休むことに罪悪感があるのは、きっと真面目なあなたの証拠です。
適応障害で休職中、あるいはこれから休職を考えている方の中には、「自分だけ休んで申し訳ない」「迷惑をかけているかも」といった罪悪感に苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。
心も体もしんどいはずなのに、休むことすら自分に許せない。そんな葛藤を抱えていませんか？
この記事では、「適応障害」「休職」「罪悪感」という3つのテーマを軸に、
- なぜ罪悪感を感じてしまうのか？
- どうすればその気持ちと向き合えるのか？
- 休職中の過ごし方にどんな工夫ができるのか？
といった点を、実際に悩む方の気持ちに寄り添いながら解説していきます。
「休んでもいい」と、心から思えるようになるために。
本記事がそのきっかけになることを願っています。
著者情報
退職サポーターズ編集部
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なぜ適応障害で休職すると罪悪感を感じるのか？
適応障害と診断され、医師から「しっかり休みましょう」と言われても、すぐに心が軽くなるとは限りません。
実際、多くの人が「自分だけ休んで申し訳ない」「仕事を任せられない自分が情けない」といった罪悪感に悩んでいます。
特に、責任感が強く、普段から周囲を気遣っていた人ほど、こうした感情を抱えやすい傾向があります。
ここでは、なぜ適応障害で休職することに対して罪悪感を感じてしまうのか、代表的な理由を整理してみましょう。
同僚に迷惑をかけている気がする
「自分が休むことで、誰かの仕事が増えてしまうのでは？」という不安は、罪悪感の大きな要因です。
職場が忙しい時期だったり、チームに人員の余裕がなかったりすると、申し訳なさを強く感じてしまうこともあります。
キャリアに悪影響が出る不安
「このまま休んでいたら、昇進のチャンスを逃してしまうかもしれない」
「他の人にポジションを取られるのでは？」
そんな不安が、「休んでいてはいけない」という焦りに変わり、罪悪感に繋がってしまうこともあります。
自分を「弱い人間」と感じてしまう
「自分はメンタルが弱いから働けなくなった」
「周囲は頑張っているのに、自分だけがダメなんじゃないか」
そんなふうに、自分の状態を責めてしまう人は少なくありません。
でも、適応障害は誰にでも起こりうるものであり、「甘え」や「弱さ」ではありません。
真面目さや責任感が、罪悪感を強めてしまう
もともと真面目で完璧主義な人ほど、「仕事を休む＝無責任」と感じてしまう傾向があります。
本来であれば「体調を回復させること」が最優先のはずなのに、頭ではわかっていても、心がついてこないこともあるのです。
社会的な偏見や“甘え”というイメージ
まだまだ社会的に、精神疾患やメンタル不調に対する理解が十分とは言えません。
「休職＝逃げ」「休むのは甘え」といった偏見が、自分を追い込む原因になってしまうこともあります。
こうした背景が積み重なることで、適応障害による休職には、強い罪悪感がつきまといやすいのです。
ですが、その罪悪感と「どう向き合うか」で、回復のスピードや心の軽さは変わっていきます。
罪悪感を軽くするためにできること
罪悪感は感じてしまうこと自体を責める必要はありません。
ただ、何も対処しないままでいると、その気持ちが心の回復を妨げてしまうこともあります。
ここでは、適応障害で休職している方が少しでも気持ちを楽にするためにできる、具体的な方法をご紹介します。
「罪悪感は悪い感情ではない」と理解する
まず大切なのは、「罪悪感を持っている自分はダメだ」と否定しないことです。
罪悪感を抱くのは、あなたが真面目で責任感が強い証拠。
だからこそ、まずは「感じてしまうのは自然なこと」と受け止めてみてください。
感情を否定するよりも、そのままの自分を一度受け入れることが、心の回復につながっていきます。
できたことを小さく記録する
「自分は何もしていない」と思ってしまうと、罪悪感はさらに強まります。
そんなときは、ほんの些細なことでいいので、できたことをメモしてみましょう。
たとえば、「朝起きられた」「洗濯物を取り込めた」「好きな音楽を聴けた」など。
