動画の目次
- 0:00 はじめに
- 1:41 注意点①
- 3:01 注意点②
- 3:51 注意点③
- 4:45 注意点④
- 5:28 注意点⑤
- 6:17 公式LINE退職サポートが受けられる!?
- 6:52 病気で退職した際の失業保険
- 9:50 まとめ
病気を抱えながら仕事をしていく中で病状が悪化して退職を余儀なくされることがありますが、その場合に気になるのが失業保険です。
病気で退職したらすぐに失業保険をもらいたいものですが、果たして可能なのでしょうか。
結論から申し上げますと、病気で退職したらすぐに失業保険はもらえます。
この記事では病気で退職したらすぐに失業保険をもらえるのかを中心に、実際にもらえる手当の種類や失業保険をもらう手順などを解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
病気で退職したら失業保険はもらえる?自己都合退職でもOK?

病気で退職する場合、速やかに失業保険はもらいたいところですが、実際に失業保険はすぐもらえます。
なぜ失業保険がすぐにもらえるのか、理由は以下の通りです。
正当な理由があれば自己都合退職でももらえる
実は自己都合退職だったとしても、正当な理由があれば速やかに失業保険がもらえます。
本来、自己都合退職では待期期間の7日間、給付制限の2か月間を経て失業保険が給付されるのが一般的です。
しかし、自己都合退職がやむを得ない事情によるものだった場合は、「特定理由離職者」として給付制限の2か月間が免除されます。
特定理由離職者は妊娠や出産、育児、介護など働き続けることが困難になって退職した人を対象とし、病気での退職も該当。
また自己都合退職では離職日以前2年の中で12か月雇用保険に加入することが失業保険を受け取れる条件ですが、特定理由離職者の場合は離職日以前1年の中で6か月間加入していればもらえます。
労働する意思や能力がなければ失業保険はもらえないので注意
一方で、失業保険は失業状態になければ受け取れません。
この場合の失業状態とは、心身ともに健康で働く意思があり、再就職先を積極的に探している状態を指します。
病気を理由に退職した場合、体調が回復してからではないと失業保険を受け取ることはできません。
このため、事前に失業保険の給付期間の延長手続きを行い、完全に健康になってから受け取ることが求められます。
自己都合退職と会社都合退職による失業保険の違い

自己都合で退職した場合と会社都合で退職した場合とでは、失業保険の受給金額や受給期間などが異なります。
会社都合で退職する方が失業保険の受給金額や受給期間は優遇される点が特徴で、よく把握しておくのが望ましいです。
ここから、自己都合退職と会社都合退職の違いについて具体的に解説します。
自己都合退職の場合
自己都合退職とは、以下の通り個人的な理由により会社を退職することをいいます。
自己都合退職の具体例
- 結婚や育児など生活の変化
- ケガや病気、家族の介護などにより働ける状態にない場合
- キャリアアップのための転職や独立開業する場合
- 懲戒処分を受けた場合
- 会社の人間関係や仕事内容に不満があって退職する場合
自己都合による退職の場合、失業保険をもらえるまでには7日間の待期期間のあとで2ヶ月から3ヶ月程待つ必要があります。
雇用保険の加入期間にもよりますが、給付日数は90日から150日と定められているのが特徴です。
会社都合退職の場合
会社都合退職とは、以下の通り会社側の都合によって労働者との雇用契約を解除することをいいます。
会社都合退職の具体例
- 業績不振による倒産・リストラがあった場合
- 不当な給与カットや未払いがあった場合
- 希望退職制度を希望した場合
- 契約期間が更新されず雇い止めになった場合など
会社都合退職の場合、失業保険をもらえるまでには7日間の待期期間のあとで振り込まれるのが特徴です。
自己都合退職に比べて、1ヵ月以上早く振り込んでもらえることから、失業後の生活費を工面しやすいといえます。
雇用保険の加入期間に応じて、失業保険の給付期間も90日から330日と幅広く設けられていることから、より多くの失業保険を受けられる可能性は高いです。
もらえる手当は病気で働けない期間によって変わる

