
私って自己都合退職?それとも会社都合になるのかな…

給付制限で1〜2か月も収入が止まったらどうしよう…不安で仕方ない
本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。
- 自己都合退職と会社都合退職の定義・該当ケースの見分け方
- 給付制限期間・受給資格要件の違いの比較
- 給付日数・基本手当日額の計算方法と早見表
- 会社都合と認定されるための異議申立ての進め方
- 自分がどちらに該当するかのセルフチェック方法
- 退職前から相談OK
- 社労士が退職〜受給開始までの流れを整理
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自己都合退職と会社都合退職の違いとは
失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職理由が自己都合退職か会社都合退職かによって、給付制限期間・受給できる日数・受給額の計算に影響する要素が大きく変わります。
同じ勤続年数・同じ賃金であっても、退職理由の分類が違うだけで、実際に受け取れる総額や受給が始まる時期が大きく変わることも珍しくありません。
まずはそれぞれの定義と、代表的な該当ケースを整理しておきましょう。
自己都合退職とは
自己都合退職とは、転職やキャリアチェンジ、個人的な事情など、労働者自身の意思で退職を決めたケースを指します。
雇用保険の制度上は「一般の受給資格者」として扱われ、後述する給付制限の対象になります。
会社都合退職とは
会社都合退職は、倒産や解雇、大量雇用変動など、会社側の事情によって離職を余儀なくされたケースを指し、雇用保険上は「特定受給資格者」として扱われます。
- 転職先が決まっての退職
- キャリアチェンジを目的とした退職
- 独立・起業のための退職
- その他、個人的な理由による退職
- 倒産・破産・事業所の廃止
- 解雇(重責解雇を除く)
- 大量雇用変動(1か月に30人以上の離職予定)
- 労働条件が募集時と著しく異なっていた場合
特定理由離職者という第三のケース
契約更新を希望したのに合意に至らなかった場合や、健康悪化・妊娠・出産・育児、親族の介護などによる離職は、「特定理由離職者」として、正当な理由のない自己都合とは区別される場合があります。
特定理由離職者は、給付制限や受給資格要件の面で会社都合退職に近い扱いを受けることがあります。この点は後ほど詳しく解説します。

給付制限期間の違い(自己都合と会社都合を徹底比較)
失業保険の受給時期に最も大きく影響するのが、給付制限期間の有無です。
自己都合退職の給付制限
自己都合退職の場合は、待期7日に加えて給付制限期間が設けられます。退職日が令和7年4月1日以降であれば、給付制限は原則1か月です。
令和7年3月31日以前の退職については、旧ルールにより原則2か月の給付制限とされています。退職日がどちらに当たるかによって扱いが変わる点に注意が必要です。
会社都合退職は給付制限なし
会社都合退職(特定受給資格者・特定理由離職者)の場合、給付制限は適用されず、待期期間7日を満了すれば基本手当の受給が始まります。生活資金の面で見ると、この差はとても大きいといえます。
給付制限が3か月になる例外
注意
退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けている場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)の場合は、給付制限が3か月に延長される場合があります。この延長条件は制度改正後も変更されていません。
リスキリングによる給付制限の解除特例
ポイント
令和7年4月以降は、離職期間中にリ・スキリングのための教育訓練等を受けると給付制限が解除される特例が新設されました。早期の受給を希望する場合は、対象講座の有無をハローワークで確認してみるとよいでしょう。
受給開始までのスケジュールの違い
自己都合退職と会社都合退職では、実際に手当が振り込まれ始めるまでの期間にも差が出ます。
どちらも離職票を受け取ったらハローワークで求職の申込みを行い、そこから7日間の待期を経る流れは共通です。
会社都合退職の場合は、待期満了後の最初の失業認定日を経て、比較的早い段階で振込が始まります。
自己都合退職の場合は、待期満了後にさらに給付制限期間(原則1か月、条件により3か月)を挟むため、申請から受給開始までに数か月かかる場合があります。

手続きの大まかな流れは上の図の通りです。生活資金に余裕がない場合は、給付制限期間中の家計計画をあらかじめ立てておくと安心です。

給付日数の違い【早見表】
受給できる所定給付日数も、退職理由によって大きく異なります。
自己都合退職の給付日数
自己都合退職(一般の受給資格者)の場合、所定給付日数は被保険者期間に応じて90日から150日の範囲です。年齢による差はなく、被保険者期間の長さのみが基準になります。
会社都合退職の給付日数
会社都合退職(特定受給資格者・特定理由離職者)の場合は、年齢と被保険者期間に応じて90日から330日まで幅があります。たとえば45歳以上60歳未満で被保険者期間10年以上20年未満の場合、330日の給付を受けられます。
就職困難者はさらに手厚い日数に
障害のある方など就職困難者に該当する場合は、45歳以上65歳未満・被保険者期間1年以上5年未満で最長360日と、より手厚い日数が設定されています。

- 被保険者期間(雇用保険に加入していた期間)
- 年齢(会社都合退職の場合のみ影響)
- 就職困難者に該当するかどうか
基本手当日額・受給額の計算方法とシミュレーション
受給額の計算方法自体は、自己都合・会社都合で共通です。給付制限や給付日数の違いが、結果として受給総額の差につながります。
賃金日額の算出方法
まず、離職した日の直前6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割り、「賃金日額」を算出します。賞与など臨時に支払われる賃金は、この計算には含まれません。
給付率のしくみ
この賃金日額に、およそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)の給付率を乗じたものが、1日あたりに受け取れる「基本手当日額」です。給付率は賃金の低い方ほど高く設定される仕組みになっています。
受給総額の目安
受給総額は、この基本手当日額に、前章で確認した所定給付日数を掛け合わせて算出されます。同じ賃金水準であっても、会社都合退職で給付日数が多くなるほど、トータルの受給額は大きくなる傾向があります。
なお、基本手当日額には上限額・下限額が設けられていますが、金額は年齢区分などによって見直される場合があるため、最新の金額はハローワークや厚生労働省の発表で確認するとよいでしょう。

