新年度の始まりである4月は、事異動や新入社員の受け入れが行われる時期です。
そのため、4月に退職を考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、
「退職することをいつ伝えればよいのか?」
「上司への適切な伝え方は?」
「4月退職のメリット・デメリットは?」
といった疑問を持つ人も少なくありません。
この記事では、4月に退職するにはいつ退職を伝えるのかをはじめ、ベストな退職時期、4月に退職するメリット・デメリット、4月退職までの具体的なスケジュールさらには4月退職に関するよくある質問について詳しく解説していきます。
4月の退職や今後退職を検討している人は、スムーズな退職実現のためにもぜひ参考にしてみてください。
著者情報

退職サポーターズ編集部
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4月に退職するにはいつ退職を伝える?
退職を決意したからといって、自分の都合でいつでも上司に伝えていいわけではありません。
ここでは、4月に退職するためにはいつ上司に伝えるのか具体的な時期や方法を解説していきます。
1月〜2月には退職の意思を直属の上司に伝える
4月に退職する場合、1月から遅くとも2月までには退職の意思を直属の上司に伝えるのが理想的です。
個室や会議室などプライベートな空間で落ち着いて話せる環境を選びましょう。
また、繁忙期を考慮し、業務の負担が少ない時期に上司に直接伝えるのがベスト。
法律上、法律上は2週間前に申し出れば退職できますが、従業員が一人欠けることで業務の引き継ぎや、新たな従業員の雇い入れなどに時間を要します。
円満に退職するためには、2ヶ月以上前の報告が望ましいでしょう。
また、退職の意思を伝える際に、直属の上司以外にアポを取るのはマナー違反です。
「自分を飛び越えてやりとりされた」と直属の上司の気分を損なうことになり、トラブルが生じてしまう可能性もあります。
くれぐれも、組織体系を無視した行動は慎み、順序を踏んで相談するようにしましょう。
会社の規定や労働基準法に従う
退職を検討しはじめた場合、まずは会社の就業規則を確認しましょう。
法律では、2週間前までに退職の意思を伝える必要があるとされていますが、多くの企業では就業規則で1ヶ月前などと定めています。
ただし、4月の退職となると、1ヶ月前は年度末(3月)となり、企業にとって繁忙期です。
この時期に退職の申し出をすると、業務負担が増す可能性が考えられるため、最低でも1〜2ヶ月前の申告が望ましいでしょう。
また、管理職などの責任が大きいポジションの場合、業務の引き継ぎに期間を要するため、3カ月以上前からの申し出が必要な場合もあります。
円満退職を実現させるために、余裕をもって上司に相談し、退職の意思を伝えることが大切です。

ベストな退職時期は?
会社を退職する最適なタイミングは人によって異なりますが、以下の2つの時期を意識しておくのも良いでしょう。
- 閑散期
- 求人の多い時期
まずひとつめが閑散期の退職です。
3月や9月は多くの企業が決算を迎えるため、退職の申し出を行うもなかなか取り合ってもらえなかったり、業務が忙しく引き継ぎがスムーズに進まない、職場の空気が悪くなるなどの事態が想定されます。
決算以外にも企業によっては異なる繁忙期があるかもしれないため、トラブルを避けるためにも退職の報告は閑散期を選ぶようにしましょう。
次に、転職による退職の場合は、求人情報の多い時期もおすすめです。
一般的には年度末での異動や退職者の増える3月、後期のスタートに当たる10月が求人が多い時期といわれています。
豊富な求人情報の中から希望に合ったものを探しやすいため、転職で会社を辞める時期としておすすめです。
4月に退職するメリット
4月末に退職することで、主に以下の5つのメリットがあります。
「月末」の退職がおすすめです!

