失業保険がもらえない8つの理由をすべて解説!条件やもらえるタイミングも紹介

失業保険がもらえない8つの理由をすべて解説!条件やもらえるタイミングも紹介

「退職したあとに失業保険をもらえないのはなぜ?」

「失業保険をもらうための条件がわからない…」

「失業保険を申請したら、いつもらえる?」

本記事では上記の疑問や要望などにお応えします。

退職した方の中には、失業保険を必ず受給できるものだと考えている方もいるでしょう。

しかし、失業保険を受給するためには条件を満たす必要があり、場合によっては受給できない可能性もあります。

退職したあとに後悔しないためには、失業保険をもらうための条件について詳しく知っておくのがポイントです。

そこで今回は、失業保険をもらえない理由やもらうための条件などを具体的に解説します。最後まで読めば、失業保険をもらうために必要な条件を理解できます。

失業保険をもらえない8つの原因

失業保険をもらえない8つの原因

失業保険とは誰でももらえるものではなく、もらえない原因は以下の8つがあります。

  • 就職する意思がないまたは、働ける状況でない
  • 雇用保険の加入期間が短い
  • 直近で失業保険や再就職手当を受給している
  • 失業認定日にハローワークへ行っていない
  • 上限を超えてアルバイトや副業をしている
  • 疾病手当金の受給中である
  • 年金の受給中である
  • 65歳以上である

ここから具体的に解説します。

就職する意思がないまたは、働ける状況でない

失業保険をもらえないのは、就職する意思がなかったり、働ける状況に置かれていなかったりするのが原因です。

雇用保険を受給するためには、以下の条件を満たす必要があるためです。

  • 就職したいという積極的な意思
  • 就職できる能力
  • 積極的に求職活動をしていても就職できない状態

以下の状況に該当する方の場合、失業保険を受給できません。

  • 家業に専念することになった方、家事の手伝いをしている方
  • 学業に専念することになった方
  • すでに次の就職先が決まっている方
  • 開業する準備をしている方、開業した方
  • 会社や団体の役員に就任した方
  • 病気やケガ、妊娠、出産などですぐに働けない

病気やケガ、妊娠などで働けない方の場合、失業保険の延長を申請すれば、健康状態がよくなったあとで失業保険を受給できます。

雇用保険の加入期間が短い

失業保険をもらえない原因の1つは、雇用保険の加入期間が短い点です。

失業保険をもらうためには「離職の日以前2年間に、1年以上雇用保険に入っていること」が条件となっているためです。

雇用保険の加入期間について、下記の点を満たすこともポイントになります。

  • 1ヶ月のうち11日以上働いていた期間が1年以上ある
  • 会社都合による離職の場合、離職するまでの1年間、雇用保険に6か月以上加入している

雇用保険を受給するためには、加入期間を満たしているのかチェックしておくのが望ましいです。

直近で失業保険や再就職手当を受給している

雇用保険をもらえない原因として、直近で失業保険や再就職手当を受給している点があげられます。

1度でも失業保険を受給すると、「離職の日以前2年間に、1年以上雇用保険に入っていること」の条件がリセットになるためです。

再就職手当とは、失業保険の満了までの日数が一定数以上ある状態で、再就職した場合に受給できる手当のことです。

直近で失業保険を受給した方が再度受給するためには、再就職したあとで12ヶ月以上雇用保険に加入する必要があります。

失業認定日にハローワークへ行っていない

雇用保険をもらえないのは、失業認定日にハローワークへ行っていないことが原因です。

失業保険を受給するためには、4週間に1度ハローワークでの失業認定を受けることが条件となっているためです。

失業認定とは、失業状態であることを認めてもらう手続きで、病気や採用試験などやむを得ない事情がある場合を除き変更できません。

上限を超えてアルバイトや副業をしている

雇用保険をもらえない原因として、上限を超えたアルバイトや副業があげられます。

失業保険を受給しながらアルバイトや副業はできますが、以下の条件があるためです。

  • 1日の労働時間は4時間未満にする
  • 週の労働時間を20時間未満に抑える
  • 31日以上にわたって雇用されない

条件を満たさないと、働いた日数分の手当が減額となったり、失業保険の停止となったりするケースもあります。

条件を満たす場合でも、アルバイトや副業をするときはハローワークに申告しなくてはいけません。

傷病手当金の受給中である

雇用保険をもらえない原因として、疾病手当金を受給している点があげられます。

疾病などの期間が15日以上にわたり就業できない場合、疾病手当が受給されますが、失業中とはみなされないためです。

疾病手当の支給日数は以下の計算式で求められます。

雇用保険の支給日数ーすでに支給された雇用保険の日数

年金の受給中である

雇用保険をもらえない原因は、年金を受給していることです。

失業保険と65歳まで支給される老齢厚生年金は、同時に受給できない決まりがあるためです。

失業保険を受給すべきか年金を受給すべきか迷う方もいるかも知れませんが、具体的な金額を算出して比較するのが賢明でしょう。

65歳以上である

雇用保険を受給できない原因として、65歳を超えている点があげられます。

65歳以上の方の場合、雇用保険の給付が高年齢求職者給付金に変更になるためです。

高年齢求職者給付金の特徴や対象者は、具体的に以下の通りです。

  • 雇用保険の被保険者が65歳以上で退職し、失業しているときに給付となる
  • 退職後も働く意志がある方
  • 離職した日以前の1年間で、11日以上給料を支払われた月が6か月以上ある方