受給資格要件・特定受給資格者や特定理由離職者とは
失業保険を受け取るためには、被保険者期間の要件を満たしている必要があり、この要件も自己都合と会社都合で異なります。
自己都合退職の受給資格要件
自己都合退職の場合(一般の受給資格者)は、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要です。
会社都合退職の受給資格要件
会社都合退職の場合(特定受給資格者・特定理由離職者)は、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給資格を満たします。短い勤続期間でも受給しやすくなっている点が特徴です。
特定受給資格者に該当しやすい例
- 倒産・破産・民事再生等による離職
- 事業所の廃止・移転による通勤困難
- 解雇(重責解雇を除く)
- 賃金未払いや、賃金が85%未満に低下した場合
- 時間外労働が1か月100時間を超えた場合
- ハラスメントや不当な取扱い、退職勧奨を受けての離職
特定理由離職者に該当しやすい例
- 契約更新を希望したが合意に至らなかった場合
- 健康悪化・疾病による離職
- 妊娠・出産・育児による離職
- 親族の疾病・死亡による扶養の必要
- 結婚・育児による通勤困難
- 希望退職募集への応募
特定理由離職者は、正当な理由のない自己都合退職とは区別され、給付制限が適用されない扱いとなる場合があります。個別の該当可否は、ハローワークでの判定が必要です。
自分がどちらに該当するかのセルフチェックと異議申立ての進め方
離職票に記載される離職理由は、必ずしも自分の認識と一致するとは限りません。まずは該当しやすいポイントをセルフチェックしてみましょう。
セルフチェックリスト
- 会社から解雇や退職勧奨を受けたかどうか
- 労働条件が募集時の説明と大きく違っていたかどうか
- 長時間残業やハラスメントが離職の原因になっていないか
- 契約更新を希望したのに更新されなかったかどうか
- 健康上の理由や家族の事情がやむを得ない離職につながっていないか
これらに心当たりがある場合、離職票の離職理由欄が「自己都合」になっていても、会社都合や特定理由離職者として認定される余地がある場合があります。
異議申立ての具体的な進め方
離職票の内容に納得できないときは、ハローワークの窓口で異議申立てを行うことができます。
- 離職票を受け取ったら、離職理由欄の記載をまず確認する
- 解雇通知書、雇用契約書、給与明細、業務指示のメールなど、離職理由を裏付ける資料を集める
- 求職の申込み時に、ハローワークの担当窓口へ実際の経緯を説明する
- 必要に応じて、会社側への聞き取りを含めた調査が行われる
相談窓口を活用する
証拠となる資料が多いほど、実態に即した判定を受けやすくなる傾向があります。一人で抱え込まず、早めにハローワークの窓口へ相談することが大切です。

よくある質問
- 自己都合退職でも給付制限なしで受給できる場合はありますか?
- 健康悪化や妊娠・出産・育児、契約更新を希望したのに合意に至らなかった場合など、「特定理由離職者」に該当すると認められれば、給付制限が適用されない扱いとなる場合があります。
離職票の理由欄が自己都合になっていても、個別の事情によっては該当する可能性があるため、ハローワークで確認してみることをおすすめします。
- 離職票の離職理由に納得できない場合はどうすればいいですか?
- ハローワークの窓口で異議申立てを行うことができます。
解雇通知書や雇用契約書、給与明細、業務指示のメールなど、実際の離職理由を裏付ける資料を集めたうえで、求職の申込み時に担当窓口へ経緯を説明すると、実態に即した判定を受けやすくなる場合があります。
- 履歴書や職務経歴書には自己都合・会社都合をどう書けばいいですか?
- 一般的には、離職票に記載された離職理由に沿って記載するケースが多いです。
会社都合退職として認定されている場合は、その旨を正確に伝えることで、選考時の説明がしやすくなることもあります。書き方に迷う場合は、転職エージェントなど専門家に相談するのも一つの方法です。
- 給付制限期間中にリスキリングの講座を受けると何が変わりますか?
- 令和7年4月以降は、離職期間中にリ・スキリングのための教育訓練等を受けた場合、給付制限が解除され基本手当を受給できる特例が設けられています。
対象となる講座の範囲や手続き方法は、最寄りのハローワークで確認するのが確実です。
まとめ
最後に、今回解説した自己都合退職と会社都合退職の違いを振り返ります。
- 給付制限は自己都合退職のみに適用され、会社都合退職では適用されない
- 給付日数は自己都合が90〜150日、会社都合は90〜330日(就職困難者は最長360日)と幅がある
- 受給資格要件は自己都合が離職前2年に12か月、会社都合は離職前1年に6か月
- 離職理由に納得できない場合は、証拠を揃えたうえで異議申立てができる
自己都合退職か会社都合退職かによって、受給できる時期・日数・総額は大きく変わります。退職理由に迷いがある場合は、自己判断だけで終わらせず、ハローワークで確認することが重要です。
条件を満たせば、思っていたよりも早く、多く受給できる可能性もあります。まずはご自身の退職理由がどちらに該当しそうか、落ち着いて整理してみてください。

自分の退職理由が会社都合として認められる可能性があるかどうかは、状況によって判断が分かれます。LINEの無料診断で、ご自身のケースの目安を確認してみてはいかがでしょうか。


