4月に新社会人として働き始めたものの、すでに辞めたいと感じている方もいるのではないでしょうか。
とはいえ、「新卒で辞めるなんて甘えじゃないか」「上司に退職を切り出すのが怖い」など、辞めたい気持ちはあるのに、退職を言い出せずに悩んでいる方も少なくありません。
結論から言えば、たとえ言いづらい状況でも、自分の心や体を守るためであれば退職するべきです。
本記事では、
- 新卒が退職を言いづらく感じる理由
 - 実際に退職すべきケース
 - 円満退職の方法
 
などをわかりやすく解説していきます。
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新卒が退職を言いづらい理由
新卒が退職を言いづらいと感じる主な理由は4つあります。
- 在籍期間が短く、申し訳なさを感じる
 - 退職後の未来が不安
 - 退職までの期間、気まずくなるのが怖い
 - 初めての退職で切り出し方が分からない
 
ここからは、4つの理由をそれぞれ解説していきます。
在籍期間が短く、申し訳なさを感じる
新卒で入社し、退職したいと感じる人の中には、入社したその日に退職を考え始める人もいます。
入社して間もないタイミングで「退職したい」と言えば、さまざまな反応があることは明らかです。
周囲の人にどのように思われるか不安という理由から、なかなか言い出せない人も多くいます。
一方で、退職してしまえばよほど自宅が会社と近くない限り、職場の人と会うことはありません。
一時的に気まずいことはあっても、その後顔を合わせることはないので、思い切って退職を伝えるのがおすすめです。
退職後の未来が不安
新卒で入社してすぐ辞めるとなれば、その先の未来が不安になり、退職を言いづらいケースも考えられます。
家族などにも新卒で入社したことを伝えていれば、いきなり辞めてしまうと何かと迷惑をかける可能性もあるでしょう。
さまざまな思いが頭を駆け巡る中で、不安な気持ちから退職を思いとどまろうという人がいます。
一方、第二新卒のように、一定期間であれば新卒の扱いで採用してくれる企業もあるので、早めに切り替えるのも1つの手です。
退職までの期間、気まずくなるのが怖い
民法のルールでは、退職の申し出をしてから2週間後に退職することが可能です。
つまり、退職の申し出をしてから退職日まで2週間以上の期間があります。
気まずい思いをしながら退職日までを過ごすこともあるでしょう。
新卒で入って早くに辞める人に対する視線が厳しいものになっても、何らおかしくありません。
そのため、気まずい思いをしたくないから我慢する人がいるというわけです。
初めての退職で切り出し方がわからない
新卒の人にとって退職は初めての経験であり、退職が言いづらいのは当然です。
特に日本では1950年以降、終身雇用が当たり前とされてきました。
そのため、退職を一度も口にしないで定年まで全うしたサラリーマンも多くいます。
アルバイトを辞めた経験がある人でも、正社員の重みを考えると、言いづらい状況は仕方ないでしょう。

新卒で退職するメリットとデメリット
新卒で短期退職をするメリットとデメリットを紹介します。
- メリット① 自分に向いている仕事を見つけられる
 - メリット② 精神が疲弊する原因から解放
 
