育児休業から職場に復帰したものの、育休明け1ヶ月で退職を考えている人は少なくありません。
子育てと仕事の両立に直面して退職をしたいと感じても、多くの不安や疑問が頭をよぎるでしょう。
結論、育休明け1ヶ月で退職することは可能です。
本記事では、育休明け1ヶ月で退職する理由や伝え方、退職後の疑問について解説しています。
育休明け1ヶ月で退職する理由
育児休業から復帰したものの、様々な環境の変化から退職を考えることもあるでしょう。
ここでは、育休明け1ヶ月で退職する理由を2つ紹介します。
- 育休明けの配属先が働きづらい
- 子供の体調不良
これらの理由について1つずつ見ていきましょう。
育休明けの配属先が働きづらい
育休明けで職場に復帰した際、その配属先が働きづらいことがあります。
例えば、最初は時短勤務にしたものの、残業などが多いために実質的に時短勤務にならないなどのことが生じるケースが存在します。
このように、新しい環境に入ることで、業務内容や人間関係に対してストレスを感じてしまうことも少なくありません。
特に育児と仕事を両立しようとしている育休明け1ヶ月目の段階で、希望の働き方ができないと大きな負担になります。
特に配属先の上司だけでなく、会社全体で育児に対する理解がない場合は、苦労が絶えません。
育児と仕事の両立を理解してくれる同僚や上司が少ない場合、職場環境が働きづらいと感じて退職を考えてしまうのも当然です。
他にも、育休明けの配置換えによって希望していた仕事ができなくなったケースや時短勤務が理由で重要な仕事ができなくなったなどがあります。
このような場合は、人事部に部署異動など解決につながる提案をしてみることをおすすめします。
子供の体調不良
育休後に働き続けるためには、子供が健康であることが大前提です。
しかし子供は体調を崩しやすく、保育園で頻繁に熱や感染症をもらってくるため、結果として子供の体調不良が頻発し仕事を継続することが難しくなったというケースもあります。
子供が体調不良になると、急に早退したり休みを取る必要が出てくることもあります。
例えば、通勤時間が長いケースだと、早退した子供を引き取るだけで大変になり、育児と仕事の両立が難しく感じることもあるでしょう。
また、両立の負担から母親自身が精神的に不安定になってしまうことも考えられます。
職場でのプレッシャーや罪悪感につながり、仕事と育児のバランスを取ることが難しいと思う方も少なくありません。
育休明け1ヶ月で退職!ケース別円満な伝え方
育休明けからわずか1ヶ月で退職を決意したとき、どのような伝え方をすれば良いでしょうか。
円満退職するために、状況に応じた適切な伝え方を覚えておきましょう。
- 保育園に落ちた場合
- 復職後の働きづらさを感じた場合
- 産後の体調不良の場合
- 子供の体調不良の場合
- 家族の転勤の場合
ここからは、育休明け1ヶ月で円満退職するためのポイントを解説します。
保育園に落ちた場合
保育園の申し込みをした結果、保育園に入れないケースがあります。
子どもを保育園に預けられない場合は、職場を辞める大きな理由となり、上司も理解してくれるでしょう。
「復職を希望しているのに保育園に入れない」と状況を丁寧に説明することを心がけてください。
育児休業は最大2年まで延長でき、受給条件を満たせば育児休業中は育児休業給付金が支給されます。
しかし、2年を超えてしまうと会社を休めたとしても育児休業給付金が支給されずに収入が途絶えてしまうので注意が必要です。
復職後の働きづらさを感じた場合
復職後に部署や仕事内容が変わって働きづらさを感じることも少なくありません。
子育てに加え、職場の環境変化による精神的・肉体的負担も働きづらさに直結します。
働きづらさを感じた場合は、具体的な例を挙げて、部署異動などの解決策を求めることが望ましいです。
それでも解決しない場合は、「復職後の業務量や環境が以前と大きく異なり、育児との両立が思うように進まない状況です。」など育児との両立が難しいことを強調しましょう。
試行錯誤した結果、育休明け1ヶ月で退職せざるを得なくなったと伝えることで理解を得られて円満退職につながります。
産後の体調不良の場合
産後に体調が回復せずに退職を決意するケースもあるでしょう。
頭痛や立ちくらみなど産後に起こりやすい体調不良に加え、急激なホルモン変化で心のバランスを崩してしまうこともあります。
産後の体調不良は、復職後も長期にわたって影響を及ぼす可能性があります。
職場に退職を伝える際には、医師の診断書や健康状態を説明する書類があると伝えやすいです。
伝え方としては、「産後の回復が予想以上に時間がかかっており、医師からも勤務の見直しを勧められています。」と心情を伝えるようにしましょう。
子供の体調不良の場合
子供の体調が安定しないことは、職場を辞めざるを得ない理由の一つです。
急な早退や欠勤が増えると業務が滞り、職場にも迷惑がかかることから罪悪感を感じてしまうことも少なくありません。
この状況を伝える際には、子供の健康状態を正直に説明し、職場の理解を求めることが大切です。
「子供が頻繁に体調不良になり、急な休暇を多く取る状況が起こることが予想されます。」と伝えることで、上司も理解してくれるでしょう。
