今の仕事に嫌気が差し、上司などに何も言わずに姿を消す「仕事を飛ぶ」ことをしようとした方もいるのではないでしょうか。
一方で、仕事を飛ぶとどうなるのかと心配になって、なかなか踏み切れない方もいるはずです。
結論から言いますと、場合によっては懲戒解雇や警察沙汰になる可能性もあり、注意が必要です。
本記事では、仕事を飛ぶとどうなるかを中心に、仕事を飛ぶときの注意点や仕事を飛ぶことに関連したよくある質問などを解説します。
目次 非表示
仕事を飛ぶとどうなる?
果たして仕事を飛ぶとどうなるのか、少なくとも以下のケースが想定できます。
- 懲戒解雇になる可能性がある
- 会社の人が自宅に来る
- 警察沙汰になる
- 退職金がなくなる
ここからは、仕事を飛んだ後に想定される出来事について解説します。
懲戒解雇になる可能性がある
会社を辞める場合、就業規則に則って辞める、もしくは民法のルールに従う形が大切です。
しかし、仕事を飛ぶ行為は就業規則はもちろん、民法のルールも破っている可能性が極めて高い状況と言えます。
ルールを破った事実から、懲戒解雇として扱われる可能性が出てきます。
懲戒解雇になると、転職の際にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
将来のことを考えると、少なくとも民法のルールを守り、退職の申し出を行ってから2週間後に辞めることが求められます。
会社の人が自宅に来る
仕事を飛ぶことは無断欠勤を意味するため、事情を知らない会社の人たちは「何か大変なことが起きたのではないか」と心配になります。
「部屋の中で倒れているのではないか」などと不安になり、会社の人が自宅に来る可能性が高いです。
また、なぜ急に仕事を飛んだのか、理由を知りたいからと何日も足繫く通う会社の人もいるかもしれません。
その都度、居留守を使って息をひそめるのはストレスでしかなく、精神的に疲れてしまうので注意が必要です。
警察沙汰になる
会社の人が何回電話をかけてもつながらない場合、「事件に巻き込まれたのではないか」と、警察に通報して捜索をお願いするケースも考えられます。
警察は事件に巻き込まれていないかを確かめるために捜索を行うため、単に仕事を飛んだだけだったことが簡単にバレてしまいます。
単に仕事を飛んだだけと分かれば、周囲の人は怒りの気持ちで接することでしょう。
両親など家族にも連絡が回った際には、家族からの信用まで失いかねません。
退職金がなくなる
退職金は就業規則に則って辞めるのであれば、満額受け取れる可能性が高いです。
しかし、仕事を飛ぶとなれば話は別で、いくらか減額、もしくは全く受け取れない可能性も考えられます。
そもそも仕事を飛ぶことで懲戒解雇処分になる可能性が高く、その場合は退職金は全くもらえません。
退職金を手にしたいけどすぐに辞めたい場合には、仕事を飛ぶ以外の方法で辞めることが必須です。
仕事を飛ぶ!?よくある質問
仕事を飛ぶことを考えている人からよく出てくる質問は以下の通りです。
- 給料はどうなる?
- 訴えられる?
- 違法なの?
- 仕事を何日飛ぶとクビになる?
仕事を飛ぶことに関連したよくある質問について解説します。
給料はどうなる?
仕事を飛ぶことはできる限り避けたいところですが、仕事を飛ぶ前までの給料は受け取れます。
労働基準法で給料の未払いが禁止されており、違反すると企業側に罰金があるため、たとえ仕事を飛んだとしても払わなければなりません。
仮に本来の給料日に振り込まれなかった場合、辞めた会社に電話などで確認しましょう。
電話はとても気まずいものになりますが、未払いの賃金を払ってもらうのは義務なので堂々と電話をかけても問題ありません。
訴えられる?
