再就職手当は、失業手当の給付日数を大幅に残しながらも再就職を果たした人に与えられるボーナス的な意味合いを持つものです。
そのため、早期に再就職のメドが立っている人は積極的な活用が求められます。
一方で、再就職手当はもらわない方がいいという意見もあり、メリットやデメリットを前もって知っておくことも重要です。
本記事では、再就職手当をもらわない方がいい理由やもらう条件などをまとめています。
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再就職手当をもらわないメリット

再就職手当をもらわないメリットはいくつか存在します。
再就職手当は離職時の給与が大きく関係するため、前の会社の給与がいい時に再就職手当をもらう形にすれば、その分、特になります。
あえて次の離職の時に再就職手当をもらうという選択も可能です。
再就職手当をもらわないという判断をとれば、再就職手当の申請をしなくてもいいため、焦ることなくスムーズに就職活動が行えます。
万全の準備が整った時に再就職手当の受給を目指せばいいというのもメリットになり得ます。

再就職手当をもらうメリット

一方で、再就職手当をもらうメリットも当然存在します。
一番のメリットは経済的に安定する点です。
しかも、再就職手当は基本的に非課税であり、新たな職場で給料を得た上で再就職手当を受け取れるのも大きなメリットです。
また、再就職手当という目標があることで、失業期間のブランクを短くできます。
明確な目標を掲げて再就職を目指せるのもメリットの1つと言えます。
再就職手当はもらわない方がいいケース

再就職を早めに決めた人へのご褒美としても機能する再就職手当ですが、「再就職手当はもらわない方がいい」と断言する人もいます。
その理由を以下にまとめました。
- 短期間で再離職を予定している場合
- じっくり転職先を決めたい場合
- 失業保険の給付日数の残りが少ない場合
本項目では、再就職手当は受け取らない方がいいケースについてまとめました。
短期間で再離職を予定している場合
就職後すぐに離職の可能性がある場合、当初から再離職を想定している場合には再就職手当の利用は控えるべきです。
再就職手当の受給条件として、直近3年で再就職手当などを受け取っていないことが挙げられています。
短期間で再度離職した場合、再び活用するには最低でも3年間は待たなければなりません。
また、再就職手当を受け取った場合、その時点で失業保険の日数をすべて消化した状態となるため、短期間で再離職をした場合、失業保険を受け取れなくなります。
再度失業保険を受け取るには、自己都合による退職であれば退職前2年間で1年以上の雇用保険加入歴が必要です。
短期間で離職した場合、新たな資格で失業保険を利用することができないため、経済的な負担が重くのしかかる可能性が高まります。
短期間で再離職の可能性がある場合には安易に再就職手当を受け取らない方が妥当と言えます。
じっくり転職先を決めたい場合
再就職手当を受け取るために焦って再就職を目指しても、結果的に失敗に終わることがあります。
むしろ失業保険の給付日数までに転職先を探して決断した方が、失業保険も最大限受け取れるだけでなく、理想的な転職先を見つけられるのです。
再就職手当を手に入れるには、辞める前からある程度の準備や目星をつけておくことが理想的と言えます。
特に40代や50代で会社を退職し、再就職手当をもらいたいと考えた場合、再就職手当の条件を満たせる再就職先をすぐに見つけられるかわかりません。
だからこそ、退職前に転職エージェントを活用するなど、一定の道筋を見出しておくことが大変重要です。
そのような準備をせずに再就職に動き始める場合には、無理に再就職手当を受け取ろうとするのはやめて、じっくりと探しましょう。
失業保険の給付日数の残りが少ない場合
再就職手当を受け取るには、失業保険の給付日数が一定以上の割合で残されていなければなりません。
少なくとも支給残日数が3分の1以上残っていないと、再就職手当を受け取れる条件を満たさないのです。
ギリギリで受け取れる場合でも、支給残日数を全消化した方がお得なケースも出てきます。
元々再就職手当で受け取れる金額は、失業保険の給付日数を全消化してもらえる金額よりも少なくなりやすいのが実情です。
失業保険の給付日数の残りが少ないケースでは、再就職手当を頼らず、全消化するタイミングで再就職先を決める状態がベストと言えるでしょう。
また無理に再就職先を見つけた結果、待遇が芳しくなく前の会社よりも給料が低くなるケースもあるため、注意が必要です。