退職後、ハローワークで求職の申し込みをしてから病気になって働けなくなった場合、病気で働けない期間に応じて、もらえる手当が変わります。
- 14日以内の場合は基本手当
- 15日以上の場合は傷病手当
- 30日以上の場合は受給期間の延長
働けない期間を3つに分けて、それぞれご紹介します。
14日以内の場合は基本手当
求職の申し込み後、働けない期間が14日以内の病気などになった場合は基本手当を受け取ります。
この場合の基本手当は本来失業保険として受け取れる基本手当であり、病気になったからといって特別にもらえるわけではありません。
本来の所定給付日数から差し引かれるほか、失業認定日の変更などをしないと、基本手当すら受け取れない可能性もあるので注意が必要です。
15日以上の場合は傷病手当
働けない期間が15日以上30日未満の場合は傷病手当に切り替わります。
ただ、傷病手当の受給期間は所定給付日数を上限としており、別途傷病手当があるわけではありません。
制度の仕組みとしては14日以内のケースと大きく変わらないと言えます。
30日以上の場合は受給期間の延長
働けない期間が30日以上の場合は受給期間の延長となります。
受給期間の延長では基本手当を受け取れませんが、働けない期間の分だけ、受給期間が延長されるため、完全に治ってから基本手当を受け取ることができます。
所定給付日数を先に消化するか、病気が治ってから消化するかの違いと言えるでしょう。
病気の場合は自己都合退職でも特定理由離職者に該当する?

病気によって会社を退職した場合、特定理由離職者として扱われる可能性があります。
特定理由離職者として認められれば、失業保険の条件面を優遇してもらえるのが特徴です。
- 特定理由離職者とは
- 特定受給資格者との違い
- 特定理由離職者のメリット
- 特定理由離職者のデメリット
ここから、上記の点について具体的に 解説します。
特定理由離職者とは
特定理由離職者とは、「働きつづけたい」という本人の意思があるにもかかわらず、やむを得ない事情によって自己都合退職した方のことをいいます。
- 契約期間の定めによって雇い止めとなった派遣社員
- 病気やケガなどを追った方
- 父母の死亡、家族の介護、出産や育児などにより身動きが取れない方
- 家族や親族の事情により同居せざるを得ず、単身赴任できない方
- 通勤が困難になった方
- 会社で人員整理が行われ、早期離職者として希望した方
- 新型コロナウイルスによって離職した方
上記のいずれかの条件に当てはまる方の場合、特定理由離職者として認めてもらえます。
特定受給資格者との違い
特定受給資格者とは、会社側の都合によって求職活動する時間を十分に確保できないまま退職した方のことです。
特定理由離職者と特定受給資格者との違いは退職理由と失業保険の給付日数にあり、具体的に以下の通りです。
特定理由離職者 | 特定受給資格者 | |
---|---|---|
退職理由 | 自己都合によるもの | 会社都合によるもの |
離職票の離職区分 | ・期間満了 ・正当な理由のある自己都合退職 ・特定の正当な理由のある自己都合退職 | ・解雇 ・天災その他やむを得ない理由により事業継続が不可能 ・特定雇い止め ・雇用先からの働きかけ ・雇用先移転 |
給付期間 | 90日から150日 | 90日から330日 |
ただし、一部の特定理由離職者は、90日から330日の給付期間を受けられます。
特定理由離職者のメリット
特定理由離職者のメリットは、以下の通り失業保険の受給条件を優遇してもらえる点です。
- 被保険者期間:1年間に6ヶ月以上雇用保険に加入していればよい。一般離職者の場合、2年間で12か月以上が条件となる。
- 受給期間:条件を満たせば(離職日が2009年3月31日から2022年3月31日で、雇い止めによる退職の場合)最大で330日間受け取れる。一般離職者の場合は最長でも150日である。
- 給付制限期間:待期期間を経て、5営業日を目安に振り込んでもらえる。一般離職者の場合は2ヶ月から3ヶ月程度かかるケースが一般的である。
- 税金の減免:各地方自治体へ申請すれば、健康保険料や住民税の減免を受けられる可能性がある。
特定理由離職者は保護する必要があると見なされることから、失業保険の受給期間や給付制限などさまざまな面でメリットがあります。
特定理由離職者のデメリット
特定理由離職者にはメリットもありますが、一般離職者と比較して申請の手間がかかりやすい点がデメリットです。
不正受給を防止するうえで、特定理由離職者として失業保険をうけるには、労働契約書など証明書の提出が求められるためです。
手続きを済ませるまでは手間に感じるかも知れませんが、それ以上に得られるメリットは大きいといえます。
病気で退職して失業保険をもらう手順

