失業保険を一度受け取ったあと、「次に退職したときはもう受給できないのでは」と心配になる人は少なくありません。
インターネット上では「一度もらうと加入期間がリセットされる」という説明を見かけますが、その言葉が具体的に何を指しているのかまでは分かりにくいものです。
本記事では、失業保険を一度受給したときに何がリセットされ、何がリセットされないのかを、雇用保険の「算定基礎期間」と「被保険者期間」という2つの期間に分けて解説します。
あわせて、2回目の受給に必要な条件や、2回目以降に給付制限が長くなるケース、手続きの流れまで整理しています。
受給を検討している段階で押さえておきたい内容をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

失業保険を一度もらうと、それまでの加入期間って消えちゃうの?

また退職することになったら、2回目はもらえないかもしれないと思うと不安…
本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。
- 失業保険を一度もらうと加入期間がどう扱われるかの結論
- 2回目の受給に必要な被保険者期間の条件と離職理由による違い
- 受給回数の上限と給付制限期間が長くなるケースの目安
- 受給せずに再就職した場合に加入期間がどうなるかの扱い
- 2回目の申請前に確認しておきたい手続きと注意点
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失業保険を一度もらうとどうなる?結論と押さえるべき2つの期間
失業保険を一度受給すると、受給前の被保険者であった期間は次回の「算定基礎期間」に含まれず、受給後の期間のみで計算されます。
ただし、これは次回の失業保険がもらえなくなるという意味ではありません。
雇用保険には性質の異なる2つの期間があり、この2つを分けて理解することが、いわゆる「リセット」を正しくつかむ近道です。
受給すると「算定基礎期間」は受給後からの計算になる
算定基礎期間とは、所定給付日数を決定する基礎となる、雇用保険の被保険者であった期間のことです。
この期間が長いほど、受け取れる日数の区分が上がる仕組みになっています。
そして、過去に基本手当・特例一時金・再就職手当等の基本手当に相当する給付を受給したことがある場合、受給前の被保険者であった期間は算定基礎期間に含まれません。
つまり、算定基礎期間のカウントは受給後の再就職から再びゼロから積み上がっていくことになります。
注意したいのは、対象が基本手当だけではない点です。早期の再就職で受け取る再就職手当も、基本手当に相当する給付として同じ扱いになります。
2回目の「受給資格」は毎回あらためて判定される
一方で、次回の失業保険を受け取れるかどうかという受給資格の判定は、算定基礎期間とは別の物差しで行われます。
一般の離職者の場合、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あることが要件です。
倒産・解雇などによる特定受給資格者や、特定理由離職者に該当する場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給資格を取得できます。
いずれも離職日からさかのぼった一定期間だけを見て判定するため、過去に受給したかどうかで資格そのものが失われることはありません。
ポイント
「リセット」という言葉が指しているのは、所定給付日数を決める算定基礎期間の側の話です。受給資格が永久に失われるわけではなく、条件を満たせば2回目以降も受給できる可能性があります。
混同しやすい「算定基礎期間」と「被保険者期間」の違い
名前が似ているため取り違えやすいのですが、この2つは役割も数え方も異なります。
算定基礎期間は「何日分もらえるか」を決める期間で、被保険者期間は「そもそももらえるか」を決める期間です。
被保険者期間の数え方には独自のルールがあります。
被保険者であった期間のうち、離職日から1か月ごとに区切った期間で、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として計算します。
賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月も、同様に1か月として数えられます。
在籍していた月数がそのまま加算されるわけではないため、勤務日数が少ない月がある場合は注意が必要です。
- 算定基礎期間…所定給付日数を決める基礎。過去の受給があると受給後の期間のみで計算