仕事を飛ぶ行為は会社に迷惑をかける行為なので、何らかの支障が生じた場合や被害を与えた場合には損害賠償請求の可能性が考えられます。
一方で、裁判を起こすとなれば会社側にも労力がかかるため、損害賠償請求までには至らないケースもあります。
ただ、採算度外視で会社の体裁を保つために裁判を起こす可能性も考えられるため、仕事を飛んだら訴えられても何ら不思議ではないことを想定しておきましょう。
違法なの?
結論から言いますと、仕事を飛ぶことそのものは法律違反とは言えません。
例えば、「前から仕事を辞めたいと伝えているのに辞めさせてくれない」などの理由があれば、やむを得ないと言えます。
一方、何も伝えずにいきなり飛ぶ場合、不法行為に問われる可能性も出てきます。
仕事を飛ぶ行為そのものよりも、仕事を飛ぶ2週間前までに仕事を辞めたいなどの意思を伝えていたかどうかが重要です。
仕事を何日飛ぶとクビになる?
結論から言いますと、14日以上の無断欠勤があると懲戒解雇が有効になりやすいです。
裁判の判例などで、無断欠勤が14日以上になると無断欠勤を理由とした解雇は有効と判断されています。
数日無断欠勤が続くことで解雇になる可能性はありますが、無断欠勤前の出勤率が高い場合には、数日の無断欠勤だけで解雇を行っても有効と認められないこともあります。
会社によって判断は分かれますが、14日以上の無断欠勤でクビになる可能性は極めて高いことは明らかです。
仕事を飛ぶときの注意点
どうしても仕事を飛ぶときには、以下の点に注意しましょう。
- 退職代行を利用する
- 退職届を必ず提出する
- 会社からの貸与品を返却する
ここからは仕事を飛ぶときの注意点について解説します。
退職代行を利用する
一番確実なのは、退職代行サービスを利用することです。
退職代行サービスを利用することで第三者が退職の意思を伝えてくれるため、少なくとも無断欠勤とはなりません。
無断欠勤だと懲戒解雇になる恐れがありますが、退職代行サービスを活用すれば退職の意思を示す形で辞められるため、経歴にも傷がつきにくいです。
近年は入社して間もない若い世代が退職代行サービスを活用するケースが増えており、サービス自体が浸透しつつあります。
退職届を必ず提出する
仕事を飛ぶとしても、何も言わずに飛ぶのと退職届を提出した上で飛ぶのではわけが違います。
退職届を提出することで退職の意思を会社に示したことになり、提出してから2週間後に合法的に退職可能です。
提出の際には内容証明郵便の活用がおすすめで、会社の人が受け取った時点で受理されることになります。
仕事を飛ぶ場合、退職届は必ず提出することがおすすめです。
会社からの貸与品を返却する
仕事を飛ぶ場合には、これまで会社から貸し出されていた貸与品をすべて返却しましょう。
万が一返却しないで辞めた場合、貸与品の中に重要な情報などが含まれていれば、大きなトラブルにつながります。
会社側も貸与品の返却を求める連絡を何度もかけてくる可能性が高いです。
会社側からの執拗な連絡を避けるには、貸与品のリストをまとめて、仕事を飛んだらすぐに返却できるようにするのがおすすめです。
まとめ
今回は、仕事を飛ぶとどうなるかについて解説してきました。
最後に今回ご紹介した内容を振り返っていきます。
- 仕事を飛ぶと懲戒解雇になる可能性があるほか、警察沙汰になる可能性もある
- 仕事を飛んでも飛ぶ前までの給料はもらえる
- 無断欠勤が14日以上続くと解雇が認められやすくなる
- 仕事を飛ぶ際には退職代行サービスを利用するほか、速やかに会社からの貸与品を返却することが大切
以前は退職代行サービスが一般的ではなかったため、何も言わずに仕事を飛ぶことが一般的でした。
最近では退職代行サービスが当たり前となり、若い世代では普通に退職代行サービスを利用する状況となっており、ニュースでも取り上げられています。
「すぐに辞めたいけど辞める直前に働いた分の給料もすぐに受け取りたい」などのケースでは、退職代行サービスを活用するほか、退職届の提出など民法のルールに従う形で退職を目指していくのがおすすめです。