再就職手当はもらった方がいいケース

再就職手当をもらわない方がいい場合もありますが、むしろ再就職手当をもらった方がいい場合も存在します。
再就職手当をもらった方がいいケースは以下の通りです。
- 再就職が早期に決まった場合
- 経済的な安心感が欲しい場合
- 失業手当よりも多く受け取れる場合
本項目では、再就職手当をもらった方がいいケースについて、解説します。
再就職が早期に決まった場合
再就職が早々に決まった場合には、再就職手当をもらった方がお得です。
元々再就職手当は早期に再就職をした人に対するご褒美的なものであり、できるだけ速やかに再就職をしてもらうために設けられた制度です。
早く再就職が決まると失業保険の給付日数がそれだけ残ってしまい、損をする印象を受けますが、再就職手当があれば損とはなりません。
再就職手当を受け取ることになれば、再就職先で受け取る給料とセットでもらえるため、ちょっとしたボーナスになります。
理想的な企業を見つけて再就職を果たした場合には、再就職手当をもらうのがおすすめです。
経済的な安心感が欲しい場合
再就職手当はある程度まとまった金額となるため、経済的な安心感が欲しい場合にぴったりです。
再就職手当は申請を行ってからおおむね1か月前後で受け取れるため、働き始めて多少時間を経てから受け取れます。
再就職にあたって引越しなどの諸経費がかかっている場合、再就職手当をアテにして準備を進められます。
また再就職手当を受け取ってすぐに離職した場合でも、再就職手当の返還義務はありません。
雇用保険の被保険者期間が長く、年齢をある程度重ねた方であれば再就職手当も相当な額となります。
経済的な安心感を十分に得た状態でリスタートを切りやすくなるでしょう。
40代や50代の方であれば、家族を養っているケースも多く、固定費をいかに工面するかに頭を悩ませる方もいるはずです。
再就職手当があれば貯金の切り崩しを短期間でとどめられる可能性が高く、その間に固定費の見直しを図っていくことも可能です。
失業手当よりも多く受け取れる場合
失業保険で得られる額よりも多く受け取れそうな場合には、再就職手当の活用がおすすめです。
たとえば、早めに再就職を行えば、再就職先の給料をすぐに受け取れるようになります。
再就職先の給料と再就職手当の合計額が失業保険の総受給額を上回る場合には、再就職手当を受け取った方がお得です。
失業保険の総受給額と「再就職先の給料+再就職手当の合計額」を比較して、どのタイミングで再就職を決めたらどちらが多くなるかを計算しておくのがおすすめです。
再就職手当の受給を決めるポイント

再就職手当をもらうべきか、それとも失業保険の給付日数を全消化すべきかは大きく分けて2つのポイントで決めましょう。
- 自分のキャリアプランを考慮
- 再就職先の雇用条件を確認
本項目では、再就職手当をもらうべきかどうかを決める2つのポイントを解説します。
自分のキャリアプランを考慮
再就職手当を受け取るかどうかを迷った際には、キャリアプランを考慮してみるのがおすすめです。
再就職手当を受け取った場合、少なくとも受け取り後3年間は再就職手当を受給できない仕組みになっています。
すぐに辞める可能性がある場合や再就職先の理想が高い場合、転職を重ねていく中でステップアップを図りたい場合には、無理に再就職手当を受け取る必要はありません。
むしろ失業保険の給付日数を全消化した上で悩みに悩んで再就職先を決めた方が、失業保険を丸々活用できて、理想的な職場を見つけやすくなります。
できるだけ長期的なビジョンを持った状態で再就職先を探すのが大切であり、再就職手当ありきで動くのは避けましょう。
再就職先の雇用条件を確認
再就職先の雇用条件を確認しておくのも大事な要素です。
たとえば、1年単位で契約が終わる可能性がある場合には、せっかく再就職手当を受け取っても1年後に離職を余儀なくされる可能性があります。
反対に前の職場よりも給料がいい場合、再就職先の給料が適用された時に再就職手当を得た方が支給額は増えます。
どのタイミングで再就職手当の権利を行使した方がお得なのかを考えておくのも1つの判断材料となるでしょう。
再就職先の雇用条件などを十分見極めて、できる限りベストな条件で利用していくのがおすすめです。
再就職手当とは?

そもそも再就職手当は、再就職手当の受給要件を満たした人が就職をしたときにもらえる手当です。
何のために再就職手当が存在するのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
本項目では再就職手当とは何かについて、目的や失業保険の違いを解説します。
再就職手当の目的
再就職手当が導入された目的は、失業者がなるべく早く再就職をするよう、促すためです。
そもそも再就職手当は雇用保険の中にある「就職促進給付」の一種です。
就職促進給付は文字通り就職を促進させるためにあるものであり、再就職手当の他には就業促進定着手当や就業手当などがあります。
早めに就職すればするほど、受け取れる手当が増える仕組みになっています。
いわば早期の再就職を果たした人へのお祝い金的なものと言えるでしょう。
再就職手当と失業保険の違い
再就職手当と失業保険の違いは、支給目的の違いにあります。
再就職手当は再就職を促す手当ですが、失業保険は失業中であっても最低限の生活を送れるようにするための手当です。
一方で、受け取るまでの道のりは圧倒的に失業保険の方が簡単で就職の意思さえあれば誰でも受け取れる一方、再就職手当は再就職が大前提のため、受け取れない人も少なくありません。
再就職手当を受け取るための条件