- 人事異動が多いため業務の引継ぎがスムーズ
- ボーナス支給や年末調整といった経済的なメリットがある
- 有給休暇を消化しやすい
- 転職活動を有利に進めやすい
- 雇用保険(失業手当)を受け取りやすい
人事異動が多いため、業務の引継ぎがスムーズ
4月末に退職することで、新しい職場で年度始めからスムーズにスタートを切ることができます。
新卒採用がある場合は、一緒に研修を受けることができたり、人事異動や新体制への移行があるため、引き継ぎがしやすいといえます。
会社側の受け入れもスムーズになりやすい点もメリットでしょう。
ボーナス支給や年末調整といった経済的なメリットがある
会社によっては3月末の決算賞与が支給されることがあるため、賞与をもらったあとにやめることもできます。
ただし、ボーナスをもらってから退職したい場合は、会社の就業規則を確認しましょう。
多くの企業では、ボーナス支給は支給日に在籍していればボーナスは支給されるということになります。
有給休暇を消化しやすい
新年度に移行するタイミングである4月で退職すると、新しい有給休暇が付与された状態での退職となり、有給消化しやすい傾向があります。
4月いっぱい有給消化をし、実質3月で退職できるケースもあります。
転職活動を有利に進めやすい
4月から5月にかけて新入社員の退職や、社員の異動による人員不足を補うための求人が増える時期です。
この時期に転職活動することで、転職活動をするライバルも少ない傾向にあるため、有利に転職活動を進めることができるでしょう。
雇用保険(失業手当)を受け取りやすい
これまでは、自己都合で退職した人が失業給付を受給するにあたって、7日間の待期期間の翌日から、原則2カ月間の給付制限期が設けられていました。
しかし、2025年4月より改正を経て、この給付制限期間が1カ月へと変更となります。
よって、4月以降に退職すれば約1ヶ月ほどで雇用保険(失業手当)を受け取ることが可能となります。
4月に退職するデメリット
4月末で退職することで以下のようなデメリットも存在します。
- 繁忙期との兼ね合い
- 年度末のボーナスがもらえない可能性がある
- 退職後の手続きが混雑する可能性がある
繁忙期との兼ね合い
新年度の人事異動や新入社員の育成などが重なり、人手不足になりやすいため引き止められる可能性があります。
4月は新入社員の教育が必要な時期であったり、異動による引継ぎで平常時よりも混乱している時期であるため、もうしばらく続けてほしいというのが会社側の本音でしょう。
年度末のボーナスがもらえない可能性がある
多くの企業は6月や7月に夏のボーナスを支給するため、4月末で退職するとボーナスがもらえません。
企業によっては、12月分のボーナスを一部返金しなければならない場合もあります。
ボーナスを貰ってからの退職を希望する場合は6月以降の退職がおすすめです。
退職後の手続きが混雑する可能性がある
年度の変わり目である4月は、役所の手続きが混雑する点もデメリットと言えるでしょう。
特に退職後の国民健康保険・年金の切替え、失業手当の申請などで役所が混みやすい傾向があります。
よりスムーズな退職後の手続きを行いたい場合は、4月退職は避けた方がいいかもしれません。

