失業保険を一度もらうと次は何年後にもらえる?デメリットを退職理由別に解説します

失業保険をもらうと実はデメリットがある!もらわない方が得な場合を解説!

仕事を辞めて失業保険をもらおうと思っている

でも失業保険をもらうデメリットってないのか心配

失業保険をもらわない方が得することってある?

退職後の経済的不安を少しでも解消するために、失業保険をもらおうと思う人が多いでしょう。

しかし、失業保険をもらうことで発生するデメリットについてご存じでしょうか?

場合によっては失業保険をもらわない方が得するケースもあるのです。

この記事では、そんな失業保険をもらうデメリットと、もらわない方が得するケースを解説します。

失業保険をもらうデメリットが気になる人は、ぜひ最後までご覧ください。

失業保険を一度もらうと次は何年後にもらえる?

失業保険を一度もらうと、退職理由によって次にもらえる年数が異なります

  • 会社都合退職の場合
  • 自己都合退職の場合

ここからは会社都合退職の場合、自己都合退職の場合それぞれのケースにおいて解説します。

会社都合退職の場合

会社都合退職では、6か月間働き続ければ失業保険を受け取れる資格が得られます

会社都合退職の場合、「退職日以前1年間のうち雇用保険の加入期間が6か月以上」で失業保険が受け取れます。

今から働き始めて半年後、何らかの理由で会社都合退職になってしまった場合、失業保険を受け取ることが可能です。

ちなみに1年以上働いてから会社都合退職となれば給付日数が120日分となるので、半年以上1年未満が90日と考えると1年以上働くことを想定しておくのがおすすめです。

自己都合退職の場合

自己都合退職の場合は、1年間働き続けることで失業保険を受け取ることが可能です。

自己都合退職では「退職日以前2年間で雇用保険の加入期間が1年以上」あれば失業保険の対象となります。

そのため、今から働き始めて1年後に、自ら会社を辞める決断をすれば失業保険を受け取れるでしょう。

失業保険を一度もらうと雇用保険の加入期間がリセットされる

失業保険の面白いところは、失業保険を受け取らなければ条件次第で雇用保険の加入期間がリセットされない点にあります。

雇用保険の加入期間が長ければ長いほど失業保険の給付日数は増えるので、その分、転職先をじっくりと探すことが可能です。

ところが、失業保険を一度もらってしまうと、雇用保険の加入期間がリセットされてしまうのです。

なぜリセットされるのか?

一度受け取るとリセットされる要因は、失業保険制度を維持するためです。

失業保険は雇用保険の加入期間が長ければ長いほど給付日数が増えますが、もしもリセットされなければ、少し働けば長い期間の失業保険が受け取れる形になります。

これでは失業保険の制度は維持しにくいですし、維持するために雇用保険料を大幅に上げなければなりません。

現状の雇用保険料を維持しつつ失業保険の制度を守るには、一旦リセットすることが求められるのです。

失業保険を一度もらっても、もう一度受給条件を満たせばもらえる

失業保険を一度もらったとしても、受給条件さえ満たしてしまえばもう一度もらうことは可能です。

ここからは失業保険の受給条件を振り返りつつ、情報をまとめていきます。

失業保険の受給条件

最初に失業保険の受給条件について改めてご紹介します。

失業保険の受給条件
  • 自己都合退職は退職日以前2年間で雇用保険の加入期間が1年以上
  • 会社都合退職は退職日以前1年間で雇用保険の加入期間が6か月以上
  • 失業状態にある

失業保険の受給条件はあくまでも、雇用保険の加入期間と失業状態にあるかどうかに限られています。

そのため、一度もらったから二度ともらえないわけではなく、再び雇用保険の加入期間の条件を満たし、失業状態にあると認められれば再度失業保険を受け取れます。

失業保険は何回まで受給できる?

失業保険は何回まで受給できるかですが、結論から申し上げますと上限はありません

つまり、失業保険の受給条件を満たせば、5回でも10回でももらうことは可能です。

雇用保険の加入期間が短いため、1回の給付日数は90日と短めですが、自己都合退職の場合、雇用保険の加入期間が10年以上にならないと120日に増えません。

たとえ1年だろうが9年だろうが同じ90日と考えると、失業保険の受給条件を満たすまで働き、職を転々とした方が長く失業保険をもらえると言えるでしょう。

失業保険をもらう4つのデメリット

失業保険をもらう4つのデメリット

失業保険をもらうデメリットは4つあります。

ここでは解説するデメリットは以下の通りです。

  • 雇用保険の加入期間がリセットされてゼロになる
  • 働いていない空白期間が長くなる
  • 自己都合退職の場合もらい始めるまでに約3ヶ月かかる
  • 誤って不正受給してしまうと大きなペナルティがある

それぞれのデメリットを確認していきましょう。

雇用保険の加入期間がリセットされてゼロになる

ひとつ目のデメリットは雇用保険の加入期間がリセットされることです。

雇用保険の加入期間が長ければ長いほど、失業保険でもらえる金額(給付日数)が増えるため、リセットされるとデメリットとなります。

例えば、自己都合退職日場合の、雇用保険の加入期間による給付日数の差は以下通りです。

雇用保険の加入期間1年未満5年以上〜10年未満10年以上〜20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日該当なし
30歳以上〜35歳未満90日120日180日240日
35歳以上〜45歳未満90日150日180日270日
参照:ハローワーク公式

