退職前にやることリスト|辞めると決めたら最初に確認すべき下準備

退職前にやることリスト|辞めると決めたら最初に確認すべき下準備

退職の意思が固まったとき、「何から手をつければいいのか分からない」と感じる人は少なくありません。

退職日を会社に伝えてから慌てて準備を始めると、有給休暇を使い切れなかったり、健康保険や年金の手続きが期限に間に合わなかったりすることがあります。

本記事では、辞めると決めたら最初に確認すべきことから、退職の伝え方、在職中に済ませる社内手続き、退職後の公的手続きの期限、生活費の試算までを順番に解説します。

退職前にやってはいけないことや、トラブルを避けるための注意点もあわせて整理しています。

退職までの流れを一度に把握したい人は、ぜひ参考にしてください。

辞めると決めたけど、まず何から手をつければいいの?

準備もれで손…いや、お金や書類で損しそうで不安…

本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。

この記事でわかること
  • 辞めると決めた直後に最初に確認すべき項目の順序
  • 退職意思を伝えるタイミングと退職日を決めるときの逆算の考え方
  • 在職中に済ませる引き継ぎ・有給消化・返却物の整理の進め方
  • 会社から受け取る書類と退職後の公的手続きの期限の目安
  • 退職後の生活費の試算と受け取れる可能性のあるお金の確認手順
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辞めると決めたら最初に確認すべき3つのこと

退職を決めた直後にやるべきことは、就業規則の退職ルール・希望退職日からの逆算スケジュール・退職後に受け取れる可能性のあるお金の3点を先に確認することです。

この3点を押さえずに退職願を出してしまうと、退職日の調整や有給消化で不利になる場面が出てきます。

順番を間違えないことが、退職前の下準備で最も大事なポイントです。

①就業規則の退職ルールと申し出の予告期間

最初に確認するのは、勤務先の就業規則にある退職の定めです。

退職願を先に提出してしまうと、規程で定められた予告期間や退職金の支給条件を知らないまま退職日が動き出してしまいます。

就業規則では、次の項目を確認しておくと判断の材料がそろいます。

  • 退職の申し出をいつまでに行う必要があるか(予告期間の定め)
  • 退職金規程の有無と、勤続年数・退職理由による支給条件
  • 有給休暇の繰越ルールと、退職時の消化に関する取り扱い
  • 競業避止(退職後に同業他社へ就職する際の制限)の定め

就業規則は社内イントラや総務で閲覧できる場合が多く、周囲に退職の意思を伝える前に確認できます。

なお、民法では期間の定めのない雇用契約について申し入れから2週間で終了するとされていますが、就業規則では1〜3か月前の申し出を求めている会社もあります。

実務では、まず就業規則の予告期間に沿って相談し、引き継ぎの都合を含めて会社と合意して退職日を決める進め方が穏当です。

ポイント

就業規則の確認は、退職の意思を周囲に伝える前でも一人で進められます。退職金規程と有給のルールを先に知っておくと、退職日の交渉で選べる選択肢が増えます。

②希望する退職日と退職までのスケジュール

予告期間を確認したら、希望する退職日を仮に決めて、そこから逆算して予定を並べます。

並べる順番は「意思表示」「引き継ぎ」「有給消化」の3つで、最後の出勤日と退職日が別の日になる点に注意が必要です。

  • 退職希望日を仮に設定する
  • 有給の残日数ぶんをカレンダーの末尾に確保する
  • その手前に引き継ぎの期間を置く
  • さらに手前に上司へ伝える日を置く

この順で並べると、意思表示をいつまでに行う必要があるかが具体的な日付として見えてきます。

③退職後に受け取れる可能性のあるお金と加入状況

3つ目は、退職後の収入に関わる自分の加入状況の把握です。

雇用保険被保険者証や給与明細を見れば、雇用保険に加入していた期間や保険料の控除状況を在職中に確認できます。

失業保険の基本手当は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが受給資格の要件とされています。

倒産・解雇などの特定受給資格者や特定理由離職者に該当する場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上で判断されます。

