退職時に診断書は必要?もらい方・費用・出すタイミングを解説

退職時に診断書は必要?もらい方・費用・出すタイミングを解説

体調不良で退職を考えるとき、診断書が必要なのかどうか気になる人は少なくありません。

退職の手続き自体には診断書が必須とされているわけではありませんが、傷病手当金や雇用保険、障害年金など関連する制度によっては診断書の提出を求められる場合があります。

本記事では、退職時に診断書が必要になる主なケースと、もらい方・費用の考え方・出すタイミングの目安を解説します。

どの制度を利用したいかによって必要書類や手続きの流れが異なるため、あらかじめ全体像を把握しておくことが大切です。

診断書の準備に不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 退職時に診断書が必ず必要かどうかの結論
  • 診断書の提出が関わりやすい制度別のケース
  • 診断書のもらい方と医療機関への依頼手順
  • 診断書の費用負担の考え方
  • 診断書を出すタイミングの目安と注意点
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退職時に診断書が必要かどうかの結論

結論として、退職の手続きそのものに診断書の提出が法律で義務付けられているわけではありません

ただし、体調不良を理由に退職する場合、傷病手当金の継続給付や雇用保険の特定理由離職者としての認定、障害年金の請求など、利用したい制度によっては診断書や医師の証明書の提出を求められることがあります。

退職の意思表示自体には診断書が不要でも、後から手当や給付を受けようとする際に必要になるケースがあるため、早めに全体像を把握しておくことが大切です。

診断書の提出が関わりやすい場面の早見表。傷病手当金の継続給付は就労不能の状態を確認する資料として求められる場合あり、雇用保険の特定理由離職者は体調による離職理由の認定に関わる場合あり、雇用保険の受給期間延長は証明書類の一例として例示、説明で足りる場合もあり、障害年金の請求は障害の種類ごとの指定様式の診断書が必要、退職所得控除の障害者特例は障害に該当する事実の確認に使われる場合あり

退職時に診断書の提出が必要になる主なケース

診断書が求められるかどうかは、退職後にどの制度を利用したいかによって異なります。

ここでは、体調を理由に退職する場合に関わりやすい4つの制度を整理します。

傷病手当金の継続給付を受けるケース

健康保険の傷病手当金は、在職中の要件を満たしていれば退職後も継続して受け取れる場合があります。

具体的には、資格喪失日の前日までに継続して1年以上の被保険者期間があり、資格喪失時に傷病手当金を受給中または受給できる状態(就労不能)であることが要件とされています。

支給期間は支給開始日から通算して1年6か月間とされています。

在職中に傷病手当金を未申請であっても、連続する3日間の労務不能(待期)の事実があれば、退職日の翌日分から支給を受けられる場合があるとされています。この就労不能の事実を確認する際に、医師の診断書や意見書の提出を求められることがあります。

なお、退職後に傷病手当金を引き続き受給する場合、健康保険の被扶養者になれない場合がある点にも注意が必要です。

雇用保険の特定理由離職者・受給期間延長を申請するケース

雇用保険では、体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力や聴力の減退等により離職した場合、特定理由離職者の範囲に含まれるとされています。

特定理由離職者に該当すると認定されれば、通常の自己都合退職とは異なる扱いを受けられる可能性があります。

また、病気やけがですぐに就職活動ができない場合は、受給期間の延長を申請できる制度もあります。延長理由を証明する書類の一例として「医師の証明書等」が挙げられていますが、診断書が唯一の証明手段というわけではなく、状況によってはハローワークへの説明で足りる場合もあるとされています。

