失業保険を受け取る際に必ず消化しなければならないのが待機期間です。
待機期間のルールを知らないことで、さまざまな問題が生じることがあるため、事前に知っておく必要があります。
結論から言いますと、7日間何もしないで待機期間を過ごす形が求められます。
本記事では、失業保険の待機期間は何をする期間なのかを中心に、失業保険をスムーズにもらうにはどのように待機期間を過ごせばいいかをまとめました。
失業保険の待機期間とは

失業保険の待機期間は失業保険の手続きをして受給するまでの期間で7日間ですが、会社の辞め方によって異なる場合があります。
- 自己都合退職の待機期間
- 会社都合退職の待機期間
本項目では、上記の内容について解説していきます。
自己都合退職の待機期間
自己都合退職の場合には、待機期間としての7日間とは別に、2ヶ月ないし3か月の給付制限期間が存在します。
7日間の待機期間を過ごした後に、2ヶ月ないし3か月間の給付制限期間を経てようやく失業保険が受け取れる形です。
給付制限期間が2ヶ月となるケースは、5年間で2回の自己都合退職に限られ、3回目以降は3か月に延びます。
それまでは原則3ヶ月だった自己都合退職の給付制限期間でしたが、2か月に短縮されました。
会社都合退職の待機期間
会社都合退職の場合も、待機期間は7日間ですが、給付制限期間は存在しません。
つまり、会社都合退職であれば、7日間の待機期間が過ぎれば、すぐに失業保険の受給が始まることになります。
企業側が自己都合退職で処理しても、ハローワークに資料などを提出することで会社都合退職として処理してもらうことも可能です。
自己都合退職で処理されたとしても、証拠さえあれば問題ありません。
失業保険の待機期間 「7日間」の数え方

失業保険で重要視される待機期間の7日間ですが、いつから数えるのかを気にする方も多いはずです。
本項目では、どのタイミングからカウントが始まるのかなどをまとめました。
起算日はハローワークに申請した日
失業保険における待機期間は、ハローワークに申請を行った日からスタートします。
退職日から待機期間が始まるわけではないので注意が必要です。
ハローワークに失業保険の申請を行ったら、1週間は収入につながることは何もしないで、職探しに備えておくことが求められます。
60歳で定年退職した場合
60歳で定年退職となったケースにおいても、待機期間は7日間となり、再就職の意思さえあれば手続きが進められる形です。
注意したいのは65歳で定年退職となったケースです。
この場合は再就職の意思があったとしても、失業保険は受け取れません。
そもそも失業保険は64歳までが対象なので、65歳の定年を迎えた時点で失業保険の手続きはできないのです。
失業保険の給付制限とは

失業保険の給付制限は、主に自己都合退職の場合に適用されます。
給付制限に関してはここ数年で改正が何度も行われており、原則3ヶ月だった給付制限は2020年に「5年以内に2回までの自己都合退職であれば2ヶ月」と変わりました。
また、2025年4月からは正当な理由のない自己都合の場合、「5年以内に2回までの自己都合退職であれば1か月」となります。
一方、2025年4月からは公共職業訓練などを受けた場合に、自己都合退職であっても給付制限がなしになるルールも設けられました。
懲戒解雇など「重責解雇」と呼ばれる辞め方の場合には、7日間の待機期間プラス3か月の給付制限となります。
失業保険の待機期間に生活できない場合は何をする?

失業保険の待機期間は原則としてアルバイトなどができません。
しかし、どうしても収入を得ないと生活できない場合には、以下のルールを念頭に置くことが大切です。
- 待機期間中のアルバイトは待機期間が伸びる
- 待機期間後のアルバイトは問題ない
本項目では、上記の内容についてまとめました。
待機期間中のアルバイトは待機期間が伸びる
原則として待機期間中は収入を得てはいけないことになっており、待機期間中にアルバイトを行えば、アルバイトを行った日は待期期間とはカウントされません。
例えば、待期期間7日間の中で2日間アルバイトをすれば、2日分カウントされず、本来待期期間が明けるタイミングが2日間延長される形です。
2日間延長されることで、初回失業認定日などさまざまなスケジュールに影響を与える可能性が出てくるため、できれば待機期間中のアルバイトを避けるのがおすすめです。
待機期間後のアルバイトは問題ない
一方で、待期期間が明けてからアルバイトを行う分には特段問題はありません。
注意したいのが、一定時間以上のアルバイトをすると雇用保険の加入条件を満たす形となり、就労扱いになってしまう点です。
せっかく失業保険を受け取れたはずなのに、うっかりアルバイトをし過ぎて失業保険の対象外になってしまいます。
そのため、待期期間後のアルバイトが認められているからといって、がっつり働くのは避けましょう。

待機期間中に何をするべきか

待期期間中は収入を得ない形で活動を行っていくことが大切です。
主にするべきことを2つまとめました。
- ハローワークでの手続きや説明会に参加
- 求職活動を行う
ハローワークでの手続きや説明会に参加
待機期間中は、ハローワークでの手続きや説明会への参加をしましょう。
説明会に参加することで、求職活動実績としてカウントされるため、初回認定日までにもう1回求職活動実績を重ねれば、失業保険を受け取れます。
待機期間中に手続きをできる限り済ませておくのがスマートです。
求職活動を行う
待機期間中には求職活動を行っておくこともおすすめです。
早めに求職活動実績を重ねておけば、余裕をもって初回認定日を迎えられます。
求職活動実績はハローワークでの相談を始め、求人の応募、セミナーへの参加などがあります。
計画的に求職活動を進めるためにも、早め早めの行動がおすすめです。
まとめ
本記事では、失業保険を受け取るのに待機期間中に何をするべきかをまとめてきましたが、今回ご紹介した内容を振り返ります。
- 失業保険の待機期間は原則7日間
- 自己都合退職や会社都合退職で給付制限期間が変わるほか、2025年4月以降は自己都合退職であっても給付制限がなしになるケースも
- 失業保険の待機期間にアルバイトをすれば、アルバイトをした日数分、待期期間が明けるのが延長される
失業保険の待機期間は7日間なので、この7日間で早期の再就職に向けた準備を重ねましょう。
早めに再就職を行うことで、再就職手当が受け取れる可能性も出てくるからです。
給付制限期間を踏まえ、「失業保険を受け取るまでの期間における生活費の確保」を想定して、計画を立てていきましょう。