どんなに小さなことでも、「自分は前に進んでいる」と実感できるだけで、心がふっと軽くなることがあります。
「迷惑をかけるのはお互い様」という視点を持つ
「自分が休んだせいで、誰かの負担が増えてしまっているのでは…」と考える人も多いと思います。
でも、人間は誰しも体調を崩すことがあり、支え合いながら生きていくのが自然です。
今は自分が助けてもらっているけれど、元気になったら誰かを支えることもできる。
そう考えれば、「今は助けてもらっていい」と思えるようになるかもしれません。
視点を少し変えてみる
「休職＝キャリアの後退」「周囲に迷惑＝人間として失格」といった考え方が、罪悪感を強めることがあります。
でも実際には、適切に休むことが、長期的には心と体を守り、結果的にキャリアにもプラスになるケースも少なくありません。
「休職は“回復するためのプロセス”」
「今はエネルギーを充電している時期」
そう捉え方を少し変えるだけで、心のプレッシャーが軽くなることもあります。
信頼できる人に話してみる
罪悪感を一人で抱え続けるのは、とても苦しいものです。
もし話せる相手がいれば、感じていることを言葉にしてみましょう。家族、友人、医師、カウンセラーなど、どんな人でも構いません。
「話すことで自分の気持ちを整理できた」「気持ちが楽になった」
そう感じる人はたくさんいます。
どうしても苦しいときは、「少し距離をとる」
罪悪感は簡単に手放せるものではありません。
「なくそう」と頑張るほど、うまくいかないこともあります。
そんなときは、感情に飲み込まれるのではなく、「ちょっと距離をとる」ことを意識してみてください。
感情を書き出す、スマホを置いてぼーっとする、外に出て散歩をする――。
罪悪感を“考えすぎない時間”を持つだけでも、少しだけ心が休まります。
【段階別】休職中の過ごし方
休職中の過ごし方は、休職してからの時期によって理想的な過ごし方が異なります。
- 【休職初期】とにかく心身を休めよう
- 【休職中期】軽い運動で生活リズムを整えよう
- 【休職後期】外出や通勤の練習をしてみよう
ここからは初期・中期・後期に分けて理想的な過ごし方をご紹介していきます。
【休職初期】とにかく心身を休めよう
休職初期は、症状的にも治療に専念しなければならない時期であり、今までの激務の影響も残っています。
ですので、休職初期の段階ではまず休養に専念し、とにかく心身を休めることを心がけましょう。
責任感がある方だと休んでしまうことへの罪悪感なども生まれるでしょうが、とにもかくにもまずは休むことに専念です。
ずっと部屋で寝ているのもいいですが、今までできなかったことをこの機会にやってみることも大切なことです。
【休職中期】軽い運動で生活リズムを整えよう
休職中期では、一定の休養がとれたことで症状も落ち着きやすく、危機的な状況は脱したと言えます。
いわば底を打った状態なので、後のことを考えた行動をとるのが理想的です。
今までずっと寝ていた方は、軽い運動を取り入れて規則正しい生活リズムになるよう計画を立てることをおすすめします。
休職中はどうしても生活リズムが狂いやすくなるので、リズムを立て直すことが大切です。
そして体力づくりのためにも少しずつ運動を行っていくき、社会復帰を目指せるようにしていきましょう。
【休職後期】復職や社会復帰に向けた準備を始める
休職後期はいよいよ社会復帰に向けての最終段階に入る局面です。
復職を想定した形でスケジューリングをすることをおすすめします。
仕事があることを想定して起床時間や就寝時間を決め、外出して通勤の練習をしてみるのがいいでしょう。
就業時間は何かしらの作業を行うようにするとリズムがつかみやすいです。
これを平日の5日間ずっと維持できれば、復職も視野に入ります。
一方、「復職しても維持できるか微妙…」となれば転職も視野に入れて行動することができます。
休職中の過ごし方のポイント
休職中は「何をすればいいかわからない」と不安になることも多いと思います。
そんなときは、回復のために大切なポイントを押さえておくと、気持ちが少し楽になります。
ここからは休職中の過ごし方に関するポイントについて、3点ご紹介します。
- 体調の改善を最優先する
- うつや適応障害からの回復プロセスを把握する
- 自分なりのリラックス方法を探して実践する
