退職してから転職する場合には一定の貯金額があると安心して転職活動に取り組めます。
気になるのは、転職に必要な貯金額です。
転職前に、生活費の3~6か月分の貯金を確保しておくのが理想的です。
本記事では転職前に必要な貯金額を中心に、転職活動にかかる費用や内訳などを解説していきます。
転職に必要な貯金額は?

転職前に必要な貯金額はいくらぐらいなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、生活費の3~6か月程度あれば十分とされています。
ここからは転職前に必要な貯金額についてご紹介します。
生活費の3〜6ヶ月分あれば安心
退職してから転職活動を始める場合、失業保険を手にするまでの2か月ないし3か月の期間は無給となります。
収入源が一切ない状態が2か月ないし3か月続く中で転職活動を行うには、前もって生活費の3~6か月分を確保しておくのがおすすめです。
また転職活動にはだいたい3か月程度かかるため、最低でも3か月間生活を維持できるだけの貯金があればいいでしょう。
また想定外の出費があってもいいように、生活費の半年分を確保しておくとより安心できます。
早期に転職できれば「再就職手当」がもらえる
失業手当の支給残日数が多く残っている段階で早々に再就職を決めた場合には、再就職手当を受け取ることが可能です。
再就職手当は、支給残日数が所定の給付日数より3分の2以上残っていれば給付率70%、3分の1以上だと60%となります。
例えば、90日の支給日数があった場合、支給残日数が60日以上であれば給付率70%で再就職手当を受け取れる計算です。
早めに決めれば決めるほど、それだけまとまった金額を再就職手当として受け取れるので、失業時点で貯金がない人も安心です。
特に転職先を見つけて間もない段階だと受け取れる給料が少ない可能性もあるため、再就職手当がその穴埋めにもなるでしょう。
転職活動にかかる具体的なお金はいくらで貯金は必要?

そもそも転職活動にかかるお金はいくらぐらいなのか、状況によって異なります。
- 在職中に転職活動するなら貯金は10万円未満でも問題ない
- 遠方に面接に行く場合は10〜30万円は必要になる
ここからはそれぞれのケースにおける費用、貯金の必要性についてご紹介します。
在職中に転職活動するなら貯金は10万円未満でも問題ない
在職中に転職活動をする場合、一定の収入があるため、無理に貯金をしなくても大丈夫です。
おおよそ10万円もあれば納得のいく転職活動は十分できるため、10万円が1つの目安となり、10万円未満でも問題ありません。
一方で資格取得に向けてスクールへの通学を検討する場合にはそれなりの費用がかかるでしょう。
将来的なことを踏まえて仕事をしている段階から10万円以上の貯金をしておき、選択肢を広げておくのが大切です。
遠方に面接に行く場合は10〜30万円は必要になる
転職活動において、遠方に面接に行くケースも十分に考えられます。
この場合は10万円では心もとなくなるため、3倍の30万円を視野に入れておくのがおすすめです。
往復の交通費だけでなく、引っ越しをする際の費用など、最終的に30万円、それ以上の費用がかかる場合があります。
公共交通機関のチョイスや宿泊の有無でも変わりますが、貯金があると余裕のある転職活動につながりやすいでしょう。
最近ではUターンやIターンなど、いわゆる「U・I・Jターン転職」によって都心部から地方部へ転職をするケースがあります。
こうしたケースでは、1回の面接で相当な費用が重なり、複数の場所に面接で訪れる際には、よりお金がかかることも考えられるでしょう。
高速バスの利用など、切り詰められるものは切り詰めるやり方もおすすめですが、ある程度貯金を確保しておくことをおすすめします。
転職活動にかかるお金の内訳

ここからは転職活動にかかるお金の内訳についてご紹介します。
- 交通費
- スーツ代
- 証明写真代・履歴書代など
- 携帯電話、インターネットなどの通信費
転職活動にかかる代表的なお金の内訳を解説します。
交通費
転職活動を活発に行う中で、結構無視できない存在になってくるのが交通費です。
遠方の場合、新幹線などを利用することになり、往復するだけで数万円程度かかる場合があります。
車移動でもガソリン代があるため、それなりの費用がかかるでしょう。
一方で高速バスやLCCの活用などで交通費を切り詰めることも可能です。
また企業によっては交通費を出してくれるところもあるため、費用負担が軽減されるケースもあります。
スーツ代
転職活動をするにあたり、スーツを新調する人も多いのではないでしょうか。
ビジネススーツの場合にはおおよそ数万円程度がかかりますが、高級ブランドであれば10万円やそれを大きく上回る値段になります。
これに加えて靴やカバンなどを一新させるとなると、もっと費用がかかる計算です。
一方で、転職活動のためにすべてを新調することで気合が入るというのも考えられます。
品質のいいものであれば長く使えることから、あえて高いスーツを買って自己投資をするケースもあります。
証明写真代・履歴書代など
他にはいわゆる雑費として、証明写真代や履歴書代などがかかります。
いずれの費用もそこまではかからないと言えますが、より印象良くさせたい場合に証明写真の費用をかけることがあるのです。
その代わり、きれいに仕上がりやすく、様々な企業の履歴書に貼り付けて書類選考の通過率を上げることにもつながるでしょう。
雑費ではありますが、そこそこの費用がかかるので費用の管理は怠らないのがおすすめです。
携帯電話、インターネットなどの通信費
転職活動の際には、携帯電話やインターネットなどの通信費も必要になります。
転職活動では、応募した企業から連絡が頻繁に入るため、連絡を重ねていく中で通信費がかかってくることも考えられます。
近年はLINEでの連絡を行うケースもありますが、基本的には音声通話でのやり取りとなり、電話代がかかりやすくなるでしょう。
また転職をきっかけにパソコンを購入するケースもあります。
最近は格安スマホ業者なども多く存在するので、これらの業者をうまく活用していくことがおすすめです。
仕事を辞めてから転職活動するにはどれくらい貯金が必要?