このように、加入期間の長さによって失業保険の給付日数が大きく変わります。

一度失業保険をもらうと、雇用保険の加入期間がリセットされて、ゼロからのスタートです。

金銭的に余裕があり、雇用保険の加入期間が長い場合は失業保険をもらわないという手もあることを覚えておきましょう。

こちらについては後述します。

働いていない空白期間が長くなる

失業保険は最初の振り込みがスタートするまでに意外と時間がかかります

後ほど解説しますが、特に自己都合退職の場合は3ヶ月は時間が必要です。

失業保険をもらい終わってから働き始めようと思うと、空白期間が長くなり就職活動に影響する可能性がある点がデメリットと言えます。

自己都合退職の場合もらい始めるまでに約3ヶ月かかる

自己都合退職の場合は、失業保険の最初の振り込みまで約3ヶ月かかります。

自己都合で退職してから失業保険をもらうまでのスケジュール例
  • ①退職後して10日前後で離職票が届く
  • ②離職票が届き次第、ハローワークで失業保険の手続きをする
  • ③7日間の待機期間を過ごす(この期間に雇用保険説明会への参加)
  • ④2ヶ月間の給付制限を過ごす(この期間に2回の認定日がある)
  • ⑤2回目の認定日から約1週間で最初の振り込みがある

上記のスケジュールで失業保険が振り込まれます。

ここまで10日+ 7日+ 60日+ 7日=84日、つまり約3ヶ月です。

もらい始めるまでに3ヶ月が必要なだけでなく、90日の給付日数の場合、退職してからもらい終わるまでに約6ヶ月かかります。

空白期間が空くだけでなく、労働意欲が失われてしまう人もいるでしょう。

再就職へのスケジュールに計画性を持って失業保険をもらうことをおすすめします。

誤って不正受給してしまうと大きなペナルティがある

失業保険の不正受給は非常に重たいペナルティが課せられます。

悪質な場合は受給した金額にプラスして2倍の金額を支払を命じられてしまうのです。

悪質でなく、単に勘違いしていただけでもペナルティは課せられますので、注意しましょう。

特に注意するべきは、失業保険の受給期間のアルバイトや派遣労働です。

失業保険をもらいながらアルバイトをしたい場合は、以下の記事をご覧ください。

失業保険をもらわない方が得する場合とは?

失業保険をもらわない方が得する場合とは?

ここまで失業保険をもらうことのデメリットを解説しました。

次に、失業保険をもらわない方が得するケースについて紹介します。

雇用保険の加入期間が5年や10年、20年に近い場合

雇用保険の加入期間が5年・10年・20年を目前としている場合はもらわない方が得する可能性があります。

雇用保険の加入期間が5年や10年、20年に達すると失業保険の給付日数が増えるからです。

次の仕事が肌に合わなかったり、職場の人間関係で辞めたくなった時のために、失業保険をもらわず置いておいてもいいでしょう。

一度退職しても、1年以内に再就職すれば雇用保険の加入期間はリセットされず、加算されていきます。

失業保険をもらうか迷った際は、雇用保険の加入期間を確認してみましょう。

また、すぐに再就職しようと思っている場合も、受給せずに雇用保険の加入期間を加算する方が得でしょう。

失業保険を満額もらうために必要な期間を知っておこう

失業保険を満額もらうために必要な期間を知っておこう

失業保険を満額もらうための期間をご存じでしょうか?

失業保険の給付日数が最短であったとしても90日分給付されます。

それに失業保険の手続きや自己都合退職による給付制限などが加わると最短でも約半年は必要です。

失業保険を何がなんでも全額受給しようと思うと非常に長い時間がかかります。

一度働き始めると、半年間という長期休暇を取ることは難しいので貴重な時間となるでしょう。

しかし、先述した通り、空白期間が長くなると再就職に影響することも忘れないようにしておくべきです。

空白期間が気になるなら再就職手当を狙おう

空白期間が気になるなら再就職手当を狙おう

失業保険を全額受け取るまで就職できず、空白期間が気になる場合は再就職手当の受給をおすすめします。

再就職手当は、失業状態にある人が早期に再就職した際にもらえる給付金です。

金額は状況によって異なりますが、失業保険の60%〜70%程度がもらえます。

空白期間を作らずに、まとまった金額を一度にもらえる制度です。

失業保険をもらいたいけど、空白期間が気になる人は、再就職手当をもらいましょう。

再就職手当にも条件や注意点があります。

気になる人は以下の記事を参考にしてください。

まとめ

この記事では失業保険をもらうことのデメリットを解説しました。

失業保険は仕事を辞めた際に生活を支えてくれる大変便利な制度です。

失業状態でもお金をもらえるという大きなメリットがありつつ、多少デメリットがあることを覚えておきましょう。

最後にこの記事の内容をまとめておきます。

  • 失業保険を一度もらうと雇用保険の加入期間がリセットされてゼロになる
  • 失業保険をもらおうと思うと、働いていない空白期間が長くなる
  • 失業保険は自己都合退職の場合もらい始めるまでに約3ヶ月かかる
  • 失業保険は誤って不正受給してしまうと大きなペナルティがある
  • 雇用保険の加入期間が5年・10年・20年直近の場合はもらわない方が得する可能性がある
  • 失業保険を全額もらい終わるまで半年はかかる
  • 空白期間が気になる場合は再就職手当をもらおう

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