試用期間中でも退職できる?
誰にどうやって退職を伝えればいい?
退職理由はなんて言えばいい?
上記の不安のように、「試用期間中に退職をしたくなったらどうすればいいの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
「試用期間中に辞めるなんて周りの人にどのように思われるか不安…」と感じている方もいるはずです。
結論から言いますと、試用期間中でも退職は可能であり、段取りを踏んでいればスムーズな退職が行えます。
そこで今回は、試用期間中の退職について、年間数千人の退職サポートを行っている私が、試用期間中の退職方法や段取り、退職理由の具体例などを解説します。
これを知れば、試用期間中であっても円満に退職でき、新たなスタートを切りやすくなりますよ。
試用期間でも退職はできる?
結論から申しますと、試用期間中でも退職は可能です。
ただし、雇用期間や会社との同意など退職するために必要になる条件もあります。
ここでは、試用期間中に退職できる条件について解説するので、確認していきましょう。
2週間前までに申し出れば退職できる
雇用されている人は、試用期間や正規採用に関わらず退職日の2週間前までに会社に申し出れば退職可能です。
2週間あれば退職できることは、民法で定められているので、安心してください。
ただし、就業規則や雇用期間の定めがある場合は例外もあるので、注意しましょう。
有期雇用の場合は原則期間満了後に退職するべき
雇用期間が決まっている有期雇用の場合は、原則として雇用期間が満了した後に退職することをおすすめします。
ただし、やむを得ない事情がある場合は即日退職可能です。
やむを得ない事情とは、パワハラやセクハラ、就業規則に違反していることなどの会社側に原因がある場合と、病気や怪我、家族の介護が必要な場合などの自分に原因がある場合があります。
やむを得ない理由がない限りは、原則として試用期間や雇用期間が満了するまで退職は待つべきでしょう。
雇用期間に関わらず会社に合意を得られたら即日退職できる
雇用期間が決まっている場合は、原則として期間満了まで退職するべきではないと先述しました。
しかし、会社に合意を得られた場合は即日退職が可能です。
仕事があわない場合や人間関係に苦しんでいるなら、一度会社に相談してみましょう。
これ以上働くことが困難な場合は即日退職できる可能性があります。
失業保険全般の相談も受け付けています
試用期間中でもスムーズに退職するための手順
試用期間中でも退職できることがわかった上で、ここからはスムーズに退職するための手順を解説します。
解説する内容は以下の通りです。
- 退職したいときは誰に言うべき?
- どうやって伝えるべき?
- 退職する際にしておくべきことは?
ひとつずつ確認していきましょう。
【誰に言うべき?】直属の上司に伝える
試用期間中に会社を辞めたくなったら誰に言えばいいか迷ってしまうでしょう。
まずは、直属の上司に会社を辞めたいことを伝えてください。
直属の上司でなくその上の上司などに先に伝えないよう注意が必要です。
また、同僚や違う部署の人、取引先などに伝えてしまわないようにしてください。
自分が伝えるまでに直属の上司が知ってしまうと、トラブルのもとになるだけではなく、伝えにくくなってしまいます。
直属の上司がはっきりと決まっていない場合は、人事部や総務部、入社時に担当してくれていた部署の人に相談してみましょう。
【どうやって伝える?】直接口頭で伝えるのがベスト
直属の上司に伝える方法が気になるところですが、口頭で直接退職を申し出ることが社会人としてのマナーです。
また、勤務時間中、突然伝えるのではなく、アポイントを取ることをおすすめします。
メールや電話で退職を申し出ることは常識的ではありませんが、どうしても直接伝えられない場合はやむを得ません。
円満退職できないかもしれませんが、精神的に辛い場合はメールや電話で直属の上司に退職したいということを伝えましょう。
ブラック企業でパワハラが怖くて伝えられない場合は、郵送で退職届けを送るという手もあります。
もしブラック企業に勤めてしまって、退職できない場合は以下の記事を参考にしてください。
【するべきことは?】退職届を提出する
試用期間の退職であっても、退職届は作成しておきましょう。
会社によってはフォームが決まっていることもあります。
どのような形で退職届を作成すればいいかわからない場合は、直属の上司に退職を申し出た際に聞いてみてください。
試用期間中の退職理由の具体例3選
退職の流れがわかっても、どんな退職理由を伝えればわからない人も多いはずです。
ここでは、試用期間中の退職理由を3つ紹介します。
当たり障りなく、円満退職できる理由は以下の通りです。
- 社風が合わない
- 仕事内容や労働環境が想像と違った
- 体調不良で働くことが困難
それぞれ具体的に解説していきます。
ポイントは「時間をもらっていることへの感謝」と「試用期間に退職することへの謝罪」です。
社風が合わない
