休職したまま退職できる?退職理由の伝え方やもらえるお金について解説

休職したまま退職できる?退職理由の伝え方やもらえるお金について解説

「休職したまま退職すると問題になる?」

休職したまま退職する方法がわからない…

会社に言いにくい…

上記のような疑問や不安の他にも、「休職したまま退職する場合、どんな退職理由があるの?」とストレスに感じている方もいるはずです。

また、「休職か退職か、どちらを選べばいいの!」と体調不良の中で決断を迫られて、パニックに近い状況になっている方もいるのではないでしょうか。

結論から言いますと、休職した状態から退職を行うことは可能であり、もし休職か退職かを迷っていたら、まずは休職を選びましょう。

そこで今回は、休職した状態で退職できるのかを中心に、長年退職サポートを行い、年間何千人もの利用者をアシストしてきた私が、退職方法や金銭面などを詳しく解説します。

これを知れば、休職すべきか退職すべきか、どのような決断をすればいいかがわかりますよ。

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休職するか退職するか悩んでいるなら休職しよう

休職するか退職するか悩んでいるなら休職しよう

状況にもよりますが、休職するか退職するか悩んでいる方の場合は休職することが望ましいです。

休職するか退職するかで悩んでいる方の中には、体調を崩している方もいるでしょう。

休職する場合、比較的に経済的な心配をすることなく療養に専念しやすくなります。

会社によっては給料を受給できたり休職期間に定めがなかったりするケースもあるためです。

特に体調を崩している方の場合、冷静な判断をしにくい状態にあるといえます。

退職するなどの重要な決定事項に関しては、体調を回復させたあとで慎重に判断することが望ましいです。

休職とは、自分の都合により長期間仕事を休むことで、具体的には以下に当てはまる方が対象です。

休職の主な理由
  • 病気・ケガ
  • ボランティア
  • 青年海外協力隊への参加
  • 留学など

注意点として、休職期間でも納税の義務が発生する点です。

  • 厚生年金保険料
  • 健康保険料
  • 住民税など

上記の税金に関して、従来どおり支払い続ける必要があります。

後述するように、休職するときは疾病手当金の受給などにより、少しでも経済的な負荷を軽減させましょう。

休職のまま退職しても問題ない

休職のまま退職しても問題ない

必要な手続きをすれば、休職のまま退職しても問題にはなりません。

休職のまま退職しても問題ない理由として、具体的に以下の2点があげられます。

休職したまま退職できる理由
  • 休職後には必ず復職しなくてはいけない」という法律はない
  • 休職中は会社から給料を受給しないケースが多い

「休職した場合、いつかは会社に復帰しないといけないのでは」と考えている方もいるかも知れませんが、気にする必要はありません。

平成25年に独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が実施した調査でも、過去3年間で休職した方が復帰した割合は、約52%だと判明しています。

休職したまま退職する方法

休職したまま退職する方法

休職したまま退職する場合、具体的には以下の4つの方法があります。

  • 退職を希望していると上司に伝える
  • 必要な書類を郵送する
  • 会社へ返却するものを郵送する
  • 必要な書類を会社から受け取る

ここから具体的に解説します。

退職を希望していると上司に伝える

休職したまま退職するときは、まず上司に退職する旨を伝えることがポイントです。

本来であれば、直接会って伝えることが望ましいですが、体調などによっては難しいケースもあるでしょう。

後述するように、電話やメールを利用するのも1つの方法です。

どのような手段であれ、退職を決意した場合はなるべく早く上司に伝えましょう。

人員配置など、会社側は対応をする必要があるためです。

必要な書類を郵送する

休職したまま退職するときは、退職するために必要な書類を郵送しましょう。

休職したまま退職するときに必要な書類は、通常通り退職するときと同じで「退職届」です。

退職届を送るときのポイントは以下の通りです。

退職届を送るときのポイント
  • A4かB5サイズで無地の用紙を使う
  • 黒のボールペンか万年筆で書く
  • 退職理由については「一身上の都合で」でよい
  • 退職届を入れる封筒は白のものを使う
  • 封筒の表面に退職届、裏面に「所属部署と氏名」を明記する
  • トラブルを防ぐために、手渡しで渡される簡易書留や一般書留で送る

