「今の会社を辞めたいけど、退職理由が思いつかない…」という方もいるのではないでしょうか。
また、「給料が安いからという理由ではうまく退職できるか不安だから嘘をついて辞めたい…」と不安を感じる方もいるはずです。
結論から言いますと、退職理由が嘘だったとしても法的には何ら問題はありません。
嘘の退職理由を作り出すことで、円満退社にもつながりやすく、周囲の人たちに怪しまれることもなく、スムーズな退職が可能です。
そこで今回は、嘘の退職理由について、社会保険労務士と一緒に退職支援を行っている私が、おすすめの退職理由や嘘をつくメリット・デメリットなどを解説します。
これを知れば、本当に辞めたいと思った理由を伝えることなく、円満に退職を目指せますよ。
退職理由は嘘でも問題ない?
嘘の退職理由で会社を辞めることはいけないことではないのかと疑問に思う方もいるはずです。
実は噓の退職理由で辞めても法的には何ら問題がありません。
その理由についてご紹介していきます。
法的には理由は不要!一身上の都合で問題ない
退職に関して、労働基準法などに明記されていないため、嘘の退職理由=違法とはなりえません。
退職理由が必要となるのは会社側が労働者を解雇する場合であり、この時は解雇の理由を伝える必要があります。
労働者が会社を辞める際には「一身上の都合」のみの理由で何ら問題はありません。
それだけでは納得がいかない!退職を認めない!と会社側が言い出すことは単なる法律違反となります。
嘘でもいいから上司が納得する理由にしよう
一方で、退職理由を言わなくても問題ないのはあくまでも法律上の話です。
会社側からすれば、なぜ退職をするのかを聞き出すことは今後離職者を防ぐ上で非常に重要なことです。
そのため、なぜ退職をするのかと上司が執拗に聞いてくることが考えられます。
その際には嘘でもいいので上司が納得する理由を考えて伝えていくことが必要です。
退職理由で嘘をつくメリットとデメリット
ここからは退職理由に関して、嘘をつくメリット・デメリットについてそれぞれご紹介します。
嘘をついてプラスになること、マイナスになることをまとめました。
退職理由で嘘をつくメリット
退職理由で嘘をつく最大のメリットは、円満退社につながりやすいことです。
例えば、「給料が安い・上司が嫌い・能力が低い同僚しかいない」などと思って退職する場合、ストレートにその理由を言えば余計な恨みを買うことになります。
本心を隠しつつ、誰もが納得する嘘の退職理由を伝えれば円満に辞めやすく、良好な関係を維持できるでしょう。
退職に至るまで引継ぎなども必要になるので、職場の雰囲気を悪くしないというのもメリットの1つと言えるでしょう。
退職理由で嘘をつくデメリット
退職理由で嘘をつく最大のデメリットは、退職までのつじつま合わせです。
例えば、語学留学をするわけでもないのに語学留学をするので辞めたいと嘘をついて辞める場合、退職までに語学に関する話題を散々振られるでしょう。
次第に嘘が苦しくなっていき、綻びが出始めると、「嘘をついて辞める」ことが段々とバレてきます。
嘘がバレれば心象は一気に悪くなり、円満退職どころではなくなるので、嘘をつくにしてもわかりにくい嘘が求められます。
退職理由が嘘だとバレることはある?
嘘の退職理由を伝えた場合、相手にバレる可能性はあるのか不安に思う人もいるでしょう。
結論から言いますと、本人から自滅しない限りはなかなかバレることはないと言えます。
この場合の自滅とは、信頼できる人にだけ本当の理由を話してしまうなどの行為です。
【嘘だとバレない対策】本音を誰にも言わないように注意しよう
信頼できる人にだけ、本当の退職理由を伝えようと本音で話してしまう人もいるでしょうが、これは嘘だとバレる可能性を高めるだけです。
その人物が本当のことを暴露する可能性もあれば、その人物が嘘が苦手だった場合に周囲の人物が詰問して言わせようとさせることもあり得ます。
バレないためには、本当のことは誰にも言わないことが第一です。
あとはバレにくい理由さえ作ってしまえば、基本的に会社側にバレることはないでしょう。
嘘の退職理由おすすめ10選!引き止められずに円満退職しよう
ここからは相手にバレにくい嘘の退職理由についてご紹介していきます。
中でも噓の退職理由としてよくある10選をまとめました。
- 興味のある業界へチャレンジしたいため
- 転職先が決まったため
- 資格取得に集中したいため
- 学業に集中したいため
- 体調不良が続いており治療に専念したいため
- 結婚を機に転居するため
- 家族の介護が必要で実家へ帰るため
- 年老いた両親のために実家へ帰るため
- 家業を継ぐため
- 一身上の都合のため
興味のある業界へチャレンジしたいため
異業種への挑戦・興味ある分野へのチャレンジを理由に辞めるのも噓の退職理由としては使いやすいです。
フリーランスとして新しいことに挑戦したいと伝えていけば、会社側は引き止めませんし、周りも応援するでしょう。
のちにバレても、色々な理由をつけて正当化もしやすく、噓の退職理由としては使い勝手がいい部類です。
転職先が決まったため
転職先が決まったと嘘をつくことで、会社側としては引き止めにくくなります。
具体的な転職先を聞かれることも考えにくく、自分が転職したい業種などを伝えれば十分でしょう。