円満退職するためには、上司や同僚に対する配慮を忘れず、責任感を持って引き継ぎを行うことが大切です。
家族の転勤の場合
家族の転勤は、地理的な理由から退職を余儀なくされるでしょう。
育休明けすぐに家族が転勤になると、引越し含め多くの負担が発生することが予想されます。
実際に家族の転勤が判明したら、上司にすぐに報告することが大切です。
「家族の転勤が決定し、地理的な理由から退職することになりました」と伝え、円滑な引き継ぎを行う姿勢を見せることが円満退職につながります。
育休明け1ヶ月で退職する際に配慮する事
復帰後1か月程度で退職する際にはいくつかの点に配慮をすることで、育休明け間もない状況でも円満退職を目指せます。
- なるべく早く伝える
- 就業規則をきちんと確認する
- 退職理由は前向きな理由を考える
本項目では、上記の内容について解説します。
なるべく早く伝える
育休明け1ヶ月で退職を決断したら、速やかに上司に退職の意思を伝えることがおすすめです。
会社側は改めて人材の配置を検討しなくてはならないため、早めの方がスムーズに進みやすいからです。
育休明けが色々大変であることは会社側も織り込み済みなので、早く伝えた方が体制を建て直しやすいと言えます。
退職を決断した時点で速やかに伝えることが求められます。
就業規則をきちんと確認する
育休明け1ヶ月で退職を決断した場合、事前に就業規則の確認をしましょう。
たとえ育休明け1ヶ月の場合でも、原則として就業規則に則った形で退職の手続きを行う必要があるからです。
特に円満退職を目指す場合には、就業規則に従うことは必須と言えます。
退職理由は前向きな理由を考える
退職をする際には、前向きな退職理由を考えて、伝えましょう。
ネガティブな退職理由を伝えた場合、周囲の印象も悪くなり、円満退職からは程遠くなるからです。
子供に寄り添うような働き方をしたいなど前向きな理由を伝えると、後押しをしてもらえるような形で退職ができます。
育休明け1ヶ月で退職するとどうなる?
育休明け1ヶ月で退職する際に発生する疑問について見ていきたいと思います。
- 育休復帰後すぐに退職していいの?
- 保育園は退園しなければいけない?
- 育児休業給付金は返金するの?
- 失業保険は受け取れる?
上記の疑問について順番に回答します。
育休復帰後すぐに退職していいの?
育休復帰後すぐに退職することは可能です。
法的にもまったく問題ありませんので安心してください。
当初は復帰後も働き続けたいと思っていたとしても、環境の変化が要因ですぐに退職せざるを得ない状況になることも考えられます。
育休明けすぐに退職を申し出る場合は、退職日の2週間前であれば法的には問題ありません。
ただし、就業規則では「1ヶ月〜3ヶ月前」と定められていることが多いです。
退職する際には可能な限り早めに上司に報告し、退職までに必要な業務や手続きを速やかに行うことが円満退職につながります。
保育園は退園しなければいけない?
育休明けに退職した場合、保育園の利用状況も影響を受けるでしょう。
多くの自治体では、保育園の利用資格は保護者が就労していることが前提です。
退職によりこの条件を満たさなくなると、原則として保育園から退園になります。
ただし、退職後に就職活動をする場合は1~3か月の猶予期間を設けられるケースがほとんどです。
猶予期間は地域によって異なりますので、具体的な規定はお住まいの市町村役場に直接確認してみてください。
育児休業給付金は返金するの?
育休明け1ヶ月で退職しても、育児休業給付金は返済する必要がありません。
厚生労働省が返金の必要がないことを正式に発表していますので安心してください。
育児休業給付金は復職を前提とした給付金です。
そのため、辞めることを前提に給付金をもらっていた場合は返金を求められる可能性があります。
復職後に条件等が合わずに退職する場合は全く問題ないので、育児休業給付金は返金しなくて大丈夫です。
失業保険は受け取れる?
育休明け1ヶ月で退職しても、失業保険は受け取れます。
失業保険を受け取るための条件は以下の通りです。
- 退職した日以前の2年間で雇用保険に通算して12ヶ月以上あること
- すぐに働ける状態で、働く意志があること
失業手当をもらうことで、経済的にも安心して次の職場を探すことができます。
前職での退職理由を分析し、条件に合った会社を選定しましょう。
まとめ
今回は、育休明け1ヶ月で退職する理由や伝え方、退職後の疑問について解説してきました。
最後に今回ご紹介した内容を振り返っていきます。
- 育休明け1ヶ月で退職することは可能。引き継ぎ等、円滑な退職に向けた対応が求められる。
- 退職後は保育園の利用資格が失われるが、就職活動をすることで1〜3ヶ月猶予期間を設けられるケースが多い。
- 育休明け1ヶ月で退職しても育児休業給付金は返金不要。
- 育休明け1ヶ月で退職しても失業保険の受け取りが可能。
様々な理由があるとは言え、育休明け1ヶ月で退職する際には慎重な対応が求められます。
退職理由をしっかり説明した上で、退職に関する準備をしっかり行い、円満に退職できるようにしましょう。