そのため、被保険者期間が要件に届きそうかどうかで、退職日の置き方を考える余地が出てくる場合があります。

あわせて、離職理由が自己都合と会社都合のどちらで扱われる見込みかも、早い段階で意識しておくと手続きの見通しが立ちます。

30代の男性が自宅のテーブルでノートパソコンと就業規則の冊子を前に、眉を寄せて困った表情で何から始めるべきか考え込んでいる

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退職の意思はいつ誰に伝える?伝え方と退職日の確定

退職の意思は、退職希望日の1〜3か月前に、直属の上司へ口頭で最初に伝えるのが基本の進め方です。

伝える相手と順序を誤ると、話が社内で先に広まって引き継ぎがこじれることがあります。

伝えたあとは、退職日を書面で確定させるところまでを一区切りとして考えます。

伝えるタイミングは退職希望日の1〜3か月前が目安

時期は、前述の就業規則の予告期間に、引き継ぎに必要な期間を足して決めます。

繁忙期や人事異動が集中する時期は上司の時間が取りにくく、話が後ろに流れやすくなります。

その場合は少し早めに動き、面談の時間をあらかじめ確保してもらうほうが進みやすくなります。

伝える場も重要で、立ち話や業務チャットではなく、会議室や個室で30分程度の時間を押さえてもらうのが望ましい形です。

直属の上司から伝える順序と口頭での伝え方

伝える順序は、直属の上司から部門長、その後に人事部門という流れが基本です。

直属の上司を飛ばして人事へ先に相談すると、上司が後から知ることになり、引き継ぎの調整で協力を得にくくなる場合があります。

同僚や取引先への共有は、会社側の指示や社内の発表を待ってから行います。

口頭で伝えるときは、次の要素を短くまとめると話が前に進みます。

  • 退職の意思が固まっていること
  • 希望する退職日
  • 引き継ぎに協力する姿勢
  • 退職理由(簡潔に)

退職理由は、会社や上司への批判ではなく、個人的な事情や今後の方向性として一貫した内容にまとめます。

理由が面談ごとに変わると、引き止めの材料になったり、離職理由の扱いで話が複雑になったりすることがあります。

退職願・退職届の違いと提出のタイミング

退職願は会社に退職を願い出る書面、退職届は退職する意思を会社へ届け出る書面という違いがあります。

どちらを使うかは会社の慣行によりますが、書面はいずれも口頭で退職日を合意したあとに提出するのが順序です。

合意前に退職届を出すと、退職日の調整や有給消化の相談をする余地が小さくなってしまいます。

書式や提出先が社内で指定されていることもあるため、上司との面談時に確認しておきます。

引き止められたときに退職日を曖昧にしない工夫

引き止めにあったときに最も避けたいのは、退職日が決まらないまま時間が過ぎることです。

退職日は、有給休暇を消化できる日数や社会保険の資格を失う日に直結します。

そのため「次の面談までに決める」ではなく、退職日を書面に残して確定させるところまで進めます。

注意

退職日が口約束のままだと、後から日付の認識が食い違うことがあります。面談で合意した退職日は、退職願・退職届に明記するか、メールで確認の一文を送って文字に残しておきます。

退職の意思を伝えてから退職日を確定するまでの流れ。就業規則で予告期間を確認、直属の上司へ口頭で申し出、引き継ぎと有給消化の日程を調整、退職日を合意し書面で確定、部門長・人事部門へ共有
会議室で30代の女性社員が向かいに座る上司に書類を差し出しながら、緊張した表情で退職の意思を伝えている

在職中に済ませる社内手続きのやることリスト

退職日が決まったら、在職中にしかできない手続きを引き継ぎ・有給休暇・返却物・私物の整理の4つに分けて進めます。

最終出社日を過ぎると社内システムにも入れなくなるため、やることを一覧にして順番に片づけるのが確実です。

引き継ぎ資料の作成と引き継ぎスケジュール

引き継ぎは、後任が一人で業務を回せる状態をゴールに考えます。

口頭の説明だけでは抜けが出るため、引き継ぎ書を作って渡す形にします。

引き継ぎ書に入れておきたいのは次の項目です。

引き継ぎ書に入れる項目
  • 担当業務の一覧と年間・月間のスケジュール
  • 取引先の連絡先と、これまでのやり取りの経緯
  • 定例作業の手順とシステムの操作方法
  • データ・書類の保管場所とアクセス権限
  • 対応中の案件の進捗と引き継ぎ時点の状況

