傷病手当と傷病手当金の違いは何?受給条件や金額、期間など詳しく解説!

傷病手当と傷病手当金の違いがよくわからない」と疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。

また、「傷病手当と傷病手当金ってもらえるお金に違いがあるの?」と不思議に感じている方もいるはずです。

結論から言いますと、傷病手当と傷病手当金の違いは対象となるケガ・病気が求職中のものか在職時のものかによる違いで、名称こそ似ていますが条件などが異なります。

そこで今回は、傷病手当と傷病手当金の違いについて、年間数千人の退職支援を手掛けている私が、それぞれの手当の違いなどを中心に解説します。

これを知れば、ケガや病気をした際にどちらを受け取れていくらもらえるのかなどの情報を把握できるようになりますよ。

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雇用保険の傷病手当について

最初にご紹介するのは「傷病手当」についてです。

傷病手当は雇用保険から給付されるものを指します。

  • 傷病手当の受給条件とは?
  • 傷病手当で受給できる金額とは?
  • 傷病手当を受給できる期間とは?
  • 傷病手当の申請方法は?

本項目では、傷病手当に関する上記の内容について解説します。

傷病手当の受給条件とは?

傷病手当を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 失業保険を受給している状態
  • 求職の申込みを行っている
  • 求職の申込みをした後にケガや病気を理由に15日以上仕事に就けない

傷病手当は求職中にケガや病気をした際に受け取れる手当のため、失業保険を受給していることが大前提です。

その上で休職の申込みを行っており、ケガや病気などで15日以上仕事に就けない状況になっている場合に傷病手当の対象となります。

傷病手当で受給できる金額とは?

傷病手当で受給できる金額は、失業保険で受け取れる手当と同じです。

失業保険において1日あたり受け取れる金額と全く同じになるため、働けない日数分受け取ることになります。

1日あたり受け取れる失業保険の基本手当は以下の計算式です。

  • 退職日以前6か月間に支払われていた賃金の合計÷180×45~80%

傷病手当を受給できる期間とは?

傷病手当の受給期間には上限があり、元々の所定給付日数から既に給付を受けた日数を引いた分が上限です。

例えば、所定給付日数が90日であれば、30日分の給付を受けていれば、残りの60日が傷病手当の受給期間における上限となります。

一方で病気やケガで仕事に就けない期間が30日以上になりそうな場合は、傷病手当を受け取らずに受給期間の延長手続きを行うのも1つの手です。

傷病手当の申請方法は?

傷病手当を受け取るには、ケガや病気が完治してから最初に迎える失業認定日までに、「傷病手当支給申請書」などの書類をハローワークに提出する必要があります。

傷病手当支給申請書はハローワークで手に入り、必要事項や必要書類を用意すれば申請可能です。

申請書は郵送で出せる一方、委任状をセットにすれば代理人による提出もできます。

健康保険の傷病手当金について

次にご紹介するのは、「傷病手当金」についてです。

傷病手当金は、加入する健康保険から支給されますが、各自治体が運営する国民健康保険は傷病手当金の対象外となります。

  • 傷病手当金の受給条件とは?
  • 傷病手当金で受給できる金額とは?
  • 傷病手当金を受給できる期間とは?
  • 傷病手当金の申請方法は?

本項目では、上記の内容について詳しく解説します。

傷病手当金の受給条件とは?

傷病手当金を受け取るには、以下の条件をクリアする必要があります。

  • 業務以外のケガや病気で療養中である
  • 療養中のために仕事に就けない
  • 4日以上休んでいる
  • 休んでいる間は給与の支払いがない

業務に関係ないところでのケガや病気によって休職を余儀なくされている場合に、傷病手当金の対象となります。

業務中のケガや病気に関しては、労災保険の対象となるので、別途対応が必要です。

休み始めてから連続3日間が待期期間となり、4日目からが傷病手当金の支給対象となります。

傷病手当金で受給できる金額とは?

傷病手当金では、以下の計算式によって受給金額が算出できます。

  • 支給開始日の直前1年間の標準報酬月額の平均額÷30×3分の2

例えば、標準報酬月額の平均額が30万円であれば、30万円÷30×3分の2となり、1日あたり6,667円を傷病手当金として受け取れます。

あとは休んだ日数分に応じてもらえる形です。

傷病手当金を受給できる期間とは?