- 被保険者期間…受給資格の判定に使う。離職日以前2年間(特定受給資格者等は1年間)で判定
- 被保険者期間の1か月…賃金支払基礎日数11日以上、または賃金支払基礎時間80時間以上の月

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加入期間がリセットされる仕組みと、リセットされない例外
算定基礎期間には、法令上「含めることができない場合」が定められており、過去の受給以外にも期間が通算されなくなるケースがいくつかあります。
逆にいえば、これらに当てはまらなければ前職までの期間を引き継げる可能性があります。
ここでは代表的なケースを順に整理します。
過去に基本手当・再就職手当などを受給した場合
前述のとおり、基本手当・特例一時金・再就職手当等の基本手当に相当する給付を受給した場合、受給後の被保険者であった期間のみが算定基礎期間となります。
ここでいう受給とは、実際に給付を受け取ったことを指します。
一部の日数しか受け取っていない場合でも、基本手当に相当する給付を受給した事実があれば同じ扱いになると考えられます。
たとえば10年勤めた会社を退職して基本手当を受給し、その後3年勤めた会社を退職したケースでは、算定基礎期間は後の3年分で計算されることになります。
受給せずに再就職した場合は前職の期間を引き継げる
リセットされない代表的な例外が、受給資格の決定を受けずに再就職した場合です。
ハローワークで受給資格の決定を受けず、基本手当等を一切受け取らないまま次の会社で雇用保険に加入した場合、前職までの被保険者であった期間を引き継げる可能性があります。
退職から再就職までの間が短く、手続きをする前に次の勤務先が決まったようなケースがこれにあたります。
ただし、次に説明する空白期間の条件など、他の要件も満たしている必要があります。
1年を超える空白がある場合
被保険者であった期間に1年を超えて空白がある場合、その前の期間は算定基礎期間に含まれません。
この場合は、再就職後から離職までの被保険者であった期間のみが算定基礎期間となります。
給付を受け取っていなくても、離職から次の加入までが1年を超えると通算されないという点がポイントです。
注意
失業保険を受け取らずに退職した場合でも、次に雇用保険へ加入するまでに1年を超える空白があると、それより前の期間は算定基礎期間に含まれません。療養や家庭の事情で離職期間が長くなりそうなときは、この点を踏まえて手続きの時期を検討しておきたいところです。
遡って被保険者になったことが確認された場合
本来は雇用保険に加入すべきだったのに手続きが行われておらず、後から被保険者であったことが確認されるケースがあります。
この場合、被保険者となった日が、被保険者であったことの確認があった日から2年より前であるときは、確認があった日から2年以内の被保険者であった期間のみが算定基礎期間となります。
それより前の期間は含めることができません。
加入漏れに気づいたときは、確認の手続きが遅れるほど算定基礎期間に反映できる範囲が狭まる場合があります。
育児休業基本給付金を受けた期間
被保険者であった期間中に育児休業を取得し、育児休業基本給付金の支給を受けた期間は、算定基礎期間に含めることができません。
在籍が続いていて雇用保険の被保険者であっても、その期間は算定基礎期間から差し引かれる扱いになります。
育児休業を長期間取得したあとに退職を検討する場合は、想定していた期間よりも短く計算される可能性がある点を意識しておくと安心です。
- 過去に基本手当・特例一時金・再就職手当等を受給した場合の、受給前の期間
- 被保険者であった期間に1年を超える空白がある場合の、空白より前の期間
- 被保険者となった日が確認のあった日から2年より前である場合の、2年より前の期間
- 育児休業を取得し、育児休業基本給付金の支給を受けた期間


2回目の失業保険を受給するための条件
2回目の受給でも、必要となるのは離職日からさかのぼった一定期間に、規定の被保険者期間があることです。
過去に受給した回数によって要件が厳しくなることはなく、初回と同じ物差しで判定されます。
ここでは離職理由ごとの要件と、月数の数え方を確認します。
①自己都合で退職した場合に必要な被保険者期間
転職や家庭の都合など、自己都合で退職した一般の離職者の場合は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要です。
「通算して」とあるとおり、同じ会社で連続して12か月働いている必要はありません。
2年間という枠の中であれば、複数の勤務先での被保険者期間を合計して判定できます。
