体調を崩して休職を考えたとき、「オンライン診療で受けた診察でも傷病手当金の申請はできるのだろうか」と不安に感じる人は少なくありません。
通院がつらい状態だからこそオンライン診療を選んだのに、医師の証明が認められずに申請できないとすれば、生活の見通しが立たなくなってしまいます。
本記事では、オンライン診療でも傷病手当金を受け取れるのかという結論を、制度上の根拠にさかのぼって解説します。
あわせて、医師の意見書が認められるための条件や、証明が通りにくくなるケース、申請までの具体的な流れも整理しています。
休職や退職を控えて手続きに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

オンライン診療で診てもらった場合でも、傷病手当金って申請できるのかな?

対面じゃないと証明が認められないかも…休職中に収入が途切れたらどうしよう
本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。
- オンライン診療での受診でも傷病手当金を申請できるのかどうかの結論
- 傷病手当金を受け取るために満たす必要がある基本要件
- 医師の意見書が認められるかどうかを分ける判断のポイント
- オンライン診療だと証明が通りにくくなるケースの具体例
- 受診から申請、退職を考える場合までの一連の流れ
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オンライン診療でも傷病手当金は受け取れる?結論と根拠
結論として、オンライン診療であることだけを理由に、傷病手当金の対象外になるわけではありません。
傷病手当金は、業務外の病気やけがの療養のために働けない状態にある人を支えるための健康保険の給付です。
制度が求めているのは「療養のために労務不能であること」であり、その状態を診療した医師が証明することです。
診察を受けた手段が対面かオンラインかという点は、支給の可否を直接決める要素としては規定されていません。
制度上オンライン診療を除外する規定は見当たらない
厚生労働省の通知や指針を確認しても、「オンライン診療に基づく意見書は認められない」と直接定めた記載は見当たりません。
確認できるのは、意見書を作成する医師等について「被保険者を実際に診療している医師等である必要がある」という要件だけです。
この要件には、診療手段を対面に限定する文言は含まれていません。
つまり、オンラインという形態そのものを制度が排除しているわけではない、という消極的な形で整理できます。
重要なのは「実際に診療した医師」が証明していること
意見書には主症状や経過の概要などを記載するため、被保険者の状態を実際に把握している医師でなければ書けません。
オンライン診療であっても、その医師が継続して診察し、経過を把握しているのであれば証明の前提は満たされます。
逆に、診察を一度も行っていない医師に証明だけを依頼することはできません。
なお、企業内の産業医が診療も行っている場合は、その産業医が意見書を作成することも差し支えないとされています。
オンライン診療とはどのような診療形態か
オンライン診療とは、医師と患者の間で情報通信機器を通じて診察・診断を行い、診断結果の伝達や処方といった診療行為をリアルタイムに行うものです。
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、対面診療に代替し得る程度の心身の状態に関する情報を得られる方法で行う必要があるとされています。
そのため、チャットのみによるやり取りは、オンライン診療としては認められていません。
ビデオ通話などで医師が状態を確認し、診療録に経過が残る形であることが前提になります。
ポイント
制度が見ているのは「診療の手段」ではなく「実際に診療した医師が、労務不能の期間を証明できる状態にあるか」です。オンライン診療を選ぶ場合も、同じ医師に継続して診てもらえる体制を整えておくことが申請の土台になります。
ただし、実務の運用は加入している健康保険組合や保険者によって差が生じることがあります。
規定上排除されていないことと、すべての申請が問題なく認められることは別の話です。
受給できるかどうかを確実に見通すためには、申請前に加入先の保険者へ確認しておくほうが安心といえます。

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傷病手当金を受け取るために満たす必要がある要件
傷病手当金は、業務外の病気やけがの療養のため労務に服することができない状態で、待期3日間を経ていることが前提の制度です。
診療手段がオンラインかどうかにかかわらず、この基本要件を満たしていなければ支給の対象にはなりません。
ここでは、押さえておきたい要件と金額・期間の考え方を順に確認します。
