セクハラとは、相手を不快にさせる性的な言動を指し、セクハラを受けた相手が不快に感じる、もしくは一般的に不快に感じる行動かどうかで判断していきます。
万が一、セクハラ被害に遭ってしまい、退職を検討する場合、失業保険はどのような扱いになるのか、気になる方も多いはずです。
結論から言いますと、セクハラ被害に遭ったことを理由に退職する場合、会社都合退職が認められやすくなるのです。
本記事では、セクハラで退職した場合の失業保険を中心に、確実に会社都合退職にしてもらう対処法などを解説しています。
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退職サポーターズ編集部
「退職サポーターズ」では、社会保険給付金の申請を退職のプロと社会保険労務士が支援します。当メディアでは、自己都合退職や会社都合退職にともなう手続きや、失業保険・傷病手当金などの制度について、正確かつ実用的な情報をわかりやすくお届けします。
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セクハラで退職したら失業保険は貰えるのか?
セクハラを理由に退職を決断した場合、失業保険はもらえます。
ただし、自己都合退職の可能性も会社都合退職の可能性もあるため、まずは両者の違いを知っておくことが大切です。
本項目では、会社都合退職のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
会社都合退職のメリット
会社都合退職のメリットは、自己都合退職にある1か月間の給付制限なしで、失業保険を受け取れる点にあります。
2025年4月から自己都合退職の給付制限は1か月間に短縮されたものの、1か月以上無収入の時期があるのは、死活問題です。
会社都合退職であれば、待期期間の7日間を過ぎてから1か月後には失業保険を受け取れるので、空白期間がないのも魅力です。
他にも、失業保険の給付日数が最大330日まで受け取れるのもメリットです。
例えば、自己都合退職の場合、5年以上10年未満では一律90日の給付日数ですが、30歳未満でも120日、45歳以上60歳未満なら240日分受け取れます。
自己都合退職か会社都合退職かの違いで、最大150日分の差が生じるのです。
会社都合退職のデメリット
会社都合退職となった場合、転職先を探す際に会社都合で退職したことを、履歴書に記載する方もいるはずです。
その際に、会社都合退職の理由を聞かれ、セクハラで会社都合退職の扱いにしてもらったことを伝えた場合に、ネガティブな印象を持たれる可能性があります。
会社側からすると、「入れたら揉め事を起こすかも…」もしくは「労働者としての権利を主張する人なのかも…」と思うことも考えられるでしょう。
採用を躊躇する要因になる可能性も出てきます。

自己都合退職と判断された場合の失業保険

会社側は自己都合退職として処理を行う可能性が高く、何のアクションも起こさないと、自己都合退職として扱われます。
その場合、待期期間の7日間と給付制限の1か月間を経てから、失業保険が給付される流れとなります。
一方、過去5年間で2回以上自己都合退職をしている方は、3か月間の給付制限となるため、注意が必要です。
セクハラ被害に遭ってやむなく退職したにもかかわらず、過去5年間で2回以上自己都合退職をしていた場合には3か月間以上無収入の時期を余儀なくされます。
自己都合退職として処理されないよう、前もって対策を立てる必要があります。
セクハラが認められた場合の失業保険