ただし、前回の受給後に働いた期間が短いまま再び退職すると、この12か月に届かない場合があります。
②会社都合・特定理由離職者に該当する場合に必要な被保険者期間
倒産や解雇などで離職した特定受給資格者、または特定理由離職者に該当する場合は要件が緩和されます。
この場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給資格を取得できます。
同じ勤務期間でも、離職理由によって結論が変わる点は押さえておきたいところです。
たとえば再就職から8か月で退職した場合、自己都合であれば直近2年間に前職の期間を足して12か月に届くかどうかが問われます。
一方、会社都合による離職と認定されれば、その8か月だけで6か月以上の要件を満たす可能性があります。
被保険者期間として数えられる月の数え方
被保険者期間は、在籍した月数をそのまま数えるわけではありません。
離職日から1か月ごとに区切った期間のうち、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として計算します。
賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月も、1か月として数えられます。
そのため、欠勤が多かった月や、勤務日数の少ない短時間勤務の月は、被保険者期間に算入されない場合があります。
在籍期間が12か月を超えていても、要件を満たす月が12か月に届かないことがある点に注意が必要です。
再就職後すぐに離職したときに注意したいこと
再就職から離職までの期間が短い場合、被保険者期間が足りず受給資格を満たさない可能性があります。
特に自己都合での退職を考えている場合は、直近2年間で要件を満たせるかどうかを離職前に確認しておくことが大切です。
加入状況は雇用保険被保険者証や、前職の離職票の記載内容から確認できます。
判断に迷う場合は、退職日を決める前にハローワークで相談しておくと、見込み違いを防ぎやすくなります。
- 直近2年間(特定受給資格者等は1年間)で被保険者期間が足りているか
- 賃金支払基礎日数11日以上(または80時間以上)の月が何か月あるか
- 離職理由がどのように記載される見込みか
受給回数に上限はある?2回目以降に給付制限が長くなるケース
失業保険には「生涯で何回まで」といった回数の上限は設けられておらず、受給資格を満たすたびに何度でも受給できる仕組みです。
そのため2回目以降で実務上の分かれ目になるのは、回数そのものではなく給付制限の長さです。
ここでは、支給が始まるまでの期間に関わる決まりを順に整理します。
受給回数そのものの制限と毎回の受給資格判定
雇用保険の基本手当は、離職のたびに受給資格の有無が判定されます。
前述のとおり、判定に使われるのは離職日以前2年間(特定受給資格者・特定理由離職者は1年間)の被保険者期間です。
過去に受給した回数が多いという理由だけで、必要な被保険者期間が長くなることはありません。
一方で、離職理由と過去の退職歴によっては、手当が実際に振り込まれるまでの期間が前回より長くなる場合があります。
自己都合退職の給付制限は原則1か月(令和7年4月1日以降)
正当な理由がなく自己の都合で退職した場合には、待期期間の満了後にさらに給付制限期間が設けられます。
令和7年4月1日以降に正当な理由なく自己都合で退職した場合、給付制限期間は原則1か月です。
一方、退職日が令和7年3月31日以前である場合の給付制限期間は原則2か月とされています。
前回の受給が改正前だった場合、同じ自己都合退職でも今回は待つ期間が短くなる可能性があります。
注意
2025年4月の改正前に書かれた情報をもとに判断すると、給付が始まる時期を実際より遅く見積もってしまう場合があります。退職日が令和7年4月1日以降かどうかで扱いが分かれるため、参照する情報の時点には注意が必要です。
5年間に2回以上の自己都合退職は給付制限3か月
短い期間に自己都合退職を繰り返している場合は、原則よりも長い給付制限が適用されます。
退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己の都合により退職して受給資格決定を受けた場合、給付制限期間は3か月です。
数えるのは受給資格決定を受けた自己都合退職ですが、回数の数え方はハローワークの判断によるため、事前に確認しておくと確実です。
前回の受給から日が浅いうちに再び自己都合で退職する場合は、この扱いに該当しないかを離職前に確認しておきたいところです。
