「自己都合で会社を辞めたら、失業保険はいつからもらえるのだろう」と不安に感じる方は少なくありません。
特に貯金を切り崩しながら求職活動をする予定がある場合、振込までの期間がわからないと生活設計が立てにくいものです。
結論から言うと、自己都合退職の場合は7日間の待期期間に加えて給付制限期間が設けられており、2026年度時点では令和7年4月1日以降に離職した方は原則1か月の給付制限となっています。
本記事では、待期期間と給付制限期間の仕組み、2026年度の制度改正のポイント、基本手当日額の計算方法、受給手続きの具体的な流れを解説します。
初めて失業保険の手続きをする方にもわかりやすいよう、順を追って説明していますので、ぜひ参考にしてください。
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自己都合退職の失業保険はいつからもらえる?結論から解説
自己都合退職の場合、失業保険(基本手当)が実際に振り込まれるまでには一定の期間がかかります。
まず離職後にハローワークで求職の申込みをした日から7日間の待期期間があり、この期間は離職理由を問わずすべての受給資格者に課されます。
待期期間の満了後、正当な理由のない自己都合退職の場合は、さらに給付制限期間が設けられます。
2026年度時点では、令和7年4月1日以降に離職した方の給付制限期間は原則1か月とされており、待期7日と給付制限1か月を経過した翌日から基本手当の支給対象期間が始まります。
実際の口座への振込は、求職の申込みから最初の失業認定を経て行われるため、離職から2〜3か月後が目安になる場合が多いとされています。
また、失業保険を受け取れる受給期間は原則として離職日の翌日から1年間と定められているため、手続きを先延ばしにするほど実際に受け取れる期間が短くなる可能性があります。
離職日や手続きのタイミングによって前後する場合があるため、あくまで目安として捉えつつ、できるだけ早い段階でハローワークに求職の申込みを行うことをおすすめします。
退職理由が自己都合か会社都合かの判断に迷う場合や、給付制限期間の長さに不安がある場合は、早めにハローワークや専門家へ相談することで見通しを立てやすくなります。
失業保険をもらうための基本条件(受給資格)
給付制限や待期期間の説明に入る前に、そもそも失業保険を受け取るための基本条件を確認しておきます。
自己都合退職の場合、主に次の条件を満たす必要があるとされています。
- 離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あること
- 働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っていること
- ハローワークで求職の申込みを行い、受給資格の決定を受けていること
- 失業の状態にあること(すでに次の就職先が決まっていないこと)
これらの条件は、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」で詳しく確認できます。
特に被保険者期間が12か月に満たない場合は原則として受給資格が得られないため、退職を検討する段階で在籍期間を確認しておくと安心です。
なお、後ほど解説する「特定理由離職者」に該当する場合は、この加入期間の要件が緩和されることがあります。
個別の加入期間の判定は複雑になるケースもあるため、不明点がある場合はハローワークの窓口で確認することをおすすめします。
待期期間とは?離職理由を問わず全員に課される7日間
待期期間とは、ハローワークで求職の申込みを行い受給資格決定を受けた日から数えて通算7日間のことです。
この7日間は、自己都合退職か会社都合退職かにかかわらず、すべての受給資格者に共通して課される期間とされています。
注意
待期期間中は基本手当が支給されないだけでなく、この間にアルバイトなどで就労すると待期期間のカウントがずれる場合があるため注意が必要です。
ポイント
待期期間は求職の申込みをした日からスタートします。退職後はできるだけ早くハローワークへ行き求職の申込みを行うことが、受給開始を早める第一歩です。
離職票の到着を待っている間は手続きを進められないため、離職票の発行状況は早めに会社へ確認しておくとよいでしょう。
退職が決まった段階で、離職票の発行時期や必要書類について会社の担当部署にあらかじめ確認しておくと、退職後の手続きをスムーズに進めやすくなります。
