「転職の時期として5月を選ぶのは問題ない?」
実は5月入社はメリットの多い時期。
基本的に、5月は会社にとっても新たな人材を必要としている時期であり、転職する人にとっても5月入社はゴールデンウィーク明けの出社となることから、新しい仕事の準備や気持ちの整理期間が取りやすい時期です。
この記事では、5月入社のメリット・デメリットをはじめ、5月入社を狙う際の転職活動のコツ、5月入社を狙う転職活動開始の時期やスケジュールについて、5月入社の注意点について詳しく解説していきます。
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退職サポーターズ編集部
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転職で5月入社するデメリットは?

メリットの大きい5月入社ですが、デメリットもあります。
以下の3つのデメリットについて見ていきましょう。
- 情報量が少ない
- 一人ひとりには目をかけてもらえない時期
- 連休明けで既存社員が業務に追われている
情報量が少ない
転職するうえで重要な会社情報ですが、転職市場では一般的に年初や年末に情報が集中する傾向にあります。
そのため、5月は比較的情報量が乏しい時期となります。
これは、企業が年度はじめの繁忙期を終えたこと、新卒採用が一段落したことことから中途採用の募集を積極的に行わないためです。
これらの事情から、転職市場に流れる情報が気薄となり、希望する職種や業界に関する求人を見つけにくくなるというデメリットが発生してしまいます。
しかし、そうした中でも、新卒採用者の辞退や退職から人手不足となり、求人情報が出始める場合もあります。
転職をしたい企業があれば、常に企業HPの求人欄や転職サイトを通して定期的な情報収集を心掛けるようにしましょう。
一人ひとりには目をかけてもらえない時期
4月に入社した新卒採用者の新人教育に忙しい時期であり、目をかけてもらえない時期であることもデメリットのひとつです。
新卒社員は4月の研修を終えて、ゴールデンウィーク前から5月にかけて各部署に配属となるケースが多いため、5月頃は部署内での研修や指導、フォローなどで忙しいことが予想できます。
そのため5月に入社すると、新入社員だからといってあまり目をかけてもらえない可能性が高いでしょう。
多くの企業で新しい体制がスタートするの4月から5月にかけては、新入社員の教育に加えて既存社員の部署の異動で手一杯になることも考えられます。
連休明けで既存社員が業務に追われている
ゴールデンウィークの連休明けは、既存社員も自身の業務に追われる可能性があり、指導や研修が十分に受けることができないことも考えられます。
ゴールデンウィーク中に来ていた問い合わせの対応や、溜まっていた業務などで忙しくなるケースも少なくありません。
そうなった場合、中途採用の社員を充分にフォローする時間が取れないことが考えられます。
「次に何をすればいいか分からない」とつい手が止まり空白の時間が流れてしまうかもしれません。
厳しいようですが、中途採用者は新入社員とは経験も違うことから期待の目で見られることが多い立場です。
先輩社員の状況を見ながら、手すきのタイミングで指導を仰いだり不明な点を聞くなど積極的に業務に参加していく姿勢が大切です。
ここまで解説したとおり、5月の入社は、新卒の対応で十分なサポートが受けられない可能性もありますが、大切なのは入社時期よりも、どんな会社・業界で働きたいかであることです。
周りが忙しそうで気に留めてもらえないと感じても積極的に質問したり、今自分にできることはないかを考えて業務に携わっていく姿勢が大切です。

転職で5月入社するメリットは?

ここでは、5月に入社するメリット5つについて解説していきます。
- 企業が採用を強化している
- 仕事の区切りをつけやすい
- 引継ぎを行いやすい
- 入社後会社に馴染みやすい
- ゴールデンウィーク期間に新しい仕事の準備や休息期間にあてられる
企業が採用を強化している
一般的に中途採用は、新卒採用が一段落した6月以降に本格化しますが、その前の5月に採用を強化する企業もあります。
5月の中途採用の狙いは企業によって様々ですが、主な理由として4月に思わぬ欠員が出たり、新卒採用者の辞退や退職による人材補充、時期的に競合他社が採用活動を控える傾向があるため、人材獲得のチャンスが増えることを狙うためでもあります。
こういった理由から、5月は採用を強化する企業があるにもかかわらず転職者は少ないため、ライバルが少ない状況で転職活動ができるチャンスの時期といえます。
転職市場にとっては穴場の時期といえるでしょう。
仕事の区切りをつけやすい
一般的に多くの会社では、一事業年度毎や半期毎で区切って事業をおこないます。
そして、年度初めを4月とし3月を年度終わりとすることが多いです。
3月を一区切りにし、4月から引継ぎをスタートすることが多いため、5月入社は仕事の区切りをつけやすいといえます。
引継ぎを行いやすい
4月は新たな年度がスタートする時期であり、新入社員も入社してくるため、人事異動もこの時期におこなわれるケースが多いです。
そのため、人事異動がある春は後任者とともに研修や引継ぎを指導してもらえる可能性が高い傾向にあります。
年度初めの4月は引継ぎや新入社員研修で忙しい職場も、5月になると余裕をもって研修や指導に取り組める環境となることが予想できます。
入社後会社に馴染みやすい
新入社員など新たなメンバーが入社するのは、ほとんどの企業では4月です。
春は新入社員が多く部署間の異動もあるため人が大きく入れ替わる時期のため、ゼロからの人間関係を築きやすく入社後すぐ会社に馴染みやすい時期であるといえるでしょう。
入社したての人が多いことから同じ不安や共感を共有しやすく、同期として仲間を作りやすい時期となっているため、5月は馴染みやすさという面でも入社しやすいタイミングでしょう。
ゴールデンウィーク期間に新しい仕事の準備や休息期間にあてられる
5月入社の場合、ゴールデンウィーク中に入社準備を進められるのがメリットのひとつです。
4月末~5月にかけての連休を、休息期間に利用して入社に向けて気持ちの整理をする期間としてもいいでしょう。
連休をはさむ5月に入社することで、余裕をもって入社に備えられます。
ここまで解説したとおり、5月入社は転職するにあたってライバルが少ない、入社後も馴染みやすい環境にあるなど意外にもメリットの多い転職時期であることがわかります。
5月入社の人材を必要とする理由