重責解雇に該当する場合の給付制限
解雇であっても、給付制限が設けられる場合があります。
自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合、いわゆる重責解雇にあたるときの給付制限期間は3か月です。
解雇であれば必ず給付制限がないというわけではない点は、押さえておきたいところです。
離職票に記載された離職理由に納得できないときは、ハローワークの窓口で異議を申し立てられる場合があります。
待期期間7日は毎回必要
受給資格の決定を受けた後には、7日間の待期期間があります。
この7日間は離職理由にかかわらず設けられ、2回目以降の受給でも同様に必要です。
待期期間が満了してから、自己都合退職などで給付制限がある場合はその期間が始まります。
会社都合による離職などで給付制限がない場合は、待期満了後の失業の認定を経て支給が始まる流れです。
- 待期期間…離職理由を問わず7日間
- 自己都合(令和7年4月1日以降の退職)…原則1か月の給付制限
- 自己都合(令和7年3月31日以前の退職)…原則2か月の給付制限
- 5年間に2回以上の自己都合退職…3か月の給付制限
- 重責解雇…3か月の給付制限

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2回目の受給前に確認したい受給期間と申請の流れ
2回目の受給で特に意識したいのが、離職日の翌日から原則1年間という受給期間です。
給付制限が長くなる場合ほど、この1年をどう使うかが受け取れる金額に影響します。
ここでは受給期間の考え方と、手続きの流れを確認します。
受給期間は離職日の翌日から原則1年間
基本手当を受給できるのは、離職日の翌日から原則1年間です。
この期間内でのみ所定給付日数分の基本手当を受給できるため、手続きが遅れるとその分だけ受け取れる日数が減る場合があります。
特に、前述の5年間に2回以上の自己都合退職などで給付制限が3か月になる場合は注意が必要です。
待期7日と給付制限3か月を経てから支給が始まると、残る期間で所定給付日数分を受け取り切れない可能性があります。
ポイント
受給期間は手続きの時期にかかわらず離職日の翌日から進みます。離職票が届いたら早めにハローワークで受給資格決定を受けておくことが、所定給付日数を受け取り切るうえで重要です。
離職票・雇用保険被保険者証で加入期間を確認する
手続きの前に、加入期間と離職理由を書類で確認しておくと見込み違いを防ぎやすくなります。
ハローワークや時期によって必要な書類が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
- 離職票(前職の会社から交付される書類)
- 雇用保険被保険者証
- 本人確認ができる書類
離職票では、賃金の支払い状況と会社が記載した離職理由を確認できます。
上記のほかに必要となる書類もあるため、来所前にハローワークの案内で確認しておくことをおすすめします。
ハローワークでの受給資格決定から支給までの流れ
手続きは、住所地を管轄するハローワークでの求職申込みと受給資格決定から始まります。
受給資格が決定されると、そこから7日間の待期期間に入ります。
自己都合退職などで給付制限がある場合は、待期満了後にその期間が続きます。
その後は指定された認定日ごとに失業の認定を受け、認定された日数分が支給される流れです。
- ハローワークで求職申込みと離職票の提出を行う
- 受給資格の決定を受ける
- 7日間の待期期間
- 給付制限がある場合はその期間が経過するのを待つ
- 認定日ごとに失業の認定を受け、基本手当が支給される
受給中の国民健康保険・国民年金の保険料は自己負担になる
退職すると在職時の健康保険や厚生年金から外れるため、受給中の社会保険料は自己負担になる場合があります。
国民健康保険と国民年金に切り替える場合、保険料は自分で納めることになります。
基本手当を受け取っていても、その間の保険料が免除されるわけではありません。
給付制限で支給の開始が遅れる期間も保険料の負担は続くため、退職前に切替先と毎月の負担額を確認しておくと計画を立てやすくなります。


「今もらうか、もらわずに再就職するか」を判断するときの考え方
受給を見送るかどうかは、次の就職までの見通しと、将来の所定給付日数のどちらを重く見るかで判断が変わります。
どちらが有利かは一律に決まるものではなく、退職後の生活費や再就職の時期によって結論が変わります。
ここでは、判断するときに見ておきたい視点を整理します。
受給せずに再就職すれば算定基礎期間を引き継げる可能性がある