実際に診断書が必要かどうかはケースによって異なるため、申請前に管轄のハローワークへ確認しておくと安心です。

障害年金を請求するケース

退職の原因になった病気やけがの内容によっては、障害年金の請求を検討する人もいます。

障害年金の請求には、眼の障害、肢体の障害、精神の障害など障害の種類ごとに指定された様式の診断書が必要とされており、様式や作成要領は日本年金機構が案内しています。

診断書は主治医など医師に作成してもらう必要があり、症状の経過や日常生活への影響などを記載してもらう形になります。

退職所得控除の障害者特例を受けるケース

障害者になったことが直接の原因で退職した場合、退職所得控除の計算において通常の退職所得控除額に100万円が加算される特例が設けられています。

この特例の適用を受ける際にも、障害の状態を確認できる資料として診断書の提出が必要になる場合があります。

該当する可能性がある人は、退職金の支払いを受ける前に勤務先の経理・人事担当者や税務署に確認しておくとよいでしょう。

診断書の提出が関わりやすい主なケース
  • 傷病手当金の継続給付を受けたいとき
  • 雇用保険の特定理由離職者としての認定を受けたいとき
  • 雇用保険の受給期間延長を申請したいとき
  • 障害年金を請求したいとき
  • 退職所得控除の障害者特例を受けたいとき

診断書のもらい方と手続きの流れ

診断書が必要になる可能性がある場合は、退職前に主治医へ相談しておくと手続きがスムーズです。

診断書をもらうまでの流れ。主治医に退職の意向と診断書の必要性を相談する、診断書の用途(傷病手当金・雇用保険・障害年金など)を伝える、医療機関の窓口で発行を依頼し費用を確認する、記載内容に不明点がないか確認して受け取る、提出先(健康保険組合・ハローワーク・年金事務所など)へ提出する

医療機関への依頼方法

診断書の発行は、通院している医療機関の窓口や主治医に直接依頼するのが一般的です。

依頼する際は、診断書をどの制度・どの提出先に使うのかを伝えておくと、必要な様式や記載内容を医師に判断してもらいやすくなります。

指定様式がある場合(障害年金の診断書など)は、あらかじめ様式を入手して医療機関に持参すると手続きが進めやすくなります。

診断書に記載してもらう内容

診断書に記載される内容は、提出先の制度によって異なります。

傷病手当金であれば就労不能の状態や期間、雇用保険であれば離職理由に関わる症状の経過、障害年金であれば障害の程度や日常生活への影響などが記載事項の中心になります。

記載内容に不明点がある場合は、発行前に窓口へ確認しておくと再発行の手間を避けられます。

診断書の費用相場と負担者

診断書の発行は健康保険が適用されない自由診療となるのが一般的とされています。

金額は医療機関によって異なり、公的機関が統一の料金を定めているわけではないため、正確な費用は依頼先の医療機関に確認する必要があります。

費用は基本的に本人負担となるケースが多いとされていますが、会社によっては就業規則等で取り扱いが定められている場合もあるため、退職前に人事担当者へ確認しておくと安心です。

診断書を出すタイミングの目安

診断書を提出するタイミングは、利用したい制度の手続きスケジュールに合わせて考える必要があります。

退職前に準備しておきたいケース

傷病手当金の継続給付を検討している場合は、在職中に就労不能の状態であったことを確認できる資料が重要になるため、退職前から主治医に相談し、必要に応じて早めに診断書を準備しておくと手続きが進めやすくなります。

退職所得控除の障害者特例を受けたい場合も、退職金の支払いを受ける前に必要書類を確認しておくことが望ましいとされています。

退職後に提出できるケース

雇用保険の受給期間延長や特定理由離職者の認定に関する書類は、離職後にハローワークへ相談しながら準備を進められる場合があります。

障害年金の請求書類も、退職後に医療機関で診断書を取得してから提出する流れになるのが一般的です。

いずれの手続きも提出期限が定められている場合があるため、対象となる制度の窓口(健康保険組合、ハローワーク、年金事務所など)へ早めに確認しておくことが大切です。

診断書を準備する前に確認しておきたいこと
  • 診断書をどの制度のどの手続きに使うのか
  • 指定様式があるかどうか
  • 発行にかかる費用と負担者
  • 提出先と提出期限の目安

