公共職業訓練と求職者支援訓練。名前は似ていますが、制度の仕組みや対象となる人、受けられるサポート内容には明確な違いがあります。
「自分にはどっちが向いているんだろう?」「それぞれどう違うの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、公共職業訓練と求職者支援訓練の大きな違いは対象者です。
公共職業訓練は失業保険をもらっている人が対象で、求職者支援訓練は失業保険をもらえない人が対象です。
今回は、公共職業訓練と求職者支援訓練の内容や違いについて、職業訓練を受けた経験がある私がご紹介していきます。
本記事を読むことで、公共職業訓練と求職者支援訓練についての理解が深まり、受講に向けての準備ができますよ。
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退職サポーターズ編集部
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公共職業訓練と求職者支援訓練の違いとは?どっちが自分に合っているか比較しよう
まずは、公共職業訓練と求職者支援訓練の違いを解説します。
結論から申しますと、公共職業訓練と求職者支援訓練の大きな違いは対象者です。
ほかにも両者には、細かな違いはありますが、まずは対象者の違いを確認しましょう。
公共職業訓練と求職者支援訓練は対象者が違う
公共職業訓練と求職者支援訓練の対象者の違いは以下の通りです。
- 公共職業訓練の対象者:失業保険をもらっている人(向け)
- 求職者支援訓練の対象者:失業保険をもらえない人(向け)
「向け」とついている理由は、対象者以外でも受講できる職業訓練があるからです。
例えば、失業保険をもらいつつ公共職業訓練を受講できたり、失業保険をもらえなくても職者支援訓練を受講できたりします。
どちらの職業訓練も受講できるかは、その人次第ということです。
しかし、主な対象者としては先ほど紹介した通りになっています。
気になる職業訓練があって、自分が対象者がどうか気になる場合は、諦めずにハローワークへ問い合わせてみましょう。

公共職業訓練とは?対象者や特徴、受けられるコース内容を解説
公共職業訓練と求職者支援訓練の違いをより明確にするために、ここでは公共職業訓練について詳しく解説していきます。
解説する内容は以下の通りです。
- 失業保険をもらっている人が対象
- 原則、職業訓練受講給付金はもらえない
- 公共職業訓練は無料で受講可能
- 公共職業訓練にはどんなコースがある?
それぞれの内容を詳しく確認していきましょう。
失業保険をもらっている人が対象
まずは主な対象者ですが、失業保険をもらっている方となります。
コースや、その人の状況によっては、失業保険をもらっていなくても対象となることがあるので、受講できるかどうか気になる場合は、ハローワークへ相談してみてください。
原則、職業訓練受講給付金はもらえない
原則として、公共職業訓練では「職業訓練受講給付金」をもらうことができません。
もらえない理由は、職業訓練受講給付金は求職者支援訓練のための制度だからです。
しかし、ハローワークが支給を認める場合は公共職業訓練でも職業訓練受講給付金を受けるとれる可能性があります。
職業訓練受講給付金をもらえる例としては、求職者支援訓練の対象者だが、求職者支援訓練ではなく、公共職業訓練の方が就職に適した訓練だとハローワークが判断した場合などです。
職業訓練受講給付金をもらえるか気になる場合は、ハローワークへ問い合わせましょう。
公共職業訓練は無料で受講可能
公共職業訓練のメリットととして無料で受講できる点があります。
テキスト代など受講料以外に費用が必要になることもあるので、注意しましょう。
また、有料コースもあるので、無料かどうかをしっかりと確認することをおすすめします。
公共職業訓練にはどんなコースがある?
公共職業訓練では以下のようなコースの受講ができます。
- 電気施工技術科
- 溶接技術科
- CAD/機械加工科
- Webデザインコース
- パソコン・経理資格取得コース
- 自動車整備科
- 理容科
- 美容科
- その他さまざまなコースがある
ほかにもさまざまなコースが開講されていますが、受講時期や都道府県、訓練期間などで開講されているコースが異なります。
どのようなコースが自分の住む地域で開講されているか気になる場合は、ハローワークインターネットサービスから検索してみましょう。
求職者支援訓練とは?対象となる人や給付金制度、受講内容の違いを紹介
ここでは、求職者支援訓練がどのようなものなのかを具体的に解説します。
解説する内容は以下の通りです。
- 原則、失業保険をもらえない人が対象
- 職業訓練受講給付金をもらえる可能性あり
- 求職者支援訓練にはどんなコースがある?