それでも再就職手当はまとまったお金を手にできるチャンスであり、受け取れるものなら受け取りたいと考える人がいてもおかしくありません。
本項目では、再就職手当を受け取るための条件をまとめました。
再就職手当を受給するための条件
再就職手当を受給するためには8つの条件をすべて満たす必要があります。
- 待期期間7日間が過ぎてから就職などを行う
- 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上
- 離職前の企業と全く関係のない企業へ就職する
- 給付制限がある場合、待期期間満了後1カ月以内はハローワークなどの紹介によって就職する
- 雇用期間が1年以上であることが確実
- 雇用保険の被保険者である
- 過去3年以内で再就職手当などを受け取っていない
- 求職申し込み前から採用が内定していない企業へ就職する
再就職手当を受給するための条件についてすべての条件が厳しいわけではなく、支給残日数などに一定のハードルが課せられていると言えます。
ちなみに、1年以内に離職することになっても返金は必要ないとされており、あくまでも雇用された段階で、雇用期間が1年以上であることが確実であれば大丈夫です。
再就職手当が受給対象外となるケース
再就職手当が受給対象外となるケースは、支給残日数が残りわずかであるケースや過去3年の間に再就職手当を受け取ったことがあるケースなどが該当します。
再就職手当の受給条件を1つでもクリアしていないケースは基本的に受給対象外です。
雇用期間に関しても1年に満たない場合は対象外です。
再就職手当の申請方法

ここまで再就職手当に関する内容を解説してきました。
本項目でご紹介するのは、再就職手当の申請方法についてです。
再就職手当の申請にあたって必要な書類などを解説します。
必要書類
再就職手当を申請する際に必要な書類は以下の通りです。
- 再就職手当支給申請書
- 採用証明書
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書
- 勤務実績の証明書類
- マイナンバーカードや免許証などの本人確認書類
- 口座振込依頼書
再就職手当支給申請書はハローワークでもらえる書類で、自ら記入する項目と再就職先に書いてもらう項目などが存在します。
再就職先に対しては再就職手当支給申請書に記入してもらうほか、採用証明書への記入も必要です。
これらの書類を速やかに用意していき、申請を行っていくという流れになります。
申請方法
再就職手当の申請手続きに関しては、以下の流れで行っていきます。
- 再就職先で採用証明書を書いてもらう
- ハローワークに採用証明書を出して、再就職手当支給申請書を受け取る
- 再就職先で再就職手当支給申請書の項目を記入してもらう
- 再就職手当支給申請書や雇用保険受給資格者証などをハローワークに提出する
- 審査ののちに、支給が決定して振り込まれる
実際に手続きが始まり、審査で支給の決定がなされるまで、およそ1か月程度かかると言われています。
また、再就職手当の申請期限は、再就職を果たした日の翌日から1カ月と短めです。
再就職手当がもらえる条件を満たしている場合には速やかな行動が求められます。
再就職手当をもらう場合の注意点