高年齢求職者給付金の受給期間は離職した日の翌日から1年間です。

65歳以上の失業保険?高年齢求職者給付金受給の受給条件や申請方法を解説 65歳以上の失業保険?高年齢求職者給付金の受給条件や申請方法を解説

失業保険をもらえる条件を確認しよう

失業保険をもらえる条件を確認しよう

失業保険をもらうには、以下の条件を満たすことがポイントです。

  • 働く意思や能力があること
  • 雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あること

ここから具体的に解説します。

働く意思や能力があること

失業保険をもらうには、働く意志や能力があると認められることが必要です。

働く意志や能力に関して、ハローワークでは以下のように定められています。

ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業につくことができない「失業の状態」にあること

出典:ハローワーク

求職活動としてみなされる行動は、具体的に以下の通りです。

  • 求人への応募
  • ハローワークでの職業相談、セミナー、講習の受講
  • 届け出のある民間職業紹介機関や派遣会社での職業相談、セミナー受講など
  • 個別相談可能な企業説明会への参加
  • 再就職に関連する資格試験の受験

働きたい意思があり、働ける環境にある方の場合は、失業保険を受給できる可能性があります。

雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あること

失業保険を受給するには、離職の日以前に、12ヶ月以上にわたり雇用保険に加入していることが条件です。

前述の通り、倒産や解雇など会社都合で退職する方の場合は、6か月以上雇用保険に加入している必要があります。

雇用保険に加入している方の場合でも、3週間以上にわたり仕事を休む月があった場合、加入期間が0になる点は注意が必要です。

雇用保険を受給するには、加入期間のみでなく、有給休暇以外で長期間仕事を休んだ日についてもチェックするのがポイントです。

失業保険はいつもらえる

失業保険はいつもらえる?

失業保険を受給できるタイミングは、以下の通り離職した理由によって異なる点が特徴です。

  • 会社都合退職の場合待期期間後にもらえる
  • 自己都合退職の場合すぐにはもらえない

ここから具体的に解説します。

会社都合退職の場合待期期間後にもらえる

会社都合で退職した方の場合、待期期間を経て雇用保険を受給できます。

待期期間とは、求職の申込みをした日から7日経過するまでの期間のことです。

どのような離職理由であれ、雇用保険の受給までには待期期間を設けられるのが特徴です。

実際に口座に振り込まれるのは、求職申込みから約1か月後になります。

会社都合で退職した方の場合、下記の表のように受給期間が決まっています。

1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

自己都合退職の場合すぐにはもらえない

自己都合で退職した方の場合、会社都合で退職した方のように、雇用保険をすぐには受給できない点が特徴です。

自己都合で退職した方の場合、雇用保険の受給に関する特徴は下記の通りです。

  • 2020年10月1日以降に離職した方の場合、待期期間後に給付制限期間として2ヶ月かかる
  • 2020年10月1日以降に離職した場合でも、過去5年間で2回以上自己都合の退職をした方は3回目以降の給付制限期間が3ヶ月になる
  • 2020年9月30日以前に退職している方の場合、給付制限期間が3か月設けられている

自己都合退職の場合、失業保険の給付期間は下記の表の通りです。

雇用保険加入期間給付期間
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

年齢に関係なく、加入期間に応じて給付期間が決まります。

失業保険の手続きに関して詳しくは、以下の記事をご参照ください。

https://taishoku-supporters.com/shitshugyouhoken/

まとめ

ここまで、失業保険をもらえない原因やもらうための条件などを具体的に解説してきました。

本記事のまとめは下記の通りです。

  • 失業保険とは、会社を退職した人であれば誰でも受給できるものではない
  • 失業保険をもらえない原因として、就職する意思がないことや働ける状況ではないこと、加入期間が短い点などがあげられる
  • 失業保険をもらうためには、働く意志や能力があると認められたうえで、雇用保険の加入期間を満たす必要がある
  • 失業保険を受給できるタイミングは、退職理由によって異なる

失業保険を受給するためには条件を満たす必要があり、退職前にチェックしておくのがポイントになります。

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