現在勤めている会社を退職したいと考えている方の中には、「自主退職をしたら退職金がもらえないのでは…」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
特に退職金を活用して、第二の人生をスタートさせたい方にとって退職金の有無は重要です。
結論から言いますと、お勤めの会社に退職金制度があり、自己都合退職時でも支払われることが制度化されていれば、退職金を受け取れます。
本記事では、自主退職の場合における退職金に関する話題を中心に、退職金がもらえない時の確認事項や対処法などをまとめました。
著者情報

退職サポーターズ編集部
「退職サポーターズ」では、社会保険給付金の申請を退職のプロと社会保険労務士が支援します。当メディアでは、自己都合退職や会社都合退職にともなう手続きや、失業保険・傷病手当金などの制度について、正確かつ実用的な情報をわかりやすくお届けします。
また退職サポーターズではこれから退職される方に向けて、
失業保険の受給金額が最大200万円になる給付金申請サポートを行っております。
今ならLINE追加するだけで、自分がいくら受給金額がもらえるのか無料診断ができます。
自主退職の場合の退職金

「自主退職の場合、退職金はもらえるの?」と不安に感じている方もいるはずです。
結論から言いますと、お勤めしている会社の退職金制度次第と言えます。
本項目では、自主退職の場合の退職金についてまとめました。
自己都合退職による減額率は会社による
自主退職の場合であっても、退職金制度がある企業で条件を満たしていれば、退職金は支給されます。
しかし、原則として満額支給は定年退職のケースが多く、自己都合退職の場合、退職金が満額で支払われるケースはほとんどありません。
そのため、自己都合退職の場合、いくらか減額されたものを退職金として受け取ることになるのです。
減額率に関しては会社によって異なり、勤続期間が短ければ短いほど減額率は高く、勤続期間が一定年数を超えると大きくは減額されないケースもあります。
減額率の具体的な数値などは、退職の検討を始めた段階でチェックすることがおすすめです。
退職金制度がない会社もある
退職金に関しては、退職金の制度自体がない会社もあります。
法律などで、退職金制度を導入しなければならないという決まりがないため、退職金制度の有無は会社が自由に選べます。
そのため、退職金制度がない場合、従業員がたとえ定年退職をしたとしても、会社側は退職金を支払う義務がありません。
一度退職金制度が導入されると、その後は退職金の支払い義務が生じるため、会社としても導入に向けて入念な準備が必要となります。
入社3年未満の自主退職は退職金がない場合もある
多くの会社では、入社3年未満など勤務期間が短期の従業員に関して、退職金が支払われないケースが目立ちます。
勤務期間何年で退職金の対象にするかもそれぞれの会社が自由に設定できますが、おおむね3年を目安にする企業が多い傾向です。
例えば、入社して間もない若者が第二新卒を活用しようと1年程度で辞めた場合、ほとんどの企業では退職金が支払われません。
少なくとも3年間勤務をし続けていれば、退職金制度が整っている企業だと受け取れる可能性は高いと言えます。

退職金が支払われない場合に確認すること

退職金が支払われない場合には、主に3つの点に着目する必要があります。
- 退職金をもらえる条件を満たしているか
- 退職金の支払時期
- 退職金請求権の時効期間
本項目では、退職金が支払われない場合に確認すべきことを中心にまとめました。
退職金をもらえる条件を満たしているか
まず着目したいのは、退職時に退職金をもらえる条件を満たしているかについてです。
会社が定める「退職金規程」では、以下のルールが定められています。
- 退職金の適用範囲
- 算定方法・計算期間
- 支払い時期・方法
- 不支給の条件
退職金規程に書かれている条件を満たすかどうかをチェックし、満たしていれば退職金を受け取れます。
退職金規程に関しては、会社側に頼めば教えてもらえるため、退職を検討する段階に条件の確認を行いましょう。
退職金の支払時期
退職金の支払い時期に関しても、各会社が定める退職金規程によって異なります。
例えば、退職の日から30日以内に支払うと決めている会社もあれば、3か月以内と定めている会社もあります。
そのため、「他の会社ではすぐに退職金が支払われているのに、自分の会社はなかなか支払われない」というケースが生じるのです。
退職金規程において、いつまでに支払うことになっているのかを確認し、少なくとも定められた日までは支給を待つことになります。
退職金請求権の時効期間
何らかの理由で本来受け取れる退職金を受け取っていなかった場合、退職金の請求が行えます。
退職金規程などがある会社の従業員には退職金請求権が発生するほか、退職金規程がなくても慣行として会社が退職金を支払ってきた場合にも退職金請求権が生じる形です。
退職金請求権には時効があり、退職から5年となっています。
賃金に関する請求権は時効が3年なのに対し、退職金は5年のため、時効の違いに要注意です。
一般的な退職金請求の流れ