待期期間が満了すると、自己都合退職の方は続けて給付制限期間に入り、会社都合退職などの方は待期満了の翌日から基本手当の支給対象期間が始まります。
つまり、給付制限の有無が自己都合退職と会社都合退職の受給開始時期を大きく左右するポイントになります。
給付制限期間はどう変わった?令和7年4月の制度改正
給付制限期間とは、正当な理由のない自己都合退職などの場合に、待期期間満了後さらに一定期間基本手当が支給されない仕組みです。
この給付制限期間は2026年度に至るまでの間に制度改正が行われており、離職日によって適用される期間が異なります。
給付制限が設けられている背景には、自らの意思で離職した場合はある程度の準備期間があったと考えられることなどがあるとされています。
令和7年3月31日以前に離職した場合
令和7年3月31日以前に離職した自己都合退職者は、給付制限期間が2か月とされていました。
令和7年4月1日以降に離職した場合
令和7年4月1日以降に離職した自己都合退職者は、給付制限期間が原則1か月に短縮されています。
これは雇用保険法の改正によるもので、厚生労働省のQ&Aページでも制度の詳細が案内されています。
5年内に2回以上の自己都合退職、または重責解雇の場合
離職日からさかのぼって5年間のうちに2回以上、正当な理由のない自己都合退職により受給資格決定を受けている場合は、給付制限期間が3か月になる場合があります。
また、労働者本人の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された、いわゆる重責解雇の場合も給付制限期間は3か月とされています。
自分がどのケースに該当するかは離職票の記載内容によって判断されるため、内容に疑問がある場合はハローワークに確認するとよいでしょう。

「正当な理由のある自己都合退職」なら給付制限がつかない場合も
自己都合退職の中でも、やむを得ない事情による離職は「特定理由離職者」として扱われ、給付制限がつかない場合があります。
特定理由離職者に該当する主な例
特定理由離職者に該当するかどうかは、離職理由や当時の状況によって個別に判断されます。
- 体力の不足、心身の障害、疾病などにより離職した場合
- 妊娠・出産・育児等により離職し、雇用の継続が困難だった場合
- 父母の扶養や家族の介護のために離職した場合
- 結婚に伴う転居など、通勤が困難になったことによる離職
- 労働契約の更新を希望したが、契約が更新されなかった場合(雇止め)
特定理由離職者と認定されると、給付制限期間が課されず、待期期間の7日間が満了すればすぐに基本手当の支給対象になる場合があります。
また、通常は離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要なところ、特定理由離職者の場合は離職前1年間に被保険者期間が6か月以上あれば要件を満たす場合があります。
ただし、特定理由離職者に該当するかどうかは離職票の記載内容やハローワークの判断によって決まるため、自己判断せずに窓口で確認することが大切です。
なお、倒産や解雇など会社都合による離職者は「特定受給資格者」として扱われ、特定理由離職者と同様に給付制限がつかない点は共通していますが、両者は該当する離職理由の要件が異なります。
リ・スキリング(教育訓練等)で給付制限が解除される場合も
正当な理由のない自己都合退職であっても、2026年度時点の制度では教育訓練等(リ・スキリング)を受講することで給付制限が解除されるケースがあります。
具体的には、離職期間中にハローワークが指定する教育訓練等を受講することなどが要件とされており、該当すれば給付制限期間を待たずに基本手当を受給できる可能性があります。
この仕組みは厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」で案内されています。
スキルアップを兼ねて早期の再就職を目指したい方にとっては、選択肢のひとつになり得ます。
対象となる訓練の種類や手続き方法は個別の状況によって異なるため、利用を検討する場合は必ずハローワークの窓口で最新の要件を確認してください。
基本手当日額の計算方法と振込までの流れ
基本手当日額は賃金日額の45〜80%
実際に受け取れる金額の基準となるのが基本手当日額です。
基本手当日額は、離職前6か月の賃金を180で割った賃金日額に、原則として45〜80%の給付率を掛けて算出されるとされています。
賃金日額が低い人ほど給付率が高くなり、賃金日額が高い人ほど給付率が低くなる仕組みです。