業務外の病気・けがの療養であること
対象となるのは、業務外の事由による病気やけがの療養です。
業務中や通勤中のけがは労災保険の対象になるため、傷病手当金の枠組みとは分かれます。
業務外の事由による病気やけがであれば、その原因を問わず療養の対象とされています。
労務不能の状態であること
療養のため労務に服することができない状態であることが要件です。
通院しているだけでは足りず、その療養によって仕事に就けない状態が続いていることが問われます。
この「労務不能」をどう判断するかは支給の可否を大きく左右するため、判断の主体と基準は次のセクションで詳しく整理します。
連続する3日間の待期を経ていること
傷病手当金は、労務に服することができなくなった日から連続する3日間(待期)を経て、4日目以降の労務に服することができなかった期間について支給されます。
最初の3日間は支給対象にならないため、休み始めた日がいつかによって支給開始のタイミングが変わります。
連続していることが条件のため、休んだ日が飛び飛びになっていると待期が完成しない場合があります。
注意
待期の起算日は「労務に服することができなくなった日」です。休み始めた日付があいまいなまま申請すると、支給開始日の判断がずれることがあります。休業の初日は記録して残しておくと確認しやすくなります。
支給される金額と支給期間の考え方
支給額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の、3分の2に相当する金額(日額)です。
給与の全額が補償されるわけではなく、目安としておよそ3分の2の水準になります。
支給期間は、同一の傷病について支給を始めた日から通算して1年6か月に達する日までです。
令和4年1月1日の法改正により、途中で就労するなどして支給されない期間があっても、その期間は通算の対象から除外される扱いになりました。
改正前は支給開始日から暦日数で1年6か月を経過した時点で打ち切りでしたが、現在は最長1年6か月分まで受給できる仕組みです。

医師の証明(意見書)が認められる条件
医師の意見書が認められるかどうかは、実際に診療している医師が、労務不能と認めた期間を具体的に証明しているかで決まります。
前述のとおり診療手段を限定する規定は見当たりませんが、証明の中身に対する要求は対面でもオンラインでも変わりません。
ここでは、意見書をめぐる制度上の条件を整理します。
意見書を書けるのは実際に診療している医師
意見書には、被保険者の主症状や経過の概要等を記載することとされています。
この記載を行う以上、作成できるのは当該被保険者を実際に診療している医師等に限られます。
診察の実態がないまま書類だけを依頼することはできない、という点が制度の前提です。
なお、企業内の産業医が診療も行っている場合には、その産業医が意見書を作成することも差し支えないとされています。
労務不能を判断するのは保険者
労務不能かどうかを判断するのは、医師ではなく保険者です。
医師の証明があれば自動的に支給が決まるわけではありません。
医師の意見書は判断材料のひとつであり、最終的な認定は保険者が行います。
そのため、意見書の内容が薄い場合には、追加の確認を求められることがあります。
本来の業務に堪えうるかという判断基準
労務不能の認定は、必ずしも医学的基準のみによって行われるものではありません。
被保険者が従事する業務の種別を考慮し、その本来の業務に堪えうるか否かを標準として、社会通念に基づき認定されるとされています。
同じ診断名であっても、身体的な負荷が大きい業務と座位中心の業務とでは判断が異なる場合があります。
意見書に業務内容との関係が具体的に書かれているほど、判断の材料が揃いやすくなります。
産業医の就業上の意見が参酌される場合
判断にあたっては、主治医の意見に加えて、産業医が就業上の意見を述べている場合はその内容も参酌されるとされています。
産業医面談を受けている場合は、主治医への情報共有ができているかを確認しておくと、内容の食い違いを避けやすくなります。
主治医が「労務不能」としているのに、就業上の意見が「就業可」となっていると、判断が割れる要因になりかねません。
意見書交付料は証明した期間ごとに算定される
傷病手当金意見書交付料は、医師・歯科医師が労務不能と認め証明した期間ごとに、それぞれ算定できるものとされています。
つまり、申請を1か月ごとなど複数回に分けると、その都度あらためて医師の証明を受けることになります。
休業が長引く場合は、受診と証明を継続的に受けられる体制があるかどうかが実務上の鍵になります。
注意
診察を受けないまま期間だけが過ぎると、その期間について医師が労務不能を証明できなくなる場合があります。申請したい期間を医師の診察実績でカバーできているか、休業中も定期的に確認しておくことが大切です。