退職金はおおむね定年などの「会社都合退職」、「自主退職」、「懲戒解雇」というケースで支払われることがあります。
本項目では、主に3つのケースにおける退職金請求の流れについてまとめました。
会社都合退職の場合
定年・会社都合による解雇・業務を理由とした傷病・死亡などのケースにおいて、会社都合退職による退職金が支払われます。
原則として、会社が定めたルールに沿って会社側が退職金の支払いに向けて準備を進めるため、従業員側から請求に関してアクションを起こす必要はありません。
一方、退職金共済制度を活用しているケースや、本来会社都合退職なのに会社側が自己都合退職として扱ったケースの場合は、退職金請求書の作成や会社都合退職である証拠集めなどが必要になります。
自主退職の場合
自己都合退職の場合、会社側と折り合いをつけて退職するようなケースでは、会社都合退職と変わらない形で退職金の支払いまで段取りが進みます。
一方で、就業規則に沿わない形での自己都合退職など、スムーズな退職ではなかった場合には、会社側が退職金の支払い作業を行わないケースが想定されるでしょう。
その際には、退職金請求権を行使し、退職金の支払いを行うように電話や書面などを通じて求めていくことになります。
懲戒解雇の場合
懲戒解雇に関しては、退職金の不支給に関する事項で、懲戒解雇された人物に支払わないと明記している可能性があります。
明記されている場合には、退職金の支払いはありません。
懲戒解雇の場合でも、懲戒解雇の場合のルールが定められていない場合には受け取れる可能性はあり、懲戒解雇をされたら絶対に退職金がもらえないということはありません。
そのため、就業規則や退職金規程は前もって確認することが大変重要となります。


退職金の種類

退職金には、大きく分けて4つの種類があります。
- 退職一時金制度
- 退職金共済制度
- 確定給付企業年金制度
- 確定拠出年金制度(企業型DC)
本項目では、主な退職金の種類についてまとめました。
退職一時金制度
退職一時金制度は、従業員の退職時にまとめて退職金を支給するシステムです。
退職した時点ですぐ支払われるのが特徴で、従業員にとっても退職所得控除が活用できるので、退職金が丸々課税対象とならないのが魅力とされています。
また企業側にとっても税制面でのメリットがあるなど、労使どちらにとってもプラス面が大きい制度と言えます。
退職金共済制度
退職金共済制度は、さまざまな業種や企業規模に応じて存在する共済組織に掛け金を支払い、退職した際に今まで支払ったものを受け取るという仕組みです。
退職金共済制度は、国からの助成があるだけでなく、掛け金がすべて非課税になる点が魅力です。
一度設定した掛け金を減額できなかったり、一定期間加入しないと元本割れになったりするデメリットはありますが、長く働き続けてきた人にメリットが大きい制度と言えます。
確定給付企業年金制度
確定給付企業年金制度は、従業員が退職してから一定期間退職金を支給し続けるものです。
退職金を年金のように受け取ることができるほか、企業側は外部に運営を委託することもできます。
また従業員にとっても税制面で恩恵が大きいほか、老後に安定した生活を送りたい人におすすめです。
確定拠出年金制度(企業型DC)
確定拠出年金制度は、企業側が積み立ててきた掛け金を、従業員が運用していく仕組みになっています。
企業側は一定のお金を出し、あとは従業員に運用を委ねるというのが特徴的です。
従業員側が金融的な知識を身につける必要こそあるものの、うまく活用できれば普通に退職金を受け取るよりも高額になる可能性があります。
退職金をもらえない場合の対処法

最後に退職金をもらえない場合の対処法について解説します。
会社側に退職金の請求をしてもなかなかもらえない場合、どのような対処法があるのかを解説します。
労働基準監督署へ相談する
退職金規程などがあるにもかかわらず、会社側が退職金の支払いに応じない場合には、労働基準監督署へ相談にいくことがおすすめです。
相談の際には、退職金規程が実際にあることを示す資料を持参し、退職金の未払いに関して違法度合いがどのようなものかを吟味してもらいます。
仮に違法度合いが高い場合には、労働基準監督署の調査や勧告、指導につながります。
弁護士への相談
退職金の未払いがある場合、弁護士に相談を行い、弁護士から会社側に交渉をしてもらう手がおすすめです。
弁護士は退職金などのトラブルに強いほか、交渉能力も高く、当事者同士で交渉するよりもスピーディーに解決することがあります。
万が一裁判になった場合に備えて、証拠集めをどのようにすればいいかなど、さまざまなアドバイスを受けられるのもメリットです。
法的手段
弁護士に交渉してもらっても、会社側は支払いを拒絶する場合には、法的手段に打って出る必要があります。
一般的な訴訟ではなく、労働審判を活用することで早期解決が見込めやすくなるでしょう。
仮に一般的な訴訟となると、請求額に応じて管轄の裁判所が変化するのが特徴で、140万円以下は簡易裁判所、140万円を超えると地方裁判所に分かれます。
まとめ
本記事では、自主退職だと退職金はもらえない?という疑問を中心に解説を行ってきました。
最後に今回紹介した内容をまとめます。
- 退職金がもらえるかは、退職金規程の有無などによる
- 支払われない場合にはもらえる条件を満たしているか、支払い時期がいつまでなのかを確認する
- 辞め方によっては、従業員側が退職金の請求をする必要がある
- 会社側が退職金の支払いに応じない場合、労働基準監督署や弁護士などに相談する
退職金を原資に第二の人生を歩みだす人が多い他、老後資金として退職金をアテにしている人も少なくありません。
だからこそ、お勤めの会社に退職金規程があるかどうかを確かめる必要があります。
どのような時に支払われるのかを前もって確認することで、退職に向けた計画が立てやすくなるでしょう。
また退職サポーターズではこれから退職される方に向けて、
失業保険の受給金額が最大200万円になる給付金申請サポートを行っております。
今ならLINE追加するだけで、自分がいくら受給金額がもらえるのか無料診断ができます。