作成は最終出社日の直前に回さず、意思を伝えた直後から少しずつ進めます。

後任が決まらない場合でも、誰が読んでもわかる形で書き残しておけば、引き継ぎの遅れを理由に退職日を延ばされにくくなります。

有給休暇の残日数の確認と消化計画

有給休暇の残日数は、給与明細や勤怠システム、人事担当者への確認でわかります。

残日数がわかったら最終出社日と退職日を分けて考え、最終出社日の翌日から退職日までをまとめて消化する形で日程を組みます。

まとめて取得する場合も申請は必要なため、会社の手続きに沿って早めに申請します。

残った有給休暇の買い取りは会社の規程によるもので、義務ではありません。

金銭での精算をあてにせず、消化を前提に日程を組むほうが確実です。

会社への返却物の洗い出し

返却物は最終出社日までに揃えておくと、退職後のやり取りを減らせます。

返却するものの代表例は次のとおりです。

  • 健康保険証(扶養家族の分も含む)
  • 社員証・入館カード・鍵
  • 名刺(自分の分と受け取った取引先の分)
  • 貸与されたパソコン・スマートフォン
  • 制服・作業着
  • 通勤定期券
  • 社費で購入した書籍・備品

健康保険証は退職日の翌日以降は使えなくなります。

返却の方法と期限は会社によって異なるため、郵送か手渡しかも含めて確認しておきます。

注意

通院中の持病がある場合は、保険証が使えるうちに受診や薬の処方を済ませておくと安心です。退職後に切り替えの手続きが遅れると、医療費をいったん全額自己負担する場合があります。

私物・データの整理と社内アカウントの確認

デスクやロッカーの私物は、最終出社日までに少しずつ持ち帰ります。

一方で、業務で作成した資料や顧客情報は会社の財産にあたるため、個人の端末やメールに持ち出してはいけません。

転職先で使うつもりで持ち出すと、秘密保持の規程に触れる場合があります。

社内アカウントは最終出社日で止まることが多いため、必要な私的連絡先は先に控えておきます。

給与明細や源泉徴収票を社内システムで閲覧している場合は、退職後に見られなくなる前に保存しておきます。

机の上に置かれた引き継ぎ書のファイル、社員証、健康保険証、カレンダー、ボールペン

会社から受け取る書類と退職後の公的手続きの期限

退職時に受け取る書類は離職票・雇用保険被保険者証・源泉徴収票などで、健康保険と年金の切り替えには期限が決められているため、退職前に受け取り方と切り替え先を決めておきます。

書類がそろわないと失業保険の手続きも税金の手続きも始められません。

期限のある手続きを先に把握しておけば、退職後にあわてて窓口を回る事態を避けられます。

離職票・雇用保険被保険者証・源泉徴収票など受け取る書類

退職にあたって会社から受け取る書類は、おおむね次のとおりです。

  • 雇用保険被保険者離職票-1・離職票-2
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳または基礎年金番号通知書(会社が預かっている場合)
  • 源泉徴収票
  • 退職証明書(必要な場合に発行を依頼する書類)

離職票は退職日より後に会社がハローワークへ手続きをしてから発行されるため、最後の出勤日には受け取れないのが通常です。

源泉徴収票も最後の給与額が確定してから作成されるため、退職後に届く形になります。

いずれも郵送されるケースが多く、離職票が届かないと失業保険の手続きを始められません。

そのため、郵送先の住所と発行予定の時期、担当部署の連絡先を退職前に確認しておきます。

退職後に引っ越しの予定がある人は、送付先をどちらにするかも伝えておく必要があります。

注意

離職票-2には離職理由が記載され、失業保険の給付制限や給付日数の判断に関わります。退職前に、会社が離職理由をどう扱う見込みかを確認しておくと、届いた内容との食い違いに気づきやすくなります。

健康保険は任意継続・国民健康保険・家族の扶養の3択

退職して会社の健康保険の資格を失ったあとは、任意継続・国民健康保険・家族の被扶養者のいずれかを選ぶのが基本です。

任意継続は、在職中に加入していた健康保険を退職後も続ける制度です。

申出は健康保険法の規定により被保険者資格を喪失した日から20日以内に行う必要があり、資格喪失日の前日までに継続して2か月以上被保険者であったことが条件とされています。継続できる期間は最長2年間です。

