前に今自分が行っている業務をやってもらうことができ、最終調整が行えます。

より円滑に、スムーズな引き継ぎを行うためにも早め早めの行動が求められます。

後任者のフォローをする余裕を持って退職する

5つ目のステップは、後任者のフォローをする余裕をもって退職することです。

後任者はいきなり先輩などの業務を担うことになるので、人によってはいっぱいいっぱいになる人もいるでしょう。

いつでもフォローをするという余裕を持ち、その姿を見せておけば退職した場合でも相手に不安を与えることは少なくなります。

退職時までに引き継ぎが間に合わない場合どうする?

退職日までに引き継ぎが間に合わなかった場合、それでも有給休暇の消化を優先させましょう。

有給休暇の消化自体は権利として認められており、消化せずに引き継ぎを継続させるのはいいことではありません。

一方で、転職先が決まっていなければ退職日を遅らせた上で有給休暇の消化を行う手もあります。

会社側と交渉し、有給休暇を買い取ってもらい、退職日まで引き継ぎを行う手段もありますが、すべての会社で行ってもらえるとは限りません。

まとめ

今回は退職時の引き継ぎについてご紹介しました。

今回の内容を改めて振り返ります。

  • 退職時の引き継ぎ義務は法律上存在しない
  • 引き継ぎをしない場合、因果関係の証明が大変なので訴えられる可能性は低い
  • 後任者がいない場合はマニュアルを作成する
  • 後任者がいなくても有給休暇の消化はできる
  • 引き継ぎに必要な期間はおよそ2週間~2か月
  • 退職時の引き継ぎはスケジュールを立て、早め早めに行う

退職時の引き継ぎに関して、マニュアル作成などは退職を申告する前に準備を進めるのも1つの方法です。

退職が決まれば引き継ぎ作業が生じるのは確実なので、事前に先手を打つことで有給休暇の消化を実現させた上で退職できるでしょう。

既に有給休暇を使っているケース、1日でも早く辞めたい場合は2週間前に辞めると伝えて引き継ぎを無理に行わない手もあります。

退職の状況もケースバイケースなので、ケースに応じた適切な対応で引き継ぎ作業に向かい合いましょう。