オンライン診療だと証明が通りにくくなるケース
オンライン診療そのものが否定されるわけではありませんが、診療の情報量が乏しい場合や、勤務先・保険者の運用が合わない場合には証明が通りにくくなることがあります。
制度上の可否と、実務上スムーズに進むかどうかは別の問題です。
ここでは、つまずきやすい4つのケースを整理します。
初診で対面診療をすすめられる場合
オンライン診療は、対面診療に代替し得る程度の心身の状態に関する情報を得られる方法で行う必要があるとされています。
そのため、医師が画面越しの情報だけでは判断が難しいと考えたときは、対面での受診をすすめられることがあります。
また、初診では麻薬・向精神薬の処方ができず、精神神経用剤や糖尿病用剤など特に安全管理が必要な医薬品の処方も行えないとされています。
8日分以上の処方も初診では行えないため、初回のオンライン診療だけで療養の実態を示すのは難しい場合があります。
初診はオンラインで受け、以降は対面と併用するといった組み立ても選択肢になります。
診察の頻度が少なく経過が記録されていない場合
意見書には主症状や経過の概要を記載するため、その期間の診察記録が判断の土台になります。
受診の間隔が空きすぎていると、労務不能であった期間を医師が証明しづらくなる可能性があります。
特に、申請したい休業期間の途中に一度も診察がないと、その部分の証明が難しくなることがあります。
オンライン診療は自宅から受けられる分、通院の負担は軽くなりますが、その利点を「受診間隔を空けてよい」という意味に受け取らないことが大切です。
勤務先が指定様式や対面での診断書を求める場合
傷病手当金の申請書とは別に、会社が休職の手続きとして独自の様式の診断書を求めることがあります。
その運用の中で、対面での受診を前提としていたり、オンライン診療で発行された書類を受理しない扱いをとる場合があります。
制度上の要件を満たしていても、社内手続きが進まなければ事業主記入欄の記入も滞ります。
休職を申し出る前に、就業規則や人事担当者に必要書類の様式を確認しておくと、二度手間を避けやすくなります。
症状や労務不能の期間が具体的に書かれていない場合
前述のとおり、労務不能の認定は業務の種別を考慮し、本来の業務に堪えうるか否かを標準として行われます。
そのため、症状名だけが書かれ、日常生活や業務への支障が具体的に示されていないと、判断材料が不足することがあります。
オンライン診療では診察時間が短くなりがちなため、伝えたい内容をあらかじめメモにまとめておくと記録に残りやすくなります。
注意
同じオンライン診療でも、加入している健康保険組合や保険者によって求められる資料や確認事項が異なる場合があります。申請してから差し戻されると休業中の資金繰りに影響するため、受診を始める段階で加入先の窓口に確認しておくことをおすすめします。

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オンライン診療で受診してから傷病手当金を申請するまでの流れ
申請までの流れは、受診前の確認から始まり、記録を残しながら期間を区切って申請していくという順序になります。
オンライン診療の場合も、対面と手続きそのものが変わるわけではありません。
ここでは、受診前から審査結果を待つまでを5つのステップで整理します。
①受診前に確認しておきたいこと
最初に確認しておきたいのは、その医療機関が傷病手当金の意見書に対応しているかどうかです。
あわせて、継続して同じ医師の診察を受けられる体制かどうかも確認しておくと安心です。
担当医が毎回変わる仕組みだと、経過を踏まえた証明を受けにくくなる場合があります。
②オンライン診療を受けて療養の記録を残す
受診を始めたら、診察日と症状の経過を自分でも記録しておきます。
前述のとおり支給の対象になるのは待期3日間を経た4日目以降のため、休み始めた日付を正確に控えておくことが後の確認に役立ちます。
処方内容や次回予約の日程もあわせて残しておくと、療養の継続を説明しやすくなります。
③会社に休職と傷病手当金申請の意向を伝える
休職の見込みが立った段階で、勤務先に休職と傷病手当金の申請を希望する旨を伝えます。
申請書には事業主が記入する欄があるため、会社の協力が欠かせません。
前述のとおり社内で別途求められる書類がある場合もあるため、この段階で必要な様式を確認しておきます。
④申請書の記入欄と記入する人
申請書は、記入する人が分かれています。
- 被保険者記入欄:申請する本人が記入する
- 事業主記入欄:勤務先が勤務状況や給与の支払い状況を記入する
- 療養担当者記入欄(意見書):診療した医師が記入する
進め方としては、まず本人の欄を書いて申請する期間を固めます。
次に勤務先へ事業主欄の記入を依頼し、医師には申請したい期間が過ぎてから意見書を依頼する流れが基本です。