国民健康保険に加入する場合は、資格取得日から14日以内に、世帯主が住所地の市町村へ資格取得届を提出することと定められています。

家族が加入する健康保険の被扶養者になる道もありますが、収入などの要件を満たすかどうかの確認が必要になります。

どれを選ぶかで保険料の負担が変わるため、退職前に加入先の窓口や健康保険組合へ問い合わせて見込み額を聞いておくと判断しやすくなります。

国民年金への切り替えと保険料の免除申請

退職して厚生年金保険の被保険者でなくなったあと、すぐに再就職しない場合は国民年金の第1号被保険者への切り替えが必要です。

届出は退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区役所または町村役場へ行います。

基礎年金番号通知書など基礎年金番号がわかるものを添えて、本人または世帯主が届け出る形です。

配偶者を扶養していた場合は、退職によって配偶者が第3号被保険者でなくなるため、配偶者の分の手続きも必要になります。

退職により保険料の納付が難しいときは、失業を理由とした申請免除を利用できる場合があります。

申請には雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知、または雇用保険被保険者離職票の写し等が必要です。

失業の特例免除では前年の所得を0円とみなして審査されるため、在職中の収入が理由で通らないという扱いにはなりません。

住民税・所得税と退職金にかかる手続き

住民税は在職中は給与から差し引かれていますが、退職するとその方法を変える必要があります。

残りの税額を最後の給与や退職金からまとめて差し引く一括徴収か、自分で納付書で払う普通徴収への切り替えかを選ぶ形になり、退職の時期によって扱いが変わります。

どちらになるかは最後の給与の手取りに影響するため、退職前に給与担当へ確認しておきます。

所得税については、年内に再就職しない場合、自分で確定申告をして精算する流れになるため源泉徴収票を保管しておきます。

退職金を受け取る人は、「退職所得の受給に関する申告書」を支払者へ提出する手続きがあります。

この申告書は退職所得を受け取るときまでに提出しないと、退職所得の額について20.42%の税率で源泉徴収されると定められています。

提出していれば原則として確定申告は不要です(医療費控除等を受ける場合を除きます)。

退職後に期限がある公的手続きの早見チャート。健康保険の任意継続の申出は資格喪失日から20日以内、国民健康保険の資格取得届は資格取得日から14日以内、国民年金第1号被保険者への切り替えは退職日の翌日から14日以内、退職所得の受給に関する申告書の提出は退職所得を受け取るときまで

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退職後の生活費と受け取れるお金を先に試算しておく

退職後の家計は、3〜6か月分の生活費と、受け取れる可能性のあるお金の時期を並べて見比べておくと見通しが立ちます。

退職後は収入が途切れる一方で、支出はすぐには減りません。

金額の見当がついていれば、焦って条件の合わない転職先を選ぶ事態も避けやすくなります。

退職後3〜6か月分の生活費の洗い出し

生活費は、毎月必ず出ていく固定費と、退職後に新しく増える支出を分けて積み上げます。

退職後の支出に数えておく項目
  • 家賃・住宅ローン
  • 水道光熱費・通信費
  • 生命保険料などの保険料
  • 食費・日用品費
  • 国民健康保険料または任意継続の保険料
  • 国民年金保険料
  • 前述の住民税(普通徴収に切り替わった場合)

家族の人数や住んでいる地域によって金額は変わるため、通帳や家計簿アプリの直近3か月の支出を見ながら実額で出すのが確実です。

在職中は給与から引かれていた健康保険料や年金保険料を、退職後は自分で納める形になります。

そのため、在職中の生活費よりも毎月の支出が増える前提で計算します。

1か月分を出したら、3〜6か月分に広げて、貯蓄でどこまで賄えるかを確かめます。

失業保険がいつから受け取れるかの見通し

失業保険は、退職した翌日から受け取れるものではありません。

前述のとおり被保険者期間の要件があり、そのうえで手続きを進めてから支給が始まります。

自己都合で退職した場合は給付制限の期間があり、離職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月です。