たとえば、離職前6か月の賃金合計が180万円だった場合、賃金日額は180万円を180で割った1万円となり、そこに給付率を掛けた金額が基本手当日額のおおよその目安になります。
基本手当日額には上限額・下限額があり、毎年8月頃に見直し(改定)が行われるため、年度によって金額が変動します。
この見直しは、労働者の平均給与額の変動などに応じて行われるとされており、年度をまたいで離職する場合は金額が変わる可能性がある点に注意が必要です。
そのため、同じ賃金水準であっても、離職した年度によって受け取れる基本手当日額が異なる場合があります。
最新の上限額・下限額や計算方法は、前述のハローワークインターネットサービスのページで確認できます。
所定給付日数は被保険者期間に応じて90日〜150日
基本手当が支給される日数の上限のことを所定給付日数といい、自己都合退職の場合は被保険者であった期間に応じて決まるとされています。
- 被保険者期間1年以上5年未満:90日
- 被保険者期間5年以上10年未満:120日
- 被保険者期間10年以上20年未満:150日
- 被保険者期間20年以上:150日
会社都合退職などに適用される所定給付日数とは基準が異なるため、自己都合退職は会社都合退職に比べて給付日数が短くなる傾向があります。
詳しい所定給付日数の区分はハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」で確認できます。
振込は離職から2〜3か月後が目安
待期期間・給付制限期間を経て最初の失業認定日を迎えると、認定された日数分の基本手当が指定口座に振り込まれます。
自己都合退職で給付制限が1か月のケースでは、離職から最初の振込までは2〜3か月程度が目安とされています。
この期間は生活費の見通しに直結するため、退職前にある程度資金を確保しておくと安心です。
失業保険の手続きの流れ
ここでは、自己都合退職者が失業保険を受け取るまでの一般的な流れを整理します。
手続きの順序や必要な行動をあらかじめ把握しておくことで、受給開始までの見通しを立てやすくなります。

- 会社から離職票を受け取る
- 住所地を管轄するハローワークで求職の申込み・受給資格の決定を受ける
- 7日間の待期期間を経過する
- 自己都合退職の場合は給付制限期間(原則1か月など)を経過する
- 雇用保険説明会に参加し、失業認定申告書の書き方等の説明を受ける
- 指定された失業認定日にハローワークへ行き、失業の認定を受ける
- 認定された日数分の基本手当が指定口座に振り込まれる
手続きに必要な主な書類
ハローワークで求職の申込みや受給資格の決定を受ける際には、いくつかの書類の持参が必要とされています。
- 雇用保険被保険者離職票(1・2)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカードなど)
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm程度)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
必要書類は制度改正や個々の状況によって変わる場合があるため、事前に住所地を管轄するハローワークの案内で確認しておくと手続きがスムーズです。
雇用保険説明会では、失業認定申告書の書き方や、求職活動の実績として認められる行動の具体例などについて説明を受けます。
求職活動の実績としては、求人への応募、ハローワークでの職業相談、指定された各種セミナーへの参加などが挙げられます。
失業認定日は通常4週間に1回のペースで設定され、その都度求職活動の実績を申告する必要があるとされています。
必要な求職活動の実績回数は認定の種類によって異なり、通常の認定期間では原則2回以上、初回認定では1回以上、給付制限がある場合はそれ以上の実績を求められることがあるとされています。
認定日にやむを得ない事情で行けない場合は、事前にハローワークへ相談することで別の対応が案内される場合があります。
注意
給付制限期間中であっても、失業認定日には必ずハローワークへ行き、求職活動の実績を申告する必要があるとされています。
実績が不足していると判断されると、認定が受けられず振込が遅れる場合もあります。
手続きに必要な書類や求職活動の要件は個々の状況によって異なるため、詳細は住所地を管轄するハローワークで確認してください。
よくある質問
- 自己都合退職の場合、失業保険は結局いつからもらえますか?