過ごし方を考える上で守っておきたいポイントをまとめました。
体調の改善を最優先する
休職中において大前提となるのが、体調を改善させることです。
休職を許してくれた企業は、復職を想定して許しており、企業に報いるにはいち早く体調を改善させて職場復帰を果たすことと言えます。
一方、復職以外の選択肢を想定する場合も、体調が戻らないことには新しい決断ができないのも事実です。
いずれの場合においても体調の回復を最優先に考えることがとても大事と言えるでしょう。
うつや適応障害からの回復プロセスを把握する
休職の理由がうつ病や適応障害など精神疾患の場合には、どのようなプロセスで回復するのか、流れを把握することをおすすめします。
例えばうつ病の場合、急性期・回復期・再発予防期と存在し、特に回復期は一進一退を繰り返しながら前に進むので、この時期に焦りを覚えやすくなります。
焦りを覚える中で症状が悪化すればよからぬことを考えやすいため、実は回復期ほど慎重にならなければなりません。
これらの回復プロセスを把握していれば、まだ焦るタイミングではないことを理解できます。
その上で休職期間を過ごせるようになると、職場復帰・社会復帰がスムーズに行えるでしょう。
自分なりのリラックス方法を探して実践する
精神疾患などの場合はストレスが原因になりやすく、強いストレスが症状を悪化させるケースが目立ちます。
そのため、自分だけのリラックス法を見つけて実践していくことをおすすめします。
リラックス方法が見つけられれば、ストレスを受け流すことができ、悪化を防ぐことが可能です。
様々なリラックス方法を試してみて、自分に合うものを見つけましょう。
休職中の過ごし方の注意点
休職中は「休んでいるだけ」と思われがちですが、実際には多くの不安や葛藤と向き合う期間でもあります。
特に心の病気で休職しているときは、見えないプレッシャーに悩まされることも少なくありません。
ここでは休職中の過ごし方に関して、気を付けておきたいことが主に3つあります。
- 休むことに罪悪感は不要
- 服薬や通院を自己判断でやめない
- 焦りは禁物！体調の回復には時間がかかると理解する
ここからは休職中に気を付けたい3つの注意点について解説していきます。
休むことに罪悪感は不要
先ほども解説したように、責任感が強い人ほど、休むことに罪悪感を感じ、せっかくの休みなのに自分自身を責め続けることがあります。
この状態だと回復スピードが落ちるだけでなく、症状の悪化を招きかねないため、自分自身をより傷つけるのと同じ意味になりがちです。
休まなければ自分が壊れてしまう以上、休むことは当然であり、罪悪感を感じることは何1つありません。
むしろ1日でも早く戻るためにもちゃんと休むことが大事であると気持ちを切り替えるぐらいがちょうどいいでしょう。
服薬や通院を自己判断でやめない
症状が改善すると、今まで行ってきた服薬や通院を自分の判断でやめてしまう人がいます。
特に今まで健康だった人ほど、薬を飲むのをやめたいと思いやすく、自己判断でやめがちです。
しかし、医師ではない人間が自己判断をするのは大変危険であり、完全な治癒につながらない恐れが高くなります。
減薬や薬がなくなるなどの判断はあくまでも医師が行い、できる限りそれに従うのが確実です。
焦りは禁物！体調の回復には時間がかかると理解する
うつ病などの精神疾患では回復期が一番気を付けなければならないとご紹介しました。
回復期に突入するのはおおよそ発症から4～6か月とされ、そこそこの時間がかかります。
既に数か月かかっており、焦ってしまうのはやむを得ないと言えますが、焦りは禁物です。
うつ病のように再発する可能性がある疾病は場合によっては2年ほど薬物治療を要することがあります。
それくらいに時間がかかるものだからこそ、焦らずに少しずつ回復を目指していくことが求められます。
休職中に退職するという選択肢もある
長く休職をしている中で、最初はすぐにでも復職したいという思いを持つ方が多いでしょう。
しかし、自問自答を繰り返す中で、復職よりも別の選択肢を選んだほうがいいのではないかと感じる人もいるはずです。
その1つが退職という選択肢です。
適応障害で退職を伝えるときの正しい伝え方とは？診断書の使い方や注意点も解説