「社風が合わない」という退職理由は試用期間中ならではのものです。
想像していた社風と異なり、このまま働くのは難しいと判断する人も多いでしょう。
具体的には以下のように伝えてみてください。
「お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。試用期間中にも関わらず申し訳ないのですが、退職したいと思っております。入社して○○週間(ヶ月)ほど経ち、業務内容や社風を理解しました。しかし、入社前に抱いていたイメージと実際のギャップを感じ、自分の性格では社内コミュニケーションや業務についていけないと感じております。このまま無理して働いて迷惑をかけるよりも、早めに退職した方が会社にとっても自分にとってもいい決断になると思っております。」
社風が合わないという理由で退職したい場合は参考にしてみてください。
仕事内容や労働環境が想像と違った
仕事内容や労働環境は、実際に仕事を始めてみないとわからないものです。
難しい仕事やストレスのかかる仕事、長時間労働が当たり前の環境など、想像していなかったら辛いでしょう。
そんなときの退職理由は以下のように伝えてみてください。
「お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。試用期間中にも関わらず申し訳ないのですが、退職したいと思っております。入社して○○週間(ヶ月)ほど経ち、想像していた仕事内容(労働環境)と異なることに気がつきました。このまま仕事を続けていくことが難しいと感じているので、今回相談させていただいております。自分の強みを活かせず、モチベーションが上がらないことから、会社にも迷惑をかけてしまっております。試用期間にも関わらず、このようなことになってしまい大変申し訳ありませんが、ご了承お願いします。」
仕事内容や労働環境が想像と違ったという理由で退職したい場合は参考にしてみてください。
体調不良で働くことが困難
体調不良の場合は、具体的な病状や医師からの診断があればスムーズに退職できるでしょう。
伝え方は以下のようにしてみてください。
「お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。試用期間中にも関わらず申し訳ないのですが、退職したいと思っております。仕事を始めてから体調が思わしくなく、このまま働くことが困難な状態です。出勤するのも辛いので、このままでは会社に迷惑をかけてしまうので、退職させていただきたく思っております。」
具体的な病状や医師からの診断がなくても、不眠症やストレスで辛いなどの理由で退職交渉に望んでみてもいいでしょう。
失業保険全般の相談も受け付けています
試用期間中の退職に関するQ&A
ここからは、試用期間中の退職に関するよくある質問に回答します。
質問は以下の2つです。
- 試用期間中に退職すると損害賠償請求される?
- 試用期間中の退職は履歴書に書くべき?
それぞれの回答を確認していきましょう。
試用期間中に退職すると損害賠償請求される?
試用期間中に退職すると損害賠償を請求されるかも、と不安になる人が多いでしょう。
損害賠償を請求されるケースは限られています。
例えば、退職したことによって会社に損害を与えた場合です。
会社の機密情報などを社外に持ち出した場合は、損害賠償を請求されるでしょう。
また、退職を申し出ることなく突然出社しなくなった場合も損害賠償を請求されることがあります。
無断欠勤は労働契約違反となるため、損害賠償を請求されてもおかしくありません。
他にも、面接時や採用時に虚偽に経歴を伝えていた場合も損害賠償を請求される可能性があります。
仕事や語学のスキル、持病、犯罪歴など、経歴で嘘をつくことはやめておくべきです。
損害賠償を請求されたくないなら、この記事で紹介した「試用期間中でもスムーズに退職するための手順」を参考に手続きを進めましょう。
試用期間中の退職は履歴書に書くべき?
試用期間中に退職した場合は、履歴書に書くべきです。
書かなかったとしても、雇用保険に加入していた履歴から経歴がバレてしまいます。
戦術した通り、経歴を偽ることは解雇や懲戒処分、損害賠償請求という重たいペナルティにつながることがあるので注意しましょう。
まとめ
今回は「試用期間中の退職」について解説してきました。
試用期間中は退職しづらいと感じる人がほとんどです。
しかし、時間を無駄にせず切り替えて次の仕事を探す方が自分のためになることがあるでしょう。
今回の記事のまとめは以下の通りです。
- 試用期間中でも退職はできる
- 原則2週間前までに申し出れば退職可能
- 有期雇用の場合は期間満了後の退職が望ましい
- 退職する際は直属の上司に口頭で直接伝え、退職届を提出しよう
- 退職理由は社風・仕事内容・労働環境が合わないor病気・体調が悪いがおすすめ
- 一般的には試用期間中の退職でも損害賠償は請求されない
- 試用期間中の退職でも履歴書には偽りなく書くべき
この記事が試用期間中に退職を検討している人の参考になれば幸いです。