令和7年3月31日以前の離職は原則2か月で、過去5年間に2回以上正当な理由のない自己都合離職をしている場合などは3か月となります。

給付制限の期間中は基本手当が支給されないため、その間の生活費は自分で用意する必要があります。

手続きの流れは、ハローワークでの求職申込みと受給資格の決定から始まります。

その後、初回説明会に参加し、原則4週間に1度の失業の認定を受けます。

振込は認定日から通常5営業日とされているため、退職から最初の入金までには一定の空白期間が生まれます。

この空白を生活費の試算に織り込んでおくことが、退職前の準備として重要です。

退職金・企業年金の有無と支給条件の確認

退職金や企業年金があるかどうかは、就業規則や退職金規程で確認します。

支給の有無や金額は、勤続年数や退職理由によって変わるのが一般的です。

勤続年数が規程の下限に届いていない場合は、支給されないこともあります。

支給の時期も給与とは別の扱いになるため、いつ振り込まれる予定かを人事担当者に確認しておきます。

確定拠出年金に加入していた場合は、退職後の移換手続きが必要になる場合があります。

家族・パートナーへの共有と家計の見直し

収入が途切れる見込みの期間は、早めに家族やパートナーへ共有します。

伝えずに進めると、家計の調整が遅れて必要な貯蓄を使い切ってしまうことがあります。

共有したうえで、固定費の見直しや、当面は控える支出の線引きを決めておきます。

住宅ローンやクレジットカードの審査は、収入の状況を見られるのが一般的です。

申し込みを予定しているときは、在職中に済ませるか時期をずらすかを、退職前に考えておきます。

30代の女性が自宅のテーブルで電卓と家計簿を広げ、心配そうな表情で退職後の生活費を計算している

退職前にやってはいけないこととトラブルを避ける注意点

退職前の失敗は、順序を飛ばすことと、口頭で済ませることから起きます。

どちらも後から取り返すのが難しく、退職日や離職理由の扱いに影響することがあります。

最後に、避けておきたい行動を整理します。

退職日を決める前に転職先へ入社日を確約しない

転職先が決まっている場合でも、入社日を先に確定させるのは避けます。

入社日が固まっていると、そこから逆算して退職日を決めることになり、引き継ぎの期間と有給消化の日数が両方とも圧迫されます。

就業規則の予告期間に収まらず、退職日の交渉で不利になることもあります。

順序としては、現職との退職日の合意を先に取り、そのうえで転職先と入社日を調整します。

選考の段階で入社日を聞かれたときは、確定日を答えるのではなく「退職日の調整後に確定する」と伝える形にとどめます。

口頭だけで済ませず記録を残す

退職の話は口頭で進む場面が多いため、合意した内容は文字で残します。

  • 上司と面談した日付と、その場で決まった内容
  • 合意した退職日と最後の出勤日
  • 提出した退職願・退職届の控え(コピーや写真)
  • 有給休暇の申請日と承認の記録
  • 返却物を渡した日と相手

面談のあとに「本日お話しした内容の確認です」とメールを一本送るだけでも、日付つきの記録になります。

認識の食い違いが起きたときに、話し合いの出発点として使えます。

無断欠勤や引き継ぎ放棄が不利になる理由

退職が決まったあとに無断欠勤をしたり、引き継ぎを投げ出したりする行動は避けます。

会社の規程によっては退職金の減額の対象となる場合があり、離職理由の判断にも影響することがあります。

離職理由は失業保険の給付制限や給付日数に関わるため、最後まで通常どおり勤務するほうが結果的に損が少なくなります。

また、次の職場で使うつもりで顧客情報や社内資料を持ち出す行為も認められません。

競業避止の定めがある会社では、退職後の働き方に条件が付いている場合があるため、就業規則の該当箇所を確認しておきます。

最後に、離職票や源泉徴収票が届かないときに連絡する部署名と電話番号・メールアドレスを、退職前に押さえておきます。

【重要】知らないと損する退職前のお金の下準備

退職前の数週間でやっておきたいのは、お金の請求に使う記録と、切り替え先の方針を先に固めておくことです。

手続きそのものは退職後に行いますが、判断材料は在職中にしか手に入らないものが多くあります。

後から集め直せない情報を、退職日までに手元に残しておきます。

  • 在職中の体調不良や通院の有無、受診した医療機関と時期の記録
  • 会社が離職理由をどう扱う見込みか、担当部署への確認
  • 健康保険証を返却する前の受診(退職日の翌日以降は使えません)
  • 健康保険を任意継続・国民健康保険・家族の扶養のどれにするかの方針
  • 年金の切り替え先と、保険料の納付が難しい場合の免除申請の検討

退職後に受け取れる可能性があるお金は、失業保険だけではありません。

在職中の体調不良で働けない期間があった人は傷病手当金、早期に再就職した人は再就職手当など、条件を満たせば対象になる給付金が複数あるとされています。

ただし、これらの制度は申請書類が複数に分かれており、医師や会社に記入してもらう欄があるものも含まれます。

さらに、前述のとおり失業保険の手続きは離職票の受け取りから始まり、給付制限や認定日のサイクルが絡みます。

注意

給付金には申請期限があり、期限を過ぎると請求できないことがあります。離職理由や書類の記入内容を誤ったまま進めると、受け取れる額が変わったり、後から取り戻せない場合があります。