お金の不安があるなら退職サポートサービスを利用しよう
退職することでより治療に専念することができますが、お金の不安を抱える方もいるのではないでしょうか。
そこで活用したいのが社会保険給付金制度です。
社会保険給付金制度は1年以上社会保険に加入している人であればだれでも受け取れる給付金です。
退職サポーターズでは退職サポートサービスを用意しており、社会保険給付金制度を利用したい方のサポートを行います。
本来社会保険給付金制度は本人が手続きをしなくてはならず、その手続きは結構煩雑で、間違いもありがちです。
それらの手続きを退職サポートサービスを利用すれば色々なアシストをしてくれるので、スムーズに社会保険給付金を手にできます。
まとまったお金を手にして安心して治療に専念したい方におすすめです。
社会保険給付金制度とは？もらえる金額や条件、デメリットを徹底解説
適応障害で休職することに関するよくある質問（Q&A）
- 適応障害での休職期間はどれくらいが一般的ですか？
- 一般的には1〜3か月程度の休職が多いですが、人によって必要な期間は異なります。
職場環境やストレスの原因、自身の体調によって回復スピードは大きく変わるため、「○ヶ月で復帰すべき」といった基準はありません。
主治医と相談しながら、焦らず自分に合ったペースで進めていくことが大切です。
- 休職中、会社とはどのように連絡を取るのがよいでしょうか？
- 基本的には、月に1回程度、会社側の人事や上司とメールや電話で体調の報告をするケースが多いです。
直接のやり取りがつらい場合は、家族に代わりに連絡してもらうことも可能です。
医師の意見書や診断書を通じて連絡を取ることで、必要以上のプレッシャーを感じずに済む場合もあります。
- 罪悪感がどうしても消えません。どうしたらいいですか？
- 罪悪感を完全になくす必要はありません。
「感じてもいい感情なんだ」と受け入れるだけでも、気持ちは少し軽くなります。
また、信頼できる人に気持ちを打ち明けたり、日々できたことを記録したりすることで、罪悪感とうまく付き合えるようになっていきます。
- 復職する前にどんな準備をしておくべきですか？
- 生活リズムを整えること、通勤の練習をしておくこと、自分の気持ちや体調を言葉で説明できるようにしておくことがポイントです。
また、復職前には主治医や産業医との面談を行い、「無理なく働けるかどうか」を第三者の目線でも確認しておくと安心です。
- 適応障害で休職した場合、傷病手当金はもらえますか？
- はい、条件を満たせば適応障害による休職でも傷病手当金を受け取ることが可能です。
在職中に健康保険に加入していること、連続して3日以上仕事を休んでいること、医師による証明があることなどが主な条件です。
詳細は会社の健康保険組合や医療機関に確認しておきましょう。
- 退職したいけど、手続きやお金のことが不安です…。
- 退職を考えるとき、多くの方が「お金の不安」や「手続きがよく分からない…」という悩みを抱えています。
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まとめ
適応障害で休職していると、「自分は甘えているんじゃないか」「このままでいいのかな」と、罪悪感に苦しむことがあるかもしれません。
でも、それはあなたが責任感のある、まじめな人だからこそ感じる感情です。
休職は、心と体を守るための大切なステップ。
そして、罪悪感は「持ってはいけないもの」ではなく、「一緒に抱えながら、少しずつ軽くしていくもの」でもあります。
この記事では、罪悪感を感じる理由や、気持ちを軽くする具体的な方法、そして段階別の休職の過ごし方についてご紹介してきました。
焦らず、自分のペースで、できることから少しずつ始めていけば大丈夫です。
もし、「このまま今の職場に戻るのが怖い」「退職も視野に入れて考えたい」と思ったら、無理にひとりで答えを出そうとしなくて大丈夫。
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あなたが「自分を大切にする選択」ができるよう、心から応援しています。
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