前述のとおり、受給資格の決定を受けずに再就職した場合は、前職までの被保険者であった期間が算定基礎期間に残る可能性があります。
算定基礎期間は所定給付日数を決める基礎となる期間のため、引き継げるかどうかは将来受け取れる日数に影響します。
勤続年数が長い人ほど、引き継げなくなったときの差は大きくなりやすいといえます。
ただし、受給できる状況で受給を見送ることが常に有利とは限りません。
再就職までに期間が空きそうな場合は、その間の生活費を賄う手段として受給する判断もあります。
ポイント
判断の分かれ目は「次の就職の時期が見えているか」です。すでに転職先が決まっている、または短期間で決まる見込みが高い場合は算定基礎期間を優先しやすく、再就職の時期が読めない場合は目先の生活費を優先する判断になりやすいといえます。
扶養や年金など受給中の収入で影響を受ける点
受給を選ぶ場合は、受給中の収入の扱いも合わせて確認しておきたいところです。
健康保険の被扶養者になれるかどうかの判定では、基本手当の日額が基準に用いられることが一般的です。
基準となる金額は加入する健康保険組合や協会けんぽによって運用が異なるため、事前の確認が欠かせません。
基本手当を受け取る間は配偶者の扶養に入れず、前述のとおり国民健康保険料や国民年金保険料を自分で負担することになる場合があります。
受け取る金額だけでなく、保険料の負担を差し引いた手取りで比べることが大切です。
再就職手当を受けた場合の算定基礎期間の扱い
見送るかどうかを考えるときは、基本手当だけでなく再就職手当まで含めて判断する必要があります。
再就職手当も基本手当に相当する給付にあたるため、受け取れば算定基礎期間の扱いは同じように変わります。
つまり、早期に再就職して再就職手当を受け取る選択は、当面の受取額と将来の所定給付日数を天秤にかける判断になります。
再就職の時期がすでに見えている場合は、この2つを比べたうえで手続きを進めるかどうかを決めておくと迷いにくくなります。
他の給付との申請順序を先に整理しておく
失業保険以外の給付を検討している場合は、申請の順序によって受け取れる内容が変わる場合があります。
たとえば傷病手当金は働けない状態の人を対象とする給付で、すぐに働ける状態を前提とする基本手当とは性質が異なります。
どちらの制度を先に使うかで、受け取れる期間や金額の見通しが変わることがあります。
離職してから考え始めると選び直しが難しくなるため、退職前に全体像を整理しておくことをおすすめします。
【重要】2回目の退職で知らないと損する退職前の準備
2回目の退職では、退職前のうちに書類と加入状況を確認しておくことが、手続きの成否を分けます。
前回の受給履歴や離職理由の扱いによって、受け取れる給付の内容が変わる場合があるためです。
退職日を決める前に、次の4点を確認しておきたいところです。
- 雇用保険被保険者証で被保険者番号と加入状況を確認する
- 過去に基本手当や再就職手当を受給した時期を思い出せる範囲で整理する
- 離職票がいつ手元に届くかを退職前に勤務先へ確認する
- 離職理由の記載内容と、健康保険・年金の切替先を検討する
退職後に関わる制度は失業保険だけではありません。
療養が必要な状況での傷病手当金や、早期に再就職した場合の再就職手当など、条件を満たせば受け取れる可能性のある給付金が複数あります。
ただし、これらの給付金は申請書類が複数にわたり、記入する内容も制度ごとに異なります。
勤務先や医療機関に記載してもらう書類が必要になることもあり、退職後に一人で揃えるには手間がかかります。
注意
給付金の手続きには申請期限が設けられているものがあり、期限を過ぎると請求できなくなる場合があります。記入内容の誤りや添付書類の不足で手続きが滞ると、受給期間の1年間を消化してしまい、本来受け取れたはずの日数分を受け取れなくなる場合もあります。後戻りができない制度がある点に注意が必要です。
どの制度が対象になるかは、離職理由や加入期間、過去の受給履歴によって一人ひとり異なります。
制度に詳しい専門家に相談して適切なサポートを受けることで、自分が対象になる給付を整理でき、受け取れる給付金を取りこぼさずに済みます。

2回目の受給資格を満たしているか、給付制限が何か月になるかは、加入期間や過去の受給履歴によって変わります。自分の場合に受け取れる可能性のある給付と金額の目安を、LINEの無料診断で確認してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
- 失業保険の2回目は、1回目の受給からどのくらい期間が空いていれば申請できますか?