退職届を送付したあとは、会社に連絡をいれておくのもポイントです。

会社へ返却するものを郵送する

休職したまま退職するときは、会社に返却する必要があるものを郵送しましょう。

会社へ郵送するものは、具体的に下記の通りです。

会社への返却物
  • 保険証
  • 名刺:自分のものと取引先のもの
  • 文具
  • 制服
  • 印鑑
  • 社員証
  • PC
  • 書類など

もし1つでも返却するのを忘れたものがある場合、会社から確認の連絡が入るケースもあります。

なるべくスムーズに退職するためには、会社に返却すべきものを一式まとめて郵送するのがポイントです。

必要な書類を会社から受け取る

休職したまま退職するときは、必要な書類を会社から受け取りましょう。

退職するときに会社から受け取る書類は以下の4点です。

離職票ハローワークで失業保険給付の手続きをするときに必要転職先が決まっている場合は不要
雇用保険被保険者証入社したときに交付されている転職先に提出する必要がある書類もし紛失した場合、ハローワークで再発行が可能
年金手帳転職先に提出する必要がある紛失した場合、年金事務所で対応してもらう
源泉徴収票所得税の年末調整で必要になる転職先が決まっている場合、会社に提出する転職先が決まっていない場合、確定申告するときに必要

転職先が決まっている方の場合、必要ではない書類も一部あります。

転職先が決まっていない方にとっては、いずれも重要な書類で、自宅に保管しておくことが重要です。

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休職したまま退職する場合の伝え方

休職したまま退職する場合の伝え方

休職したまま退職する場合、職場に伝えるときのポイントは以下の点です。

  • 正当な理由での退職希望であることを伝える
  • 電話・メールでもOK
  • 医師からの診断書があれば提示する

ここから具体的に解説します。

正当な理由での退職希望であることを伝える

休職したまま退職するときは、正当な理由で退職することを伝え、上司に納得してもらいましょう。

正当な理由とは具体的に以下の通りです。

退職する正当な理由
  • 体調不良で症状が治らない
  • 回復に時間がかかっているなど

後述するように、病気が原因で休職している方の場合、診断書を提出するのも1つの方法です。

もし直属の上司に退職の意思を伝えにくい場合は、人事権を持つ経営者に伝えてもよいとされています。

少しでも伝えやすい方法を選ぶのがポイントです。

電話・メールでもOK

休職したまま退職する場合、電話やメールでも退職の連絡ができます。

休職している方の中には体調不良の方も多く、会社側に事情を理解してもらいやすいためです。

メールは比較的送りやすい反面、送信したことに気づいてもらえないリスクがあります。

会社に連絡するときは電話のほうが望ましいですが、もしメールを利用する場合、以下の点に注意が必要です。

  • 休業し会社に迷惑を掛けたことを詫びる気持ち
  • 医師などから退職をすすめられていること
  • 今までお世話になったお礼

もし、職場がよい環境ではなかったとしても、お詫びの気持ちと感謝の気持ちを書くことは、社会人のマナーだといえます。

医師からの診断書があれば提示する

休職したまま退職する場合、医師からの診断書があれば提出しましょう。

診断書の提出は必須になりませんが、公的な書類で、退職を理解してもらいやすくなるためです。

診断書とは、患者の症状や治療などについて医師のみが記載できる書類のことです。

診断書を提出することで、発症した時期や現在の症状などを具体的に伝えられます。

診断書の作成には2,000円から1万円かかりますが、必要だと判断した場合は医師に依頼するのも1つの方法です。

休職のまま退職してももらえるお金について

休職のまま退職してももらえるお金について

休職したまま退職するときには、会社や国からお金を受給できる可能性があります。

うまく活用すれば、生活の足しにできるでしょう。

  • 退職金
  • 疾病手当金
  • 失業保険

上記の3点について、ここから具体的に解説します。

退職金

休職したまま退職するときは、退職金をもらえる可能性があります。

退職金とは会社が独自に運営する制度のことで、国から強制されているわけではありません。

会社により、退職金制度の有無や受給条件などは異なるのが一般的です。

退職金制度を導入している会社の場合、勤続年数に応じて退職金を多く受給できる傾向にあります。

平成30年に厚生労働省が実施した就労条件総合調査によると、退職金制度を導入している会社の割合は80.5%だと判明しています。

退職金を受給できるのか気になる方は、会社に問い合わせることが望ましいです。

傷病手当金