仕事を辞めてから転職活動をする場合、どれくらいの貯金が必要なのか、詳しくご紹介します。
生活費・転職費用にプラスして住民税・健康保険・年金を支払う必要がある
まず仕事を辞めてから転職活動をする際に想定される支出についてまとめました。
- 生活費
- 税金・社会保険など
- 転職費用
生活費に関しては単身世帯で1か月平均14万円弱とされています。
この生活費に健康保険や年金、住民税などが入り、生活費と加味すれば20万円以上かかることになるでしょう。
これに転職に必要な費用を合算すると、毎月25万円程度は確保しておきたいところです。
必要なお金は生活費の3~6か月分とされ、上記に当てはめれば最低でも40数万円、最高で85万円ほどになります。
税金などを踏まえた形では最低でも75万円ほど、最高で150万円程度です。
失業保険が受け取れる場合には負担度は下がりますが、上記の貯金額があれば、かなり余裕をもって転職活動に取り組めます。
仕事を辞める決断は、上記の支出を想定して貯金を行ってからでも遅くはないと言えるでしょう。

貯金がない時はバイトをするのもあり?

転職に必要な貯金としてある程度の金額が必要であることは明らかですが、さまざまな要因から貯金がないケースも考えられます。
その際にバイトをして貯金をすることはありかどうかですが、結論から言えば、バイトするのはありです。
一方、その期間はフリーターとなるため、フリーターとしての生活に慣れてしまうデメリットも十分に考えられます。あるが、本来の転職活動をメインに生活するのが重要
しかし、少しでも早く転職先を見つけることがこの場合は重要であり、転職活動を進めていくことを重点的に考えて生活を行うことが大切です。
ですので、貯金がない場合には思い切ってバイトを始めるのは有効な手と言えるでしょう。
退職後に転職活動をしたいけど、貯金がない場合の対処法は?

「退職後に転職活動をしたいけれど、現状では貯金がない」という方もいるのではないでしょうか。
ここでおすすめなのが社会保険給付金制度の活用です。
- 退職サポートサービスの利用がおすすめ
- 失業保険などの給付金を早めにもらってじっくり転職活動ができる
ここからはそれぞれの対処法についてご紹介します。
退職サポートサービスの利用がおすすめ
社会保険給付金制度は、雇用保険など社会保険からもらえる可能性があるものをまとめたものです。
これまで支払ってきた保険料などを原資に、退職をきっかけにいくらか戻すことができるため、まとまったお金になる場合があります。
一方で、自分で申請を行わないともらえないほか、正しく申請を行わないともらえません。
手続きが重要なものの、その手続きは1人で行うには煩雑な部分が見られます。
退職サポートサービスを利用すれば、手続き面でのサポートを受けられるのでおすすめです。
退職サポーターズでは社会保険給付金制度をスムーズに利用するためのサービスを展開しています。
失業保険などの給付金を早めにもらってじっくり転職活動ができる
社会保険給付金制度では失業保険などの給付金がもらえるので、貯金がない方でもまとまったお金を手にすることが可能です。
社会保険の加入期間が1年以上あれば社会保険給付金制度を活用でき、まとまったお金を工面することができます。
まとまったお金を早めにもらうことで、転職活動に専念でき、焦ることなく志望度の高い企業を見つけ出せるでしょう。
そのため、素人では手続きが大変な社会保険給付金制度を活用するべく、プロにサポートをしてもらい、スムーズに受け取れるようにするのがおすすめです。

まとめ
今回は転職前に必要な貯金額を中心にご紹介してきましたが、最後に今回ご紹介した内容を振り返ります。
- 転職前に必要な貯金額は、おおよそ生活費の3~6か月分
- 在職中の転職活動であれば10万円未満でも大丈夫だが、遠方に面接に行く場合は30万円程度は必要
- 退職後の転職活動では税金や社会保険などの支払いも視野に入れて貯金をした方がいい
- 退職後の転職活動をスムーズに行うには、社会保険給付金制度の活用がおすすめ
転職活動を行うには3か月程度かかるため、できれば在職中に転職活動を始めるのが費用面での負担は少ないです。
しかし、腰を据えて転職活動を行いたいとなると、退職してからの方がよく、その方が時間を有効に活用できます。
社会保険給付金制度を活用できれば、貯金がない人でもまとまったお金を確保できるので安心です。
妥協をしない形で転職を成功させるためにも、早い段階から貯金を行い、焦って転職活動をしないようにしていきましょう。