ここでは、企業側がなぜ5月入社の人材を必要とするのか、その狙いについて解説していきます。
企業の採用の狙いを理解し、自身をアピールすることでライバルよりも有利に転職活動を進めていけます。
- 新卒入社の採用人数が少なかった
- 配置換えなどで欠員が出た
- 夏休みに入る前に人員を確保したい
新卒入社の採用人数が少なかった
4月に新卒採用したものの、想定以上に内定を辞退されてしまったという理由があります。
新入社員が入社してすぐに辞めてしまったというケースも少なくありません。
企業側が当初必要としていた採用人数から欠員が出た場合、追加で求人を出す可能性があります。
また、新卒採用の募集しかしていなかった企業でも、春の採用終了後に中途採用をおこなうこともあります。
入社を希望する企業のホームページは、こまめに最新情報をチェックしておくことをおすすめします。
配置換えなどで欠員が出た
新しい事業計画で想定外の人材が必要になるなど、配置換えによる欠員が出るのもこの5月の時期です。
配置換えなどで特定のポジションに欠員が出た際には、緊急度の高い求人が出されることもあり、未経験でもOKな求人が出やすいためチャンスといえるでしょう。
気になる求人を見逃さないよう、日頃から企業のホームページをチェクしたり、転職エージェントサイトのチェックを心がけましょう。
夏休みに入る前に人員を確保したい
多くの企業が、8月のお盆期間の夏休み期間を経て、9月の決算を迎えます。
夏休み明けからは業務の再開にくわえて、会社全体が決算に向けての業務で忙しくなる時期となります。
これらの理由から、夏休み後の繁忙期を見据えて、余裕のある時期にある程度中途採用を進めておきたいと考える企業もいるのです。
また、「ボーナスをもらってから転職したい」と考える人も多く、夏のボーナスが出たあとの8月~9月は転職希望者が多い傾向にあります。
よって、夏の転職に比べて5月入社のスケジュールで転職すれば、ライバルが比較的少ないため、希望の会社や業種に採用されやすいというメリットが期待できます。

5月入社を狙う際の転職活動のコツ

ここでは、5月入社を目標にする場合のコツについて解説します。
まず、注意すべき点は4月以降、転職市場では圧倒的に情報量が少なくなるため転職活動が進めにくいと感じてしまうかもしれません。
春の採用で一段落した企業が多く、新入社員の教育や部署間の異動などで慌ただしくなるため新たな採用は夏以降と考えている企業が多いためです。
しかし、先述したとおり、新入社員からの退職者や、配置換えなどから欠員出て新たに採用を行う企業も少なくありません。
常に企業ホームページをチェックすることが理想ですが、あわせて転職サイト・エージェントを通して転職活動をすることもポイントです。
これにより、希望の企業が求人を出せばいち早く情報が手元に届くため、情報の取りこぼしを防ぐことができます。
興味のある企業は事前に登録しておき、求人が出ればすぐに応募できる体制作りを行なっておきましょう。
5月入社を狙う転職活動開始の時期やスケジュール