再就職手当をもらうと決めた場合には、再就職手当の申請を行う前に色々な確認が必要です。
- ハローワークに申請後、支給されるまでに1ヵ月以上が必要
- 7日間の待機期間に再就職すると支給対象外になる
- 過去3年以内に再就職手当を受け取っている場合は支給対象外になる
本項目では、再就職手当をもらう場合に注意しておきたいポイントをまとめました。
ハローワークに申請後、支給されるまでに1ヵ月以上が必要
再就職手当が実際に支給されるのは、ハローワークに申請してからおおむね1ヶ月前後、場合によっては2か月程度かかることがあります。
しかも、申請に至るまでには再就職先で採用証明書の記入欄を埋めてもらってからハローワークに申請を行い、所定の要件をクリアしているかを確認する作業なども含まれています。
再就職が決まってから申請に至るまでにも一定の時間がかかり、そこから先に審査に時間を要することも考えられます。
特にハローワークが忙しい時期だと審査に時間がかかりやすく、2か月以上かかることもあり得るでしょう。
もしも再就職手当をアテにしてさまざまな出費などを検討している場合には、再就職が決まってから支給までのタイムラグに注意が必要です。
7日間の待期期間に再就職すると支給対象外になる
再就職手当を受け取るには、7日間の待期期間を満了しておく必要があります。
たとえば、退職前に再就職の目星がついていて、退職後早々に再就職先を決めたとしても再就職手当の対象外となるのです。
せっかく早めに再就職を決めても、待期期間が終わる前であれば1円も受け取れません。
また退職した時点で転職先が決まっているケースも対象外となるため、たとえ目星をつけていたとしても、早すぎる再就職には注意が必要です。
ここで目安となるのが、給付率70%で再就職手当を受け取れるタイミングです。
支給残日数が給付日数の3分の2以上残っていれば給付率70%で受け取れるルールとなっています。
給付日数が90日の場合、待期期間満了後30日以内に再就職をすれば、給付率70%で再就職手当を得られます。
給付率70%で受け取れる日数を頭に入れて動き始めるのがおすすめです。
過去3年以内に再就職手当を受け取っている場合は支給対象外になる
過去3年以内に再就職手当を受け取っている場合には、もう1度再就職手当を受け取ろうとおもっていても、残念ながら支給対象外となってしまいます。
再就職手当の受給条件の中に、「過去3年以内で再就職手当などを受け取っていない」ことが入っているため、直近3年で再就職手当を受け取っていると支給対象外です。
こうした条件は、短期間で何回も再就職手当を受け取ろうとする行為や不正受給を防ぐために存在します。
再就職手当を受け取ったら今後3年間は再就職手当を受け取れないため、慎重に検討しなければなりません。
再就職手当をもらわない方がいい?でよくある質問

再就職手当をもらうべきかどうかを悩んでいる方の多くが想定する疑問や質問が存在します。
本項目では、再就職手当をもらわない方がいいのかを悩む上でよく出てくる質問をまとめました。
- Q:再就職手当をもらうと年金はどうなる?
- Q:再就職手当の受給審査に落ちる理由は?
- Q:再就職手当をもらって退職しても大丈夫?
- 再就職手当をもらうと年金はどうなる?
- 結論から言いますと、再就職手当は雇用保険の制度のため、再就職手当自体が直接年金に影響することはありません。
ただし、65歳未満で老齢厚生年金を受け取っている場合には、年金と失業保険を同時に受け取れない仕組みになっているため、年金が全額支給停止となるケースがあります。
ハローワークに求職の申し込みを行い、失業保険の受給資格が決定した時点で年金は全額支給停止となります。
実際に年金の振り込みが再開されるのは失業保険の給付日数が全消化されてからおおむね3か月程度となることが多いでしょう。
- 再就職手当の受給審査に落ちる理由は?
- 再就職手当の受給審査に落ちる主な理由を以下にまとめました。
・失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満しか残っていない
・7日間の待期期間を満了せずに就職した
・再就職先の企業が、前の会社やその関連会社
・再就職先で1年以上の勤務が見込めない
・雇用保険に加入していない職場への就職
・過去3年以内に再就職手当を受け取っている
・ハローワークに対しての報告や申請手続きが適切でない
・失業保険において不正受給を働いた経験がある
上記の理由がある場合には、審査の末、再就職手当の受給が認められない場合があります。
また審査落ちをしてしまった場合、なぜ審査に落ちてしまったのかという理由は開示されません。
そのため、上記の理由を中心に審査落ちの可能性を検討し、前もってハローワークで相談を行うのがおすすめです。
- 再就職手当をもらって退職しても大丈夫?
- 結論から言いますと、再就職手当をもらって退職しても全く問題ありません。
たとえば、再就職手当を受け取ってから1週間で辞めたとしても返還の義務は生じないのです。
ただ前の会社を退職する時点で再就職先の内定が決まっていた場合など、不正受給の可能性を指摘された場合には、返還を命じられる可能性があります。
その場合は、受け取った再就職手当の3倍以上の返還を余儀なくされる可能性が高いため、再就職手当の不正受給は絶対にやめましょう。
まとめ
今回は再就職手当をもらわない方がいい理由などを解説してきました。
最後に今回ご紹介した内容を振り返っていきます。
- 再就職手当は、再就職手当の受給要件を満たした人が就職をしたときにもらえる手当
- 再就職手当は雇用保険の中にある「就職促進給付」の一種
- 再就職手当をもらわない方が理由は受給条件の厳しさや再就職先に制限があることなど
- 再就職手当をもらうメリット・もらわないメリットがそれぞれあるので慎重な判断が大切
再就職手当は、就職活動を頑張った人に対するご褒美であり、もらうメリットは十分にあります。
一方で、前の会社でもらっていた給与が少ないと再就職手当は少なめになり、新たな会社で多くの給与をもらうことになれば、次の転職時に再就職手当を多く受け取れる可能性が出てきます。
再就職手当を受け取ってから3年間は再度受け取ることができないので、慎重な判断が必要です。