意見書は労務不能と認め証明した期間ごとに作成されるため、期間が確定する前に依頼しても書いてもらえません。
休業が長引く場合は、1か月ごとなど期間を区切って繰り返し申請することになります。
⑤保険者へ提出し審査結果を待つ
すべての欄が埋まったら、加入している健康保険組合などの保険者へ提出します。
提出後は保険者が労務不能かどうかを審査するため、記載内容の確認で問い合わせが入ることもあります。
注意
新型コロナウイルス感染症については、医師の意見を求めることが困難な場合等に、意見書がなくても保険者の判断で支給できる取扱いが事務連絡で示されました。ただしこれは新型コロナに限った時限的・限定的な措置で、オンライン診療全般に適用される恒久的なルールではありません。通常は医師の証明が必要になる前提で準備を進めてください。


退職を考えている人がオンライン診療を受ける前に押さえたいこと
退職を視野に入れている場合は、退職日を決める前に受診と申請の準備を進めておくことが重要になります。
在職中にどのような状態であったかが、退職後の受給の可否に関わってくるためです。
ここでは、退職を挟むときに押さえておきたい3点を整理します。
退職後も受給を続けられるかは在職中の状態で決まる
退職後も傷病手当金を継続して受け取るには、在職中の時点で要件を満たし、受給できる状態にあったことが前提になります。
退職してから体調を崩して申請する、という順序では対象にならない場合があります。
そのため、退職を考え始めた段階で受診を始め、労務不能であることが記録に残る形にしておくことが大切です。
退職日を先に決めてしまうと、準備が間に合わなくなることも考えられます。
支給期間は通算1年6か月まで
前述のとおり、支給期間は同一の傷病について支給を始めた日から通算して1年6か月に達する日までです。
ここで退職者にとって重要なのは、在職中に受け取った期間と退職後に受け取る期間が通算して数えられるという点です。
退職したからといって、そこから1年6か月分があらためて始まるわけではありません。
在職中にどれだけ受給したかによって、退職後に残る期間が変わります。
失業保険との関係で注意したいこと
傷病手当金は労務に服することができない状態であることが前提の制度です。
一方で失業保険(基本手当)は、働ける状態にあって求職活動を行う人を対象とする制度です。
前提となる状態が正反対のため、両方を同時に受け取ることは想定されていません。
療養が必要な間は傷病手当金、回復して働ける状態になってから失業保険、という順序で考えるのが基本の整理になります。
ポイント
オンライン診療で継続受診している場合は、退職後も同じ医師の証明を受けられるかを事前に確認しておくと安心です。転居を伴う退職では特に、通院先が変わって経過の説明が途切れやすくなります。失業保険の手続きをいつ行うかも含めて、退職前に見通しを立てておくことをおすすめします。
【重要】体調を崩して退職する前にやらないと損すること
体調を崩して退職を考えているときは、退職日を決める前に療養の記録と加入先の情報を整理しておくことが、あとから手続きを進めるうえで効いてきます。
在職中にしか残せない記録や、在職中にしか確認できない窓口があるためです。
まず、仕事を休み始めた日、受診した日、医師から受けた指示を時系列で書き出しておきます。
あわせて、健康保険証の記号番号や有効期間、加入している保険者の名称と問い合わせ窓口を控えておくと、退職後に確認先が分からなくなる事態を防げます。
ポイント
退職後に受け取れる可能性があるお金は、傷病手当金だけではありません。働ける状態に戻ったあとの失業保険や、早期に再就職できた場合の再就職手当など、条件を満たせば対象になる給付金が複数あります。どれが自分に当てはまるかは、退職理由や退職時点の体調によって変わります。
ただし、これらの給付金は申請書類が複数あり、記入する人も本人・勤務先・医師と分かれています。
申請期限を過ぎてしまったり、記入内容に誤りがあって差し戻されたりすると、そのままでは請求できなくなる場合があります。
退職後は会社に記入を依頼しづらくなることもあり、後戻りしにくい手続きが含まれている点は見落としやすいところです。
制度に詳しい専門家に相談して適切なサポートを受けておけば、自分が対象になる給付金と申請の順番を早い段階で整理できます。
療養しながら書類を一人で読み解くのは負担が大きいため、受け取れる可能性のある給付金を取りこぼさないためにも、早めに全体像を把握しておくことが大切です。

自分の状況で傷病手当金や失業保険の対象になりそうかは、退職理由や体調によって変わります。どの給付金が当てはまりそうか、LINEの無料診断で目安を確認してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
- オンライン診療の初診でも傷病手当金の意見書を書いてもらえますか?