- デメリット① 企業からの印象が悪くなる
 - デメリット② 求人の選択肢が減る
 
では、詳細を見ていきましょう。
メリット①自分に向いている仕事を見つけられる
新卒で退職するメリットとして、自分に向いている仕事を見つけられることが挙げられます。
前職は自分に向いていなかったと感じて退職した場合、次は自分に向いているかという点で仕事を探そうとします。
その結果、次の職場で長続きすることも十分に考えられます。
メリット②精神が疲弊する原因からの解放
早々に辞めることで、精神が疲弊する原因から解放されるのも1つのメリットです。
精神が疲弊してしまうと、頑張りたい気持ちがあっても頑張れません。
疲弊の原因が仕事であれば、解放されるためにやめるのも1つの手です。
無理に続けても精神的な限界が生じるので、早めに見切りをつけることも重要です。
デメリット①企業からの印象が悪くなる
新卒が退職するデメリットで想定されるのが、企業からの印象が悪くなる点です。
短期離職の経験があることで、「自分たちの会社に入っても長続きしないのではないか」という懸念が生じやすいからです。
企業側はなぜ短期離職をしてしまったのかを気にします。
納得のいく理由と、絶対に短期離職はしないという根拠を示せれば、企業側の不安は解消されやすいでしょう。
デメリット②求人の選択肢が減る
デメリットの2つ目は、次の企業の選択肢が減ってしまうことです。
新卒から3年以内であれば第二新卒として扱ってもらえる場合もあります。
しかし短期離職の場合、中途採用の扱いになる可能性が高いです。
新卒採用とは企業が求める条件が違うため、応募できる求人は少なくなります。
理想の仕事が見つかりにくい可能性も出てくるため、同時並行で資格取得を目指すなど、選択肢を増やす対策をおすすめします。
新卒でも退職していい?言いづらくても退職するべきケース
さまざまな要因から退職が言いづらいと感じる人もいますが、一方で退職するべきケースも存在します。
- 長時間労働が続く
 - パワハラがある
 - 会社の経営状況が不安
 - 心身の不調・うつ状態になっている場合
 
ここからは、退職するべき4つのケースについて解説していきます。
長時間労働が続く
長時間労働は、朝から夜まで働き詰めになることを意味します。
やりたいことが何もできずに1日が過ぎていく経験をする新卒の方もいるはずです。
会社によっては労働基準法が定める法定労働時間を無視して残業をさせるケースもあります。
8時間労働の上に2時間3時間の残業が毎日のように続くけば、健康状態も不安になります。
さらに残業代の未払いが当たり前な状況であれば、心身ともに疲弊していくのは必然です。
この場合、早い段階から労働条件のいい職場へ転職するのがおすすめです。
パワハラがある
入社前は雰囲気の良さそうという印象があった職場でも、入社してから全く違うと感じる場合もあります。
その中の1つがパワハラです。
上司や先輩は教育のつもりであっても、新人がミスをしたときの暴力・暴言による指導が許されるわけではありません。
暴力・暴言などがあった時点でおかしいと感じて、退職を切り出すことをおすすめします。
会社の経営状況が不安
新卒で入ったものの、会社の経営状況が明らかに怪しい場合があります。
どれだけ本人が頑張っても、会社が傾き、場合によっては倒産してしまうとどうしようもありません。
しかし、新卒社員は今の会社しか知らないため、「こんなものだろう」と現状に疑問を持たないケースもあります。
友人や家族などに話してみて、明らかに経営状況が悪いと指摘を受けたら、退職を検討しましょう。
心身の不調・うつ状態になっている場合
新卒で入社して間もないうちに、心身の不調を感じている方は少なくありません。
朝起きられない、会社に行こうとすると涙が出る、といった症状がある場合は、心のSOSかもしれません。
とくに新卒の時期は、環境の変化に体も心もついていけず、うつ状態になりやすいタイミングでもあります。
「せっかく就職したのに」「まだ数ヶ月しか経ってないのに」と自分を責めてしまう人も多くいます。
ですが、退職は逃げではありません。
心や体が限界を迎える前に、一度立ち止まって自分を守る選択を考えましょう。
症状がひどい場合は、早めに病院を受診し、診断書の発行を通じて退職や休職を検討することも可能です。

新卒が退職を言いづらい場合の対処法
退職を決断しても仕方のない状況であったとしても、退職を言いづらいと感じる新卒の方も多いのではないでしょうか。
本章では新卒が退職を言いづらい場合の対処方法を3つご紹介します。
- 事前に相談する
 - 退職理由を準備しておく
 - 診断書を提出する
 
それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
事前に相談する
退職を伝えるときは、事前に退職を検討し始めた理由などを伝えるのがおすすめです。
いきなり退職を伝えても、上司や先輩などはただただ驚き、ネガティブな反応をしがちです。
仮にその理由が会社側の落ち度であれば、相談したことで改善し、働きやすくなる可能性も考えられます。
思っていることは言わないと伝わらないため、まずは事前の相談が大切です。
退職理由を準備しておく
退職を検討し、実際に切り出す場合には退職理由を準備しておくことが大切です。
退職理由が明快で、引き止めようのないものであれば、退職までスムーズに進みやすいです。
例えば、「やりたい仕事が見つかった」という能動的な理由であれば引き止めようがありません。
しかし、「この仕事は向いていない」という理由だと、もう少し頑張ったらどうかと説得されてしまいます。
特に、会社や上司、先輩などをやめる理由にするのだけはやめましょう。
できるだけポジティブに、前向きになりやすい理由を見つけて伝えるのがおすすめです。
診断書を提出する
実際に働く中で強いストレスがかかり、結果的に病気になってしまう方もいるでしょう。
この場合には病院で診断書を書いてもらい、会社に提出するのがおすすめです。
適応障害などの病気を理由に、一定期間休みたいと伝え、「迷惑になりそうだから」と退職を切り出すと会社は引き止めようがありません。
診断書を出された時点で、会社側はできる限り事を荒立てないような形で退職までの道筋をつけようとします。
注意点としては、全く通院もしていないのに診断書を提出することは困難であることです。
これから診断書を用意する場合、その前からストレスなどで体調が悪いなどと伝えておくと信憑性につながります。
退職を伝えるのが気まずいときの乗り越え方
退職を決意しても、会社に伝えるタイミングは難しいですよね。
本章では、気まずくならない退職のタイミングや、人間関係の考え方について解説しています。
円満退職へのステップも、伝え方の例文付きで紹介していますので、参考にしてください。
気まずくならない退職タイミング・言い方
退職を伝えるときに一番気まずさを感じやすいのが、「いつ言うか」「どう伝えるか」ですよね。
タイミングとしては、以下の2点がそろっているときがベストです。
・業務が落ち着く時期(繁忙期を避ける)
・上司との1対1の時間を確保できるとき
退職を切り出すときは、クッション言葉を使うことをおすすめします。
まずは「少しご相談したいことがあります」など柔らかく言うことで角が立ちにくくなります。
また、ネガティブな理由を言わないのもコツです。
体調やキャリアの都合など、個人的な理由にとどめることで空気が悪くなりにくいです。
職場の人間関係を気にしすぎない方法
退職を伝えたあとに気まずくなるのが嫌だ、辞めたあと何か言われないか、などと不安に思う人は多くいます。
ですが実際は、そこまで気にしていないことがほとんどです。
とくに新卒の場合、入社してまだ関係性も浅いため、必要以上に引け目を感じる必要はありません。
自分の人生にとっての大事な選択だと割り切ることで、心理的な負担は軽くなります。
また、「お世話になりました」と最後に一言伝えるだけでも、後味の良い印象を残すことができます。
円満退職へのステップと例文紹介
気まずくならずに円満に退職するためには、丁寧なステップを踏むことが大切です。
- 退職の意思を固めたら、早めに直属の上司に相談する(目安:退職の1〜2ヶ月前)
 - 書面で退職届を提出する
 - 引き継ぎやあいさつなど、社会人としての礼儀を忘れずに行う
 
実際に使える退職の伝え方の例文も紹介します。
例
一身上の都合により、◯月末で退職を希望しています。
これまで本当にお世話になりました。
引き継ぎも責任を持って行いますので、よろしくお願いいたします。
このように、感謝と責任感をセットで伝えることがポイントです。
そうすることで、必要以上に気まずくならず、前向きな退職として受け取ってもらいやすくなります。
まとめ
本記事では、新卒が退職を言いづらい原因と対策について解説をしてきました。
退職の言いづらさは、在籍期間の短さや将来への不安が要因です。
また、労働状況が悪い場合や心身に不調を感じる場合は、自分を守るためにも退職をするべきです。
以下に新卒でも円満に退職できるポイントをまとめます。
- ポジティブな退職理由を準備しておく
 - 繁忙期でない時期に、上司に1対1の時間を確保してもらう
 - 退職の意思は1~2か月前に伝える
 - 引き継ぎやあいさつなど、責任と礼儀を持って行う
 
初めての退職は不安な方も多いでしょう。
しかし、会社への感謝と責任感を忘れずに退職したい意思を伝えれば、何ら問題はありません。
新しい未来へ進むためにも、最初の一歩を踏み出す勇気を持つことをおすすめします。
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