傷病手当金を受け取れる期間は、傷病手当金の支給が始まってから通算1年6か月です。

例えば、一時的に復職して働き出せたものの、再度病状が悪化した場合には欠勤した期間のみカウントされ、通算1年6か月になるまでもらい続けられます。

以前は支給が始まってから最長1年6か月で、途中復職して最後欠勤しても、受け取れる期間は1年6か月よりも短くなっていました。

令和4年1月からルールが改正され、より柔軟に受け取れるようになっています。

傷病手当金の申請方法は?

傷病手当金を申請するには「健康保険傷病手当金支給申請書」などの書類を用意して、必要事項を記入した上で健康保険組合に提出します。

申請書は被保険者や事業主、医師などが記入する項目があり、それぞれが記入し、診断書も取得した上で提出する流れです。

健康保険組合が書類審査を行って、認められれば傷病手当金を受け取れます。

傷病手当と傷病手当金の違いとは?

傷病手当と傷病手当金の違いは「金」の文字があるかないかですが、もちろんそれ以外にも違いがあります。

本項目では、傷病手当と傷病手当金の違いについてまとめました。

傷病手当と傷病手当金の違いを解説!

傷病手当と傷病手当金の違いは、傷病手当が雇用保険から、傷病手当金が健康保険から支給されるという違いがあります。

また傷病手当は15日以上仕事に就けない場合に支給されますが、傷病手当金は連続4日以上休みを余儀なくされた場合に支給されるため、支給までの日数の違いも見られます。

他にも支給できる日数や金額などにも違いがありますが、どちらが多くもらえるかは収入や年齢によって異なるため、一概にどちらが多いと断言するのは難しいです。

傷病手当・傷病手当金によくある質問

傷病手当・傷病手当金に関する質問として、主なものをまとめました。

  • 雇用保険を受け取る際の注意点は?
  • 休職中でも雇用保険はもらえる?
  • 傷病手当金には課税される?
  • 傷病手当金と失業保険は併用できる?
  • パートでも雇用保険はもらえる?

本項目では、傷病手当・傷病手当金に関する質問について解説します。

雇用保険を受け取る際の注意点は?

雇用保険から給付される傷病手当に関しては、受け取れる条件が整っている以上は、注意点などはありません。

一方で、求職の申込みをしてからのケガや病気が対象となるため、失業前のケガや病気に関しては事前に傷病手当金の申請を行うことが必要です。

休職中でも雇用保険はもらえる?

休職中はハローワークでの求職の申込みを行っていないため、雇用保険の傷病手当はもらえません。

あくまでも求職の申込みを行ってからケガや病気をした人に向けた手当なので、求職中に関しては傷病手当金の対象です。

傷病手当金には課税される?

傷病手当金は健康保険法などで非課税になることが規定されているため、所得税や住民税の対象からは外されます

確定申告を行うケースでも、傷病手当金に関する申告は必要ありません。

傷病手当金と失業保険は併用できる?

傷病手当金と失業保険は基本的に併給できない仕組みになっています。

傷病手当金は就労できないことが給付条件の1つですが、失業保険は就労できることが給付条件となるため、どちらか1つしか条件をクリアできません。

そのため、2つ同時に受給する時点でどちらかを不正受給している状態となるため、絶対にやめましょう。

パートでも雇用保険はもらえる?

パート・アルバイトの場合、一定の条件を満たせば雇用保険に加入するため、雇用保険の傷病手当を受け取ることが可能です。

金額なども先ほど紹介した計算式に当てはめる形で大丈夫です。

まとめ

今回は、傷病手当と傷病手当金の違いを中心に解説してきました。

最後に今回ご紹介した内容を振り返ります。

  • 傷病手当は雇用保険、傷病手当金は健康保険から受け取れる
  • 傷病手当と傷病手当金の違いは金額面など多少の違いがある
  • 傷病手当も傷病手当金もいくつかの書類の提出が必要になる

傷病手当金は退職後も受け取れるため、再び仕事に就ける状態になるまで治療に専念し、傷病手当金を受け取り続けるのがおすすめです。

また傷病手当は所定給付日数分まで受け取る形もある一方、ケガや病気の治療が長引きそうであれば、申請を行って基本手当の給付を先延ばしにする手もあります。

ケガや病気を理由に退職した場合には、受け取るタイミングも考慮して手続きを進めましょう。