2025年4月から自己都合退職者の失業給付に関するルールが変更
2024年5月に雇用保険法の改正が成立し、2025年4月から自己都合退職者の失業給付に関するルールが大きく変わりました。
以下で詳しく見ていきましょう。
給付制限期間が2か月から1か月に短縮
会社などを自己都合で退職した人は、失業給付を原則2か月間は受け取れませんでしたが、4月1日からその期間が1か月間に短縮されました。
これは、安心して転職活動ができる環境を整えることがねらいです。
制限期間の短縮によって、金銭面の心配が減り精神的な負担も軽減されることによって、転職活動に集中できるでしょう。
ただし、過去5年間に2回以上自己都合で退職をした人は、待機期間とその後の3か月間、失業給付が支給されないというルールは4月以降も変わらないため注意が必要です。
教育訓練の受講により給付制限期間が解除
さらに、教育訓練の受講により給付制限期間が解除される制度も新設されました。
これは、リスキリング(学び直し)の取り組みを進めるため、離職前の1年以内に国の教育訓練を受けた場合などは給付制限期間がなくなり、7日間の待機期間が終わればすぐに失業給付を受け取れます。
教育訓練とは、働く人のキャリアアップを支援するため、雇用保険の教育訓練給付の指定講座を受けると、その費用が一部支給されることです。
現行制度でもハローワークの指示による職業訓練受講で給付制限が解除されますが、2025年4月からは自主的な教育訓練でも同様の効果が得られるようになったことが大きな変更点といえます。
4月退職までの具体的なスケジュール
ここでは、4月退職をするにあたり具体的な流れを説明していきます。
退職を決めた後は、スムーズな退職ができるように適切なスケジュールを立て、計画的に進めましょう。
- 1~2か月前:退職の意思を上司に伝える
- 1か月前:退職届家を提出
- 退職1か月前〜2週間前:引き継ぎ業務
- 退職2週間前〜退職日直前:社内外や取引先に挨拶
- 退職1カ月前〜退職日直前:有給休暇の消化
1~2か月前:退職の意思を上司に伝える
まずは直属の上司に退職の意思を伝えましょう。
先述のとおり、最初の報告を直属の上司以外にするのはマナー違反です。
また、今後のスケジュールを相談して大まかな退職の流れを確認しておきましょう。
1か月前:退職届家を提出
退職の1ヶ月前を目安に退職届を提出します。
退職届とは、従業員が会社に辞める意志を伝える書類のことです。
民法においては、いつでも退職の申出をすることが可能で、退職日の2週間前に退職届を提出すればよいとされています。
ただし、会社の就業規則で独自に退職の申出のタイミングが決められている場合もあるため、確認が必要です。
退職1か月前〜2週間前:引き継ぎ業務
退職の意思を報告した後は、引き継ぎを行いましょう。
引き継ぎ業務に「早すぎる」ということはないため、出来るだけ早くにスタートさせることが望ましいでしょう。
退職時の引き継ぎは、円満退職のポイントであり、後任者の業務遂行をスムーズにするために重要です。
後任者が円滑に業務を開始できるよう、業務内容、手順、必要な資料などを明確に伝えることで、退職者と会社との間でトラブルを避けることができます。
退職2週間前〜退職日直前:社内外や取引先に挨拶
退職の2週間前あたりから退職することを社内や取引先へ報告します。
社内では、メールや朝礼、親しい同僚などには口頭で適切に伝えるようにしましょう。
特にお世話になった上司などには感謝の意を伝えることも忘れずに。
取引先などには、メールや訪問で挨拶をし、後任者を紹介しましょう。
退職1カ月前〜退職日直前:有給休暇の消化
4月末退職の場合、4月を有給休暇の消化をして実質3月末の退職とする人も多いでしょう。
ただし、会社によっては有給休暇の消化ルールが異なるため、事前に確認しましょう。
退職の意思を伝える際に、有給休暇の取得についても上司に相談してみるのもいいでしょう。
一方で、引き継ぎが済んでいない状態で有給休暇を取得することで、職場に迷惑をかけることになり、円満退職が遠のいてしまうこともあるため注意しましょう。
4月退職に関するよくある質問
4月退職をするにあたってよくある質問をご紹介します。
以下の点を確認し、スムーズな退職を実現しましょう。
- 4月に退職したら税金はどうなりますか?
- 住民税は1~12月の収入に対して課税され、その支払いは翌年の6月から始まります。
1月から5月に退職する場合、最後の給与または退職金から一括で残りの住民税を天引きしてもらうことになります。
たとえば4月に退職する場合、4月と5月の2カ月分の特別徴収を会社側が行います。
退職した月によって納付方法が変わるため、必ず確認するようにしましょう。
- 何月に退職するのが得ですか?
- ベストな退職時期は、退職目的によって異なります。
例えば、転職先を決めてからの退職であれば3月末・12月末がベストです。
これは、年度末、年末を利用することで、これまでの仕事に区切りをつけ新しい会社での新たなスタートを切りやすいからです。
会社側としても、後任者を移動させたり、人員の配置をしやすい時期です。
ただし、年末・年度末は繁忙期でもあることから、出来るだけ早急に退職の意思を伝えておくことが重要です。
次にボーナスをもらってからの退職が目的の場合は、夏のボーナス(8月〜9月末)・冬のボーナス(12月〜1月末)での退職がベストです。
しかし、会社によってはボーナスの一部返金を求めることもあるため、事前に就業規則を確認しておく方が良いでしょう。
- 4月に退職して無職になった場合、確定申告は必要ですか?
- 4月に退職しても、同年に転職することができれば基本的に確定申告は不要です。
これは、転職先の会社が以前の勤務先の給与支給分を含めて年末調整を行うためです。
一方で、退職後に無職の状態になる場合は確定申告が必要となります。
年度途中で退職すると年末調整を受けることができないため、年末調整がされないと所得税の徴収額の過不足が生じることがあります。
徴収額が不足するような場合では、確定申告が必要なため注意が必要です。
まとめ
この記事では、4月に退職するにはいつ退職を伝えるのかをはじめ、ベストな退職時期、4月に退職するメリット・デメリット、自己都合退職者の失業給付に関するルールの変更について、4月退職までの具体的なスケジュール、4月退職に関するよくある質問について解説しました。
結論は、4月末の退職は業務の引継ぎがスムーズ出会ったり、経済的なメリットや転職活動を有利に進めやすいなどのさまざまなメリットがあることがわかりました。
一方で、年度末の繁忙期との兼ね合いや、年度末のボーナスがもらえない可能性があるなどのデメリットも存在します。
また、4月での退職に限らず退職時には、後任者への業務引き継ぎや役所への届出などやるべきことは数多くあります。
事前にスケジュールを確認し、余裕を持って行動することで、円満に退職できることが可能です。
ただし、自身の状況によっては4月以外にもっとベストな退職時期があるかもしれないため、事前に就業規則を確認したり、上司と相談のうえで退職時期を決めるのも良いでしょう。

また退職サポーターズではこれから退職される方に向けて、
失業保険の受給金額が最大200万円になる給付金申請サポートを行っております。
今ならLINE追加するだけで、自分がいくら受給金額がもらえるのか無料診断ができます。