休職したまま退職するときに受給できる可能性があるのは、疾病手当金です。

疾病手当金を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。

疾病手当金を受給する条件
  • 社会保険へ加入している
  • 連続で4日以上仕事を休んでいる
  • 怪我や病気で働けない
  • 給料が支払われていない

条件を満たす方の場合、給料の3分の2を支給してもらえる点が特徴です。

もし休職中に給料をもらっている方で、疾病手当金よりも金額が少ない場合は、差額を支給してもらえます。

退職して保険に入っていない場合でも、以下の条件を満たせば疾病手当金は受給可能です。

疾病手当金を受給するための条件
  • 資格が喪失する日の前日まで1年以上保険者であった方
  • 資格を喪失した際に疾病手当が受けられる状態であった、もしくは受けていた方

ただし、以下に該当する方は疾病手当金を受給できません。

  • 出産手当金や労災保険の賠償金などをもらっている方
  • 失業保険を受給している方

疾病手当金をもらえる期間は1年6ヶ月間と定められています。

退職前と退職後のどちらの場合でも、条件さえ満たせば受給可能です。

失業保険

休職したまま退職するときに受給できる可能性があるのは、失業保険です。

失業保険とは、会社を退職した方の生活をサポートし、少しでも早く再就職できるように支援する制度のことです。

失業保険を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。

失業保険を受給するための条件
  • 退職する日までの2年間で、雇用保険に12か月以上加入している
  • 退職する日までの2年間のうち、1ヶ月に11日以上出勤した日数が連続で1年以上ある
  • 再就職する意思があり、ハローワークなどで求職活動をしても就職先が決まらない
  • いつでも働ける健康状態や環境にある

失業保険を受給できない方は、具体的に以下の通りです。

  • 病気やケガ、妊娠・出産などが原因ですぐに働けない方
  • 求職活動をせずに、ゆっくりと自分の時間を過ごそうしている方
  • 家事や資格の勉強、開業のための準備などに専念しようとしている方

休職中に退職する方の場合は、自己都合による退職と見なされ、手続きを済ませてから入金されるまでに2か月から3か月程度かかります。

被保険者であった期間に応じて、以下の通り給付される期間は異なります。

被保険者期間1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
全年齢90日90日120日150日

休職したまま退職に関するよくある質問

休職したまま退職に関するよくある質問

休職したまま退職するときによくある質問をまとめました。

ここから具体的に解説します。

休職したまま退職する際に有給は使える?

基本的に使えません。

有給休暇とは「労働義務がある日を対象に、その労働を免除する制度」で、休職中は働いていないためです。

ただし、会社にもよりますが、以下のように対応してもらえるケースもあります。

休職中に有給を消化する方法
  • 休職期間を終え、形式上の復職とすることで退職日までに有給を消化させてもらう
  • 好意により、有給を買い取ってもらう

会社とよい関係を築いておけば、優遇してもらえる可能性は高くなるでしょう。

休職したまま退職したら荷物はどうする?

基本的には、自分で取りに行きます

「誰もいない時間帯に取りに行きたい」と考える方もいるかも知れませんが、社外の人間として扱われることから難しいです。

朝イチや夜遅くなど、同僚が少ない時間帯を狙うのが1つの方法です。

休職したまま退職するのはずるい?

ずるくありません。

休職中は基本的に、会社から給料をもらっていないためです。

実際に、休職したまま退職するケースも多くあり、会社に対して適切な対応をすれば問題にはなりません。

まとめ

ここまで、休職したまま退職する方法や伝え方、受給できるお金などを解説してきました。

本記事のまとめは下記の通りです。

本記事のまとめ
  • 休職するか退職するかで悩んでいる場合、状況にもよるが、休職を選ぶ方が望ましい
  • 必要な手続きをすれば、休職したまま退職しても問題にはならない
  • 休職したまま退職するには、会社に対しての連絡や書類の郵送などが必要になる
  • 休職したまま退職する場合の伝え方として、電話やメールを利用したり、正当な理由であることを説明したりする方法があげられる
  • 休職したまま退職する場合、退職金や疾病手当金、失業保険を受給できる可能性がある

休職したまま退職しても問題にはならないことから、まずは休職を選択し、今後のことをしっかり考えるのも1つの方法です。

本記事を参考に、休職するか退職するかで悩んでいる方が決断するための後押しとなれば幸いです。