病気で退職してから、失業保険をもらう手順は以下の通りです。
- 退職前に病院で医師による診断を受ける
- 会社で退職の手続きを行う
- ハローワークで失業保険の手続きを行う
- 病院で診断書と病状証明書をもらう
- ハローワークで雇用保険説明会に参加後、病状証明書を提出する
- 失業認定日にハローワークへ行く
それぞれの手順について詳しく解説します。
退職前に病院で医師による診断を受ける
病気で退職を余儀なくされる場合、退職前に医師の診断を受けることになります。
退職前に診断を受けることで、病気を理由とした退職であることを示すことができるからです。
特定理由離職者になれば、雇用保険の加入時期が2年に届くかどうか微妙なタイミングでも十分にクリアできるため、万全を期して診断を受けておきましょう。
会社で退職の手続きを行う
失業保険を活用するために会社で退職手続きを行い、離職票を受け取ります。
離職票は退職のタイミングで受け取れる場合もありますが、退職後に郵送されることも。
離職票なしでは失業保険の手続きができないため、2週間ぐらい経過しても届かない場合は会社に連絡を入れることをおすすめします。
ハローワークで失業保険の手続きを行う
離職票が手に入ったらハローワークで失業保険の手続きを行います。
離職票の他、マイナンバーカードや印鑑、写真、預金通帳もしくはキャッシュカードを持参して給食の申し込みを行う形です。
この時に病気を理由に会社を辞めたことを伝えると、次にすべきことを窓口でも教えてくれるでしょう。
病院で診断書と病状証明書をもらう
特定理由離職者になるためには診断書や病状証明書が必要です。
病状証明書では、退職した時点では就労ができないことや退職した後に就労できる見込みであることなどを記載した上で提出します。
これらの書類を書いてもらい、あとはハローワークでの手続きとなります。
ハローワークで雇用保険説明会に参加後、病状証明書を提出する
失業保険を利用する際、雇用保険受給説明会に参加しないと受給資格が得られないため、雇用保険受給説明会に参加します。
参加の際に病状説明書などを提出し、特定理由離職者としての認定を受けます。
ここで認定を受ければ、1回目の失業認定日から数日後に基本手当が給付され、口座に振り込まれることになるでしょう。
失業認定日にハローワークへ行く
1回目の失業認定日は受給資格決定のタイミングからおよそ4週間ほど経ってからになります。
あとは定期的に失業認定日に足を運べば、失業保険が受け取れることに。
本来は2か月の給付制限がある中、特定理由離職者になれば給付制限がなくなり、早めに受け取れます。
失業保険の手続きで必要な書類について

失業保険の手続きを進めるには、ハローワークへ書類を提出するのがポイントです。
失業保険の手続きをするのに必要な書類とは、具体的に以下の通りです。
- 離職票−1
- 離職票−2
- 本人名義の預金通帳かキャッシュカード
- 証明写真2枚
- 個人番号を確認できる書類(マイナンバーカード・通知カード・個人番号の載っている住民票のコピーのいずれか)
- 身元を確認できる書類(マイナンバーカード・運転免許証・パスポート・運転経歴証明書・障害者手帳・在留カードのいずれか)
失業保険の手続きをするとき、マイナンバーカードを所持していると必要書類を簡素化できて便利です。
失業保険と病気に関するよくある質問

失業保険と病気に関しては、よく出てくる質問があります。
- 失業保険は病気でももらえる?
- 傷病手当は会社を辞めてももらえる?
最後によくある質問についてご紹介します。
失業保険は病気でももらえる?
1つ目は、失業保険は病気でももらえるかどうかという質問です。
失業保険は基本的には失業状態、つまり、心身ともに健康で働ける状態にある場合に給付されるため、病気の状態ではもらえません。
病気が長引く場合は、30日未満であれば傷病手当、30日以上になりそうならば受給期間の延長が必要です。
傷病手当は会社を辞めてももらえる?
2つ目の質問は傷病手当は会社を辞めてももらえるかという質問です。
傷病手当は求職の申しこみを行ってから病気などになって就労できない状態になった際に支給されるため、会社を辞めてからもらえます。
一方で名称が近い「傷病手当金」の場合も退職後に初めて申請をしても受け取ることは可能です。
ただし、過去2年分しか受け取れないため、1日でも早く申請を行うことをおすすめします。
傷病手当と傷病手当金は1文字あるかないかの違いですが、傷病手当は雇用保険、傷病手当金は社会保険とそれぞれ異なる保険制度が活用されています。
まとめ
今回は、病気で退職した場合、失業保険はもらえるかについてご紹介しました。
最後に今回まとめた情報を振り返ります。
- 自己都合退職だったとしても、正当な理由があれば速やかに失業保険がもらえる
- 特定理由離職者になれば給付制限の2か月が免除される
- 求職の申し込み後、働けない期間に応じて、もらえる手当が変わる
- 失業保険をすぐもらうには退職前に医師の診断を受けるなどの段階を踏んでいく
今は健康でも、何かしらのタイミングで体調を崩すことは十分に考えられますし、仕事を休める状況になく、だましだまし仕事を続けてきて身体を壊してしまう方もいます。
一旦体を休めてから新しい仕事に就きたい場合に、特定理由離職者として給付制限がない形で失業保険が利用できるのはとても魅力的な制度です。
診断書などやるべきこともありますが、特定理由離職者になるためのハードルは病気を抱えている方にとってはそこまで高いものではありません。
生活のことを気にせず、体調を気にしながらも新たな職場を見つけていくためにも、失業保険をうまく活用していきましょう。