- 求職の申込みから7日間の待期期間を経て、正当な理由のない自己都合退職の場合はさらに給付制限期間が課されます。
2026年度時点では、令和7年4月1日以降の離職なら給付制限は原則1か月とされ、実際の振込は離職から2〜3か月後が目安です。ただし手続きのタイミングや、正当な理由のある離職(特定理由離職者)に該当するかどうかによって前後する場合があるため、個別の状況はハローワークで確認してください。
- 給付制限期間は必ず1か月ですか?
- 2026年度時点では、令和7年4月1日以降の離職であれば給付制限は原則1か月です。
ただし、令和7年3月31日以前の離職は2か月、5年内に2回以上の自己都合退職や重責解雇に該当する場合は3か月になることがあります。また、教育訓練等を受講することで給付制限が解除される場合もあるため、個別の判定は離職票の記載内容とあわせてハローワークで確認してください。
- リ・スキリングを受ければ給付制限はなくなりますか?
- 2026年度時点の制度では、離職期間中にハローワークが指定する教育訓練等(リ・スキリング)を受講することで、給付制限が解除される場合があります。
この仕組みは令和7年4月以降の制度改正で導入されたもので、対象となる訓練の種類や手続き方法は個別の状況によって異なります。利用を検討する場合は、必ずハローワークの窓口で最新の要件を確認してください。
- 基本手当日額はどのように決まりますか?
- 基本手当日額は、離職前6か月の賃金をもとに算出した賃金日額に45〜80%の給付率を掛けて計算されるとされています。
賃金日額が低いほど給付率は高くなる仕組みです。上限額・下限額は毎年8月頃に見直し(改定)が行われ、年齢区分によっても異なるため、同じ賃金水準でも離職する年度や年齢によって受け取れる金額が変わる場合があります。
- 給付制限期間中は何もしなくてよいですか?
- いいえ、給付制限期間中であっても失業認定日には必ずハローワークへ行き、求職活動の実績を申告する必要があるとされています。
実績が不足していると認定が受けられず、振込が遅れる場合もあります。この期間は職業相談や求人紹介を受けることも可能なため、求人への応募などの活動を継続し、やむを得ず認定日に行けない場合は事前にハローワークへ相談しておくと安心です。
まとめ
最後に、今回解説した内容を振り返ります。
- 待期期間は7日間で、離職理由を問わずすべての受給資格者に課される
- 自己都合退職の給付制限期間は、令和7年4月1日以降の離職なら原則1か月、それ以前の離職は2か月
- 5年内に2回以上の自己都合退職や重責解雇に該当する場合は給付制限が3か月になることがある
- 正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)やリ・スキリングの受講により、給付制限が解除される場合がある
自己都合退職の場合、失業保険は7日間の待期期間に加えて給付制限期間を経てから支給対象となります。
2026年度時点では、令和7年4月1日以降の離職であれば給付制限期間は原則1か月であり、それ以前の離職は2か月、5年内に2回以上の自己都合退職や重責解雇に該当する場合は3か月となる場合があります。
実際の振込は離職から2〜3か月後が目安となる場合が多いですが、正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)に該当する場合や、リ・スキリングを活用した場合には給付制限が解除されるケースもあります。
給付制限期間中であっても、ハローワークでの職業相談や求人紹介を受けること自体は可能とされているため、この期間を求職活動の準備に充てることも一つの方法です。
基本手当日額や所定給付日数、具体的な受給要件は個人の状況によって異なるため、正確な情報は住所地を管轄するハローワークや社会保険労務士などの専門家に確認することをおすすめします。
制度は今後も見直しが行われる可能性があるため、退職を検討する段階で最新の情報を確認しながら準備を進めることが大切です。