どの制度を、どの順番で申請するかは、離職理由・被保険者期間・体調の状況によって変わります。

自分のケースに当てはめた判断が必要になるため、制度に詳しい専門家に相談して進め方を整理しておくと、受け取れる可能性のある給付金を取りこぼさずに済みます。

どの給付金が対象になりそうかは、離職理由や被保険者期間によって変わります。自分の場合に受け取れる可能性のある金額の目安を、LINEの無料診断で確認してみてはいかがでしょうか。

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よくある質問

退職の意思を伝えたあとに退職日を変更してもらうことはできますか?
いったん合意した退職日でも、会社と再度話し合って変更できる場合はあります。

ただし、後任の採用や引き継ぎの計画が動き出したあとでは、会社側が応じにくくなることがあります。

変更を希望するときは、理由と希望する新しい日付をそろえて早めに上司へ相談し、合意できた内容は改めて書面やメールで残しておきます。
有給休暇を消化しきれない場合、会社に買い取ってもらえますか?
退職時に残った有給休暇を買い取るかどうかは会社の規程によるもので、会社に応じる義務があるわけではありません。

そのため、買い取りを前提にせず、最終出社日の翌日から退職日までで消化できる日程を先に組むほうが確実です。

どうしても消化しきれない日数が出る場合は、退職金規程や過去の取り扱いを人事担当者に確認しておくと見通しが立ちます。
退職日の翌日から次の職場に入る場合も、健康保険や年金の手続きは必要ですか?
空白期間がなく翌日から次の職場に入る場合は、新しい勤務先が健康保険と厚生年金の加入手続きを行うため、本人が市区町村の窓口へ行く手続きは原則として生じません。

入社時に雇用保険被保険者証や基礎年金番号がわかる書類の提出を求められるため、前職から受け取った書類はまとめて保管しておきます。

一方で、入社日が退職日の翌日より後ろにずれる場合は、その空白の期間について国民健康保険や国民年金の手続きが必要になることがあります。
離職票が退職後しばらく届かないときはどうすればよいですか?
離職票は会社がハローワークへ手続きをしてから発行されるため、退職日からある程度の日数がかかります。

予定の時期を過ぎても届かないときは、まず退職前に確認しておいた担当部署へ連絡し、発行状況と郵送先の住所を確かめます。

それでも進まない場合は、住所地を管轄するハローワークへ状況を相談することもできます。

離職票が届くまでの間も求職の申込み自体は可能とされているため、手続きの進め方を窓口で確認しておくと待ち時間を無駄にしません。
退職前に転職活動をしていることを会社に伝える必要はありますか?
転職活動そのものを会社へ申告する義務はなく、内定先の社名などを伝える必要もありません。

ただし、退職の意思が固まった段階では、就業規則の予告期間に沿って退職そのものを申し出る必要があります。

なお、就業時間中に面接へ出向くことや、会社の設備を使って応募活動を行うことは、社内の規程に触れる場合があるため避けておくほうが安全です。

まとめ|退職前の下準備は「就業規則の確認」と「お金の見通し」から

辞めると決めたら、最初に取りかかるのは退職願の提出ではなく就業規則の確認です。

申し出の予告期間と退職金規程、有給の扱いを押さえたうえで、希望する退職日から逆算してスケジュールを組むと、その後の判断が迷いにくくなります。

最後に今回解説した内容を振り返ります。

  • 就業規則で予告期間と退職金・有給のルールを確認し、退職日から逆算して予定を組む
  • 退職の意思は直属の上司から伝え、退職日は書面で確定させる
  • 在職中に引き継ぎ・有給消化・返却物・受け取る書類を一覧で押さえる
  • 健康保険・年金・住民税には期限のある手続きがあるため、退職前に方針を決めておく
  • 生活費を3〜6か月分試算し、受け取れる可能性のあるお金を早めに確認する

健康保険の任意継続は資格喪失日から20日以内、国民健康保険と国民年金は14日以内と、期限が決まっている手続きがあります。

切り替え先を退職日までに決めておけば、退職後に慌てずに済みます。

そして、生活費の試算と受け取れる可能性のあるお金の確認を早めに済ませておくことが、退職後の不安を小さくする一番の下準備になります。

40代の男性が自宅のテーブルで書類を手元に整え、肩の力が抜けた安心した表情で前を向いている