5月入社を目標とする場合、どのようなスケジュールで転職活動を進めたらいいのでしょうか?
いつから転職活動を始めたらいいか?スケジュールの立て方もあわせて紹介します。
転職活動開始の時期
一般的に転職活動は3ヵ月前から始めるのが理想とされています。
したがって、5月入社を目指すのであれば、2月には転職活動をスタートさせるといいでしょう。
しかし、2月~4月は年度末の対応や新年度おスターとなどで企業側も忙しく、面接の時間が取りにくかったり選考に時間を要したりする可能性もあります。
このように他の時期と比べて、思いのほか時間がかかってしまう可能性があることから、余裕を持って1月頃から転職活動をスタートしてもいいでしょう。
スケジュールの立て方
スケジュールを立てる際には、入社希望時期から逆算してスケジュールを立てます。
また、転職の場合、内定獲得後に現職の退職に向けた準備も必要となるため、細かくスケジュールを立てておくことはとても重要です。
今回の場合は5月入社がゴールとなるため、そこから逆算してスケジュールを組み立てていきましょう。
ここでは、2月に転職活動をスタートさせたケースで解説していきます。
2月 | ・情報収集(転職サイト・エージェント登録) ・求人選び ・自己分析 ・応募書類作成 |
3月 | ・応募、面接 |
4月 | ・内定獲得 ・退職の申し出 ・後任への引継ぎ ・退職手続き |
5月 | ・入社 |
状況によっては、2月中に応募、面接となることもあるため、転職を決めた時点で自己分析などをスタートさせておくことをおすすめします。
5月入社の注意点

5月入社をするにあたり、注意すべき点が5つあります。
入社日の調整
ひとつめは入社日の調整についてです。
転職の場合忘れてはならないのが、「現職の退職手続きの兼ね合いで調整が必要になること」です。
早い段階で、退職希望日を伝え、双方が納得できる最適な日を決定することが重要となります。
そのうえで、入社予定日を企業に伝え、入社日の調整をしてもらいましょう。
入社日調整の際は、現職の就業規則に従い退職手続きを進め、入社予定の採用担当者に「謝罪と理由」を明確に伝え、早急に相談することが重要です。
退職手続き
5月入社による退職では、主に住民税・年金・健康保険の取り扱いに注意が必要です。
たとえば、5月中に退職する場合、退職月の住民税(5月分)を含め、残額は最終の給与や退職金から一括で天引きされます。
また、年金・健康保険は、退職から再就職までの空白期間に手続きが必要な点も注意が必要です。
現職の就業規則や手続きの順番、必要書類を事前に確認し、円満退職を目指しましょう。
必要書類の準備
入社前に準備するべき書類は余裕を持って揃えるようにしましょう。
企業によって多少の違いはありますが、一般的には以下のとおりです。
- マイナンバー::マイナンバーカードや通知カード
- 年金手帳::基礎年金番号の確認に必要
- 雇用保険被保険者証::雇用保険番号の確認に必要
- 源泉徴収票::中途入社の場合、前職から取得する
- 扶養控除等申告書::給与から税金を控除するための申告書
- 住民票::会社によっては住民票の提出が必要
- 健康診断書::指定の医療機関で受診して作成してもらう
- 給与振込先申請書::給与を振り込む口座情報を記載する書類
とくに、年金手帳や雇用保険被保険者証、源泉徴収票は前職の会社から取得する必要があるため、早めの準備が肝心です。
新しい職場の担当者と情報共有
会社が替われば、仕事内容だけでなく、社内ルール・仕事のやり方なども変わります。
入社前に、担当者を通して会社のルールや業務内容を把握しておくことで入社後スムーズに業務に取り組むことができます。
5月入社のデメリットに関してよくある質問
- 5月入社は、4月入社に比べて不利ですか?
- 5月入社が4月入社より不利とは一概には言えません。
4月入社に比べれば、転職活動時の情報が少なく不利に感じるかもしれませんが、5月はライバルが少なく採用への本気度が高い求人が出る穴場の時期であり、採用されるチャンスとなります。
- 5月入社は、新年度の研修に参加できますか?
- 会社によっては、後から入社した社員向けの新年度の研修や別の時期の研修に参加する機会が設けられることもあります。
研修に参加できるかを、人事担当者へ直接確認してみましょう。
- 5月に入社したら夏のボーナスはもらえますか?
- 5月に入社した場合、夏のボーナスがもらえるかどうかは企業の就業規定によりますが、一般的にはもらえる可能性が低いです。
これは、ボーナスの査定期間が、夏の賞与は前年10月~3月と定められていることが多いためです。
入社して在籍期間が短く、査定対象期間を満たしていない場合が多いため、ボーナスではなく少額の慰労金が支給されるか、あるいは全く支給されないかのどちらかでしょう。
まとめ
5月入社に向けて転職活動を進めることは有益です。
この時期は企業の採用ニーズが高まり、競争が比較的少ないため、個々のキャリアチェンジを有利に進めることができます。
ただし、求人情報が少ない場合もあるため、日々転職サイトなどを利用しての情報収集が肝心です。
効率的な自己分析、履歴書や職務経歴書の作成、そして面接対策をしておくことで急な募集が出ても対応することができます。
適切な時期に準備を行い、新たなキャリアのチャンスを最大限に引き出しましょう。