それぞれの内容を詳しく紹介するので、先ほど紹介した公共職業訓練との違いを確認してみましょう。
原則、失業保険をもらえない人が対象
求職者支援訓練の対象者は原則として失業保険をもらえない人です。
離職前に雇用保険に加入していなかった場合は失業保険をもらえません。
しかし、失業保険をもらっている場合でも、求職者支援訓練を受講できる可能性があります。
失業保険をもらえる状況でありながら、求職者支援訓練を受講したいと思っている場合はハローワークへ問い合わせてみましょう。
職業訓練受講給付金をもらえる可能性あり
求職者支援訓練を受講すると、職業訓練受講給付金をもらえる可能性があります。
給付金をもらいながら職業訓練を受けられるとなると、スキルアップをしながらお金をもらえるので気になる方が多いでしょう。
しかし、受講者全員が職業訓練受講給付金をもらえるわけではありません。
職業訓練受講給付金をもらうためには審査をクリアする必要があります。
また、失業保険をもらいながら職業訓練受講給付金をもらうこともできないので注意しましょう。
求職者支援訓練にはどんなコースがある?
求職者支援訓練では以下のようなコースの受講ができます。
- Webデザイナーコース
- 医療事務総合科
- パソコンスキル習得科
- Webエンジニア・プログラミング習得科
- ネイリスト養成科
- キャリアカウンセラー養成科
- その他さまざまなコースがある
中にはオンラインで受講できるコースもあります。
家事や育児など家庭の都合で通学できない場合におすすめです。
ほかにもさまざまなコースが開講されていますが、受講時期や都道府県、訓練期間などで開講されているコースが異なります。
どのようなコースが自分の住む地域で開講されているか気になる場合は、ハローワークインターネットサービスから検索してみましょう。

公共職業訓練と求職者支援訓練はどっちを選ぶべき?選び方のポイントを解説
ここまで公共職業訓練と求職者支援の違いやそれぞれの特徴を解説してきました。
結局どちらを選ぶべき?と思っている方が多いでしょう。
まずは、自分がどちらの対象者かで選んでみてはいかがでしょうか?
- 公共職業訓練の対象者:失業保険をもらっている人(向け)
- 求職者支援訓練の対象者:失業保険をもらえない人(向け)
次に、給付金をもらいたいか、不要かも検討しましょう。
- 公共職業訓練:原則、給付金の支給なし
- 求職者支援訓練:給付金の支給がある(審査あり)
失業保険をもらいながら職業訓練を受けたいかどうかも確認してください。
- 公共職業訓練:失業保険をもらいながら受講可能
- 求職者支援訓練:原則失業保険をもらいながらの受講不可(特例あり)
これら3つの検討材料も重要ですが、結局は受講したいコースがあるかどうかが一番のポイントです。
興味関心のある分野を勉強しないとその後の就職に繋がりにくいことや、そもそも職業訓練に通うことに意味を感じられないでしょう。
どのようなコースがあるのかは、ハローワークインターネットサービスで検索可能です。
気になるコースを確認して、受講できるかどうかをハローワークで相談することをおすすめします。
よくある質問
- 公共職業訓練と求職者支援訓練、自分に合っているのはどっち?
- 公共職業訓練は「失業保険を受給中の人向け」、求職者支援訓練は「受給できない人向け」です。
現在の雇用保険の受給状況や収入の有無によって適切な訓練が異なります。受講条件や給付金の有無も違うため、制度の内容を確認して自分に合った方を選びましょう。
- 求職者支援訓練と職業訓練の違いは?
- 職業訓練は広い意味の総称で、求職者支援訓練はその中の一種です。
公共職業訓練と合わせて「職業訓練」と呼ばれますが、対象者や給付金制度が異なるため、細かな違いを理解しておくことが大切です。
- 共職業訓練と求職者支援訓練の違いは?
- 大きな違いは「対象者」「給付金の有無」「訓練費の扱い」にあります。
公共職業訓練:失業保険受給中の人が対象。訓練費無料。給付金なし。
求職者支援訓練:受給資格がない人向け。給付金支給の可能性あり。
まとめ
今回は公共職業訓練と求職者支援訓練の違いについて解説してきました。
解説した内容をまとめておくので最後におさらいしておきましょう。
- 公共職業訓練と求職者支援訓練は主に対象者の違いがある
- 公共職業訓練は失業保険をもらえる人が主な対象
- 求職者支援訓練は失業保険をもらえない人が主な対象
- 公共職業訓練は失業保険をもらいながら受講できる
- 求職者支援訓練は職業訓練受講給付金をもらえる可能性がある
- どちらを選ぶべきかは、興味のあるコースから選択するべき
職業訓練はうまく利用すれば失業保険や職業訓練受講給付金をもらいながら学習できる便利な制度です。
公共職業訓練と求職者支援訓練のどちらが得ということはなく、その人の状況や受講したいコースがあるかどうかで判断するべきでしょう。
職業訓練を利用して、再就職へ向けて学習をはじめてみてはいかがでしょうか?
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