あくまでも「転職先が決まった」とだけ伝えればよく、待遇が良いからなどの理由は特に言わなくても大丈夫です。
資格取得に集中したいため
国家資格を取りたいからなどの理由をつけて退職するのも1つの手です。
最近になり、学び直しを推奨する動きが強まっており、資格取得のために辞めることは時流に合った辞め方と言えます。
どんな資格を取りたいかについて、実現しそうなものをピックアップすればバレにくいです。
学業に集中したいため
学び直しの一環で、会社員として働きながら大学に入って学ぶ人がいるので、学業に力を注ぎたいなどの理由も有力です。
実際に通信制の大学に入る社会人は多く、学ぶことへの喜びを感じられたなどの理由をつければ問題ありません。
嘘がバレる可能性も低く、嘘の退職理由としては最強に近いと言えます。
体調不良が続いており治療に専念したいため
精神疾患など体調不良を改善したいので会社を辞めたいと嘘をつくのもおすすめです。
場合によっては休職を提案される可能性がありますが、まずはしっかりと治したいと丁重に申し出を断るようにしましょう。
精神疾患系の体調不良は目に見えにくいことや詮索されにくいこともあるため、理由として有力です。
結婚を機に転居するため
遠距離恋愛をしていたパートナーと結婚して同居するために引っ越すという理由もおすすめです。
実際に相手がいなくても、今まで黙っていたなどと理由をつければ大丈夫です。
注意したいのは会社と自宅が近い場合ですが、辞めてからバレたところで大きな影響はないでしょう。
家族の介護が必要で実家へ帰るため
家族の介護を理由とした退職も引き止められにくいです。
「今は別の家族が介護をしていて、自分もサポートしたい」と言えば会社側もこれ以上の詮索はしないでしょう。
介護の話題などはデリケートな話題である分、根掘り葉掘り聞かれにくいです。
年老いた両親のために実家へ帰るため
両親の面倒を見るという理由も退職理由としておすすめです。
家族の介護と理由は近く、デリケートな話題である分、詮索はされにくいでしょう。
ただ、過去に会社で両親の話題をしていた場合には注意が必要です。
家業を継ぐため
実家で家業をしている場合には、家業を継ぐことを理由に退職するのも嘘の理由として有力です。
実際に家業を継ぐ人は数年間社会人として働くケースが多く、その理由で嘘をついてもバレにくいでしょう。
実家で家業をしているという前提が必要ですが、その前提があれば引き止められにくい理由になりえます。
一身上の都合のため
一身上の都合という理由は、最もポピュラーであり、よくある退職理由の1つです。
何か理由があるのだろうと思われつつも、不平不満を言わずに辞めていくことは会社としてはありがたいことと言えます。
嘘の退職理由としてはある意味最強の部類に入ります。
トラブルを避けて退職するための注意点
退職を目指す際にはできる限りトラブルを避け、嘘の退職理由を話すことが求められます。
その際には以下の点に注意をしましょう。
- 1ヶ月前までには退職を申し出る
- 直属の上司に直接伝える
- スムーズに引き継げるよう準備しておく
- 不平不満・愚痴は言わないようにする
1ヶ月前までには退職を申し出る
退職の申し出は少なくとも1か月前までに行うことが求められます。
民法では退職の申し出から2週間後に辞めることが定められていますが、実際に2週間で引継ぎを行うことは大変です。
企業の中には退職の申し出から1か月後に辞めることを定めているケースもあるので、できれば退職の申し出から1か月後に辞めるスケジュールが理想的と言えます。
【プロが解説】退職はいつまでに言うべき?法律的に何ヶ月前に言うべきなのかを解説します直属の上司に直接伝える
噓の退職理由をつく場合でも、まずは直属の上司に直接伝えることが求められます。
先に同僚などに伝えて、人づてに直属の上司の耳に入ると、スムーズな退職がしにくくなります。
その状態で噓の退職理由をつけば、詮索される可能性もあり、雰囲気はかなり悪くなるでしょう。
スムーズに引き継げるよう準備しておく
1か月後に辞めることを想定した場合に、引継ぎをスムーズに行うことが求められます。
特に有休消化を検討している場合には、引継ぎをスムーズに行わないと消化しにくくなるでしょう。
準備できることは準備し、引継ぎに備えることをおすすめします。
不平不満・愚痴は言わないようにする
スムーズな退職を目指すには、不平不満や愚痴を言わないことが鉄則です。
不平不満などを言えば雰囲気を悪くするばかりか、退職理由を詮索されやすくなります。
そこで嘘がバレたら、退職までの期間は最悪の空気で仕事をせざるを得なくなるので注意が必要です。
【最新】会社の辞め方を解説!すぐに退職したい方の手順や注意点【円満退職】まとめ
今回は噓の退職理由についてご紹介してきましたが、最後に今回ご紹介した内容をまとめていきます。
- 噓の退職理由で辞めても法的に問題なし
- 嘘の退職理由で辞めると円満退社につながりやすい
- 嘘だとバレないためには本音を誰にも言わないのがおすすめ
噓も方便ということわざがあるように、嘘をつくことで円満に辞めることができます。
特に同業他社への転職の際には再び前職の職場と仕事をする可能性もあるので、円満に辞めることは大切です。
本当の理由をぶつけても得らしい得もないので、スムーズに退職するための作戦として活用することをおすすめします。