診断書がなくても対応できるケースと代替手段

体調不良を理由に退職を申し出ること自体は、診断書がなくても可能な場合が多いとされています。

雇用保険の受給期間延長のように、診断書が唯一の証明手段ではなく、状況の説明で足りる場合がある手続きも存在します。

一方で、傷病手当金の継続給付や障害年金のように、就労不能の状態や障害の程度を客観的に示す必要がある手続きでは、診断書に代わる資料を用意することは難しい場合が多いとされています。

どの手続きに診断書が必須なのか判断がつかない場合は、自己判断せずに提出先の窓口へ確認することが重要です

診断書に関する注意点

診断書は発行までに一定の日数がかかる場合があるため、退職日が近づいてから慌てて依頼すると、必要なタイミングに間に合わない可能性があります。

また、退職所得の受給に関する申告書を提出しない場合、退職手当等の支払金額に一律20.42%の税率で源泉徴収されるなど、診断書の有無とは別に、退職時の税務手続きにも注意が必要です。障害者特例の適用を受けたい場合は、この申告書とあわせて必要書類を確認しておきましょう。

制度ごとに必要書類や提出先が異なるため、複数の手続きを並行して進める場合は、対象となる制度を一つずつ整理してから準備を進めることが大切です。

よくある質問

退職を伝える際に診断書がなくても体調不良を理由にできますか?
体調不良を理由に退職を申し出ること自体は、診断書がなくても可能な場合が多いとされています。

ただし、傷病手当金の継続給付や雇用保険の特定理由離職者としての認定など、特定の制度を利用したい場合は、診断書や医師の証明書の提出を求められることがあります。

利用したい制度がある場合は、事前に勤務先や健康保険組合、ハローワークに確認しておくと安心です。
診断書の費用は会社が負担してくれますか?
診断書の発行費用は、一般的に本人が負担するケースが多いとされています。

会社によっては就業規則等で取り扱いが定められている場合もあるため、退職前に人事担当者へ確認しておくとよいでしょう。

診断書の発行は健康保険が適用されない自由診療となるのが一般的で、医療機関ごとに金額が異なり、公的機関が統一の料金を定めているわけではない点にも留意が必要です。
傷病手当金は退職後も受け取れますか?
資格喪失日の前日までに継続して1年以上の被保険者期間があり、資格喪失時に傷病手当金を受給中または受給できる状態(就労不能)であれば、退職後も継続して受給できる場合があります。

支給期間は支給開始日から通算して1年6か月間とされています。

在職中に未申請であっても、連続する3日間の労務不能(待期)の事実があれば、退職日の翌日分から支給を受けられる場合があるとされています。
障害年金を請求する際の診断書はどこでもらえますか?
障害年金の診断書は、眼の障害・肢体の障害・精神の障害など、障害の種類ごとに指定された様式があり、主治医など医師に作成してもらう必要があります。

様式や作成要領は日本年金機構が案内しているため、請求を検討する場合は事前に確認しておくと手続きがスムーズです。

まとめ

退職時に診断書が必ず必要というわけではありませんが、傷病手当金の継続給付や雇用保険の特定理由離職者・受給期間延長、障害年金の請求、退職所得控除の障害者特例など、利用したい制度によっては診断書の提出を求められる場合があります。

診断書の発行は自由診療となるのが一般的で、費用は医療機関によって異なり、基本的に本人負担となるケースが多いとされています。

提出のタイミングは制度ごとに異なるため、退職を検討し始めた段階で主治医や勤務先、健康保険組合、ハローワーク、年金事務所などに早めに相談しておくことが、手続きをスムーズに進めるポイントです。

制度によって必要な診断書の様式や記載内容が異なる点も踏まえ、体調を理由に退職する場合は、一つひとつのケースを丁寧に確認しながら準備を進めていくことをおすすめします。