- 初診であっても、実際に診療した医師であれば意見書を作成すること自体は制度上排除されていません。
ただし意見書は労務不能と認め証明した期間ごとに作成されるものとされているため、初回の診察だけでは証明できる期間が限られる場合があります。
また、初診からの麻薬・向精神薬の処方は行えず、精神神経用剤や糖尿病用剤など特に安全管理が必要な医薬品の処方や8日分以上の処方もできないとされています。
療養の継続を示すためには、初診後も同じ医師の診察を受けられる体制を確保しておくことが現実的です。
- 傷病手当金の意見書の作成にはどのくらい費用がかかりますか?
- 傷病手当金意見書交付料は、医師・歯科医師が労務不能と認め証明した期間ごとにそれぞれ算定できるものとされています。
そのため、休業が長引いて申請を1か月ごとなど複数回に分けると、その都度費用が発生することになります。
具体的な自己負担額は保険診療の扱いや医療機関によって異なる場合があるため、受診先で確認しておくと見通しを立てやすくなります。
- 会社にオンライン診療の書類を受け取ってもらえない場合はどうすればよいですか?
- 傷病手当金の申請書には事業主が記入する欄があるため、会社の協力が得られないと手続きが止まってしまいます。
まず、受理されない理由が社内規程上の様式の問題なのか、担当者の運用判断なのかを確認することが出発点になります。
就業規則で求められている書類の様式を確認したうえで、加入している健康保険組合などの保険者にも、事業主欄が整わない場合の取扱いを相談してみる方法があります。
制度上は診療手段を区別する規定が見当たらないため、その点を人事担当者に共有することで整理が進む場合もあります。
- 途中で仕事に復帰して再び休んだ場合、傷病手当金の支給期間はどうなりますか?
- 支給期間は、同一の傷病について支給を始めた日から通算して1年6か月に達する日までとされています。
令和4年1月1日の法改正により、途中で就労するなどして支給されない期間があっても、その期間は通算の対象から除外される扱いになりました。
そのため、復帰していた期間の分だけ受給できる残りの期間が先に延びる形になり、最長で1年6か月分まで受け取れる仕組みです。
ただし復帰と休業を繰り返す場合は待期や労務不能の判断が絡むため、保険者に確認しながら進めるほうが安心です。
- オンライン診療から対面の医療機関に変えた場合、証明は引き継がれますか?
- 意見書を作成できるのは当該被保険者を実際に診療している医師等とされているため、証明はあくまで診察した医師ごとに行われます。
医療機関を変えた場合、新しい主治医が証明できるのは自身が診療した期間が基本となり、それ以前の期間については前の医師に依頼することになる場合があります。
切り替える際は、申請したい期間に空白ができないよう、前の医療機関で証明が必要な期間を先に確認しておくとつまずきにくくなります。
まとめ|オンライン診療でも要件と証明の内容が満たされていれば申請できる
オンライン診療で受診したという理由だけで、傷病手当金が一律に対象外になるわけではありません。
意見書を作成できるのは実際に被保険者を診療している医師等であるとされており、診療手段が対面かオンラインかで区別する規定は確認できません。
最後に今回解説した内容を振り返ります。
- 業務外の病気やけがの療養で労務に服することができない状態であること
- 労務不能となった日から連続する3日間の待期を経ていること
- 実際に診療した医師が、労務不能と認めた期間を証明していること
- 労務不能かどうかを最終的に判断するのは保険者であること
労務不能の認定は、業務の種別を考慮し、本来の業務に堪えうるか否かを標準として社会通念に基づいて行われます。
医師の証明があれば自動的に支給が決まるわけではないため、保険者や勤務先がどのような運用をしているかを、申請前に確認しておくことをおすすめします。