- 雇用保険には「前回の受給から◯年空ける」といった待機ルールは設けられていません。
判定に使われるのは前回からの経過年数ではなく、今回の離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あるかどうかです。
そのため、再就職してから十分な被保険者期間を積み上げられていれば、前回の受給から間もない時期でも受給資格を取得できる場合があります。
ただし、5年間に2回以上正当な理由なく自己都合で退職して受給資格決定を受けた場合は給付制限期間が3か月になるため、支給が始まる時期には差が出ます。
- 再就職手当を受け取った場合も、加入期間はリセットされますか?
- 再就職手当は基本手当に相当する給付にあたるため、受け取った場合は受給後の被保険者であった期間のみが算定基礎期間となります。
基本手当を所定給付日数まで受け取った場合と同じ扱いになる点に注意が必要です。
一方で、受け取ったことによって次回の受給資格が失われるわけではありません。
早期の再就職で受け取る金額と、将来の所定給付日数への影響を見比べて判断したいところです。
- パート・アルバイトで働いた期間は被保険者期間に数えられますか?
- 雇用保険の被保険者として加入していた期間であれば、雇用形態にかかわらず被保険者期間の判定対象になります。
ただし、数えられるのは離職日から1か月ごとに区切った期間のうち、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月です。
勤務日数や勤務時間が少ない月は、在籍していても1か月として数えられない場合があります。
加入していたかどうかは、雇用保険被保険者証や給与明細の雇用保険料の控除欄から確認できます。
- 転職を繰り返して複数の会社で雇用保険に加入していた場合、加入期間は通算できますか?
- 受給資格の判定では「通算して」12か月以上(特定受給資格者・特定理由離職者は6か月以上)とされているため、複数の勤務先での被保険者期間を合計して判定できます。
同じ会社で連続して働いている必要はありません。
ただし、被保険者であった期間に1年を超える空白がある場合、それより前の期間は算定基礎期間に含まれません。
退職から次の加入までの間隔が長かった時期がある場合は、どこまで通算されるかをハローワークで確認しておくと安心です。
- 失業保険を受給すると、老齢厚生年金や配偶者の扶養に影響はありますか?
- 健康保険の被扶養者になれるかどうかの判定では、基本手当の日額が基準に用いられることが一般的です。
基準額は加入する健康保険組合や協会けんぽによって運用が異なるため、扶養に入れるかどうかは事前の確認が欠かせません。
また、年金との関係についても、受給する制度の組み合わせによって調整が行われる場合があるとされています。
基本手当を受け取る間は国民健康保険料や国民年金保険料を自分で負担することになる場合があるため、手取りで比較して判断したいところです。
まとめ|受給でリセットされるのは所定給付日数の基礎期間で、2回目の受給資格は改めて判定される
最後に今回解説した内容を振り返ります。
- 基本手当等を受給すると、受給前の被保険者であった期間は算定基礎期間に含まれない
- 2回目の受給資格は、離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あるかで判定される
- 特定受給資格者・特定理由離職者は、離職日以前1年間に通算6か月以上で受給資格を取得できる
- 5年間に2回以上の正当な理由のない自己都合退職では、給付制限が3か月になる
失業保険を一度もらうとリセットされるのは、所定給付日数を決める基礎となる算定基礎期間であり、受給資格そのものが失われるわけではありません。
2回目の受給資格は離職のたびに改めて判定されるため、加入期間の要件を満たしているかを離職前に確認しておくことが大切です。
給付制限が3か月になる場合は、離職日の翌日から原則1年間という受給期間の中で受け取り切れない可能性があるため、早めの手続きが欠かせません。
受給せずに再就職した場合は算定基礎期間を引き継げる可能性もあるため、次の就職までの見通しを踏まえて判断したいところです。