セクハラによって、会社都合退職と判断されれば、待期期間の7日を過ぎてから1か月後には失業保険が支給されます。
本項目では、セクハラが認められた場合の失業保険について解説します。
証拠がある場合
セクハラの証拠がある場合には、ハローワークなどで証拠を見せることにより、会社都合退職やそれに準じた形で処理を行ってくれます。
例えば、自己都合退職として処理されている場合、内容に不服がある場合にはハローワークで異議申し立てが行えます。
ハローワーク側は会社側にも事情を聴き、その上で最終的な離職理由を決める流れです。
その際、セクハラに関する客観的な証拠が提示されることで、ハローワーク側も判断がしやすくなります。
証拠がなくても認められる場合がある
突発的なセクハラ被害を経験した方の中には、あまりにも突発的すぎて、セクハラ被害の証拠がないケースもあります。
実はセクハラ被害の証拠がなかったとしても、セクハラの存在をハローワークで認めてもらい、会社都合退職の扱いにしてもらえる場合があるのです。
ハローワークにおいて、どのような被害を受けたのかをできる限り説明し、被害を受けた際の状況を克明に伝えていきます。
セクハラ被害を受けて、精神疾患などの症状が出た場合には診断書をもらい、提出するのも1つの手です。
またセクハラ被害を受けた際、会社の上司やコンプライアンス室などに相談した事実があれば、そのことも伝えましょう。
たとえ証拠がなかったとしても、状況から判断して会社都合退職として処理してくれる可能性があります。

会社都合にする場合の必要事項

セクハラ被害を受けたことを理由に、会社都合退職としての処理をハローワークに求める場合には、セクハラがあったことを示す証拠が必要です。
この場合の証拠には以下のものが挙げられます。
- セクハラがあったことを裏付ける録音など
- セクハラがあったことを訴えるメール・メッセージ・録音など
- 同僚などからのセクハラに関する証言・目撃情報
- セクハラを起因とする症状を記した医師の診断書など
これらの証拠があることで、ハローワーク側は会社都合退職としての処理がしやすくなります。
セクハラで退職する時の注意点

セクハラ被害を受けて、退職を決断した際には以下の点に注意が必要です。
- ハローワークに相談
- 弁護士に相談
- 精神的な苦痛を伴う場合は医師の診断書を提出
本項目では、セクハラ被害を受けた後に退職を決断する際に気を付けたいことをまとめました。
ハローワークに相談
セクハラ被害を受けて、退職を検討する際には、まずハローワークへの相談がおすすめです。
ハローワークには「総合労働相談コーナー」と呼ばれる、労働に関する相談コーナーがあります。
予約なしで利用できるほか、秘密も守られるのが特徴的です。
女性の相談員もいるため、男性には話したくないと思う方でも安心して相談が行えます。
セクハラ被害を受けて退職した場合に、会社都合退職として処理してもらうにはどうすればいいのかを相談し、証拠集めなどのアドバイスをもらって実行に移せるようになるでしょう。
弁護士に相談
セクハラ被害を受けた際には、弁護士に相談することをおすすめします。
会社都合退職に向けた対応だけでなく、慰謝料請求を視野に入れる際に、弁護士の存在が欠かせません。
働いている最中であれば証拠集めもしやすいため、弁護士からのアドバイスを受けて動くこともできます。
また悪質なセクハラであれば、被害届を提出して刑事事件として対応してもらうのも1つの手段です。
法的なサポートを受けるためにも、弁護士への相談がおすすめです。
精神的な苦痛を伴う場合は医師の診断書を提出
セクハラ被害を受けた結果、うつ病やPTSDなどの症状を発症した場合には、医師に診断書を書いてもらい、会社やハローワークなどに提出します。
客観的な証拠として機能するため、会社都合退職として扱われやすくなるでしょう。
セクハラ被害に遭ってしまい、気分が優れないなどの症状、精神的な苦痛を伴っている場合には早急に医師に診察してもらい、診断書を書いてもらうことがおすすめです。
まとめ
今回はセクハラで退職する場合、失業保険はどうなるかについて解説してきました。
最後に今回ご紹介した内容を振り返っていきます。
- セクハラで退職した場合は、会社都合退職として認められる可能性がある
- 会社都合退職であればメリットが大きく、給付日数なども多くなりやすい
- セクハラを理由とした会社都合退職のためには、証拠などが大事
セクハラなどハラスメントによる退職は、会社都合退職とみなされるべきです。
しかし、会社側がそれを認めない場合もあるため、証拠を用意してハローワークでの手続きに臨むことが求められます。
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