失業保険と年金は同時にもらえる?両方満額受給する方法を解説!

社会保障の文字と、国会の前に集まる人々

失業保険と年金を同時にもらうことってできる?

退職した後の生活資金が心配…

失業保険と年金を満額もらえる方法が知りたい。

本記事では上記の疑問や要望などにお応えします。

これから退職を迎える方にとっては、失業保険や年金を同時にもらえるのかが気になるところでしょう。

結論からお伝えすると、失業保険と年金は同時に受給できます

ただし、条件によっては不利になる可能性もあり、よく検討することがポイントです。

そこで今回は、失業保険と年金を同時受給するときの年齢による違いや、満額受給する方法を解説します。

最後まで読めば、失業保険と年金は同時に受給できることが理解できます。

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失業保険とは?

疑問に感じている女性ビジネスウーマン

失業保険とは、会社を退職した人の生活面をサポートし、一日でも早く再就職できるように支援することを目的とする制度のことです。

特定の条件を満たす必要はありますが、生活していくための費用を賄える点が特徴です。

失業保険の正式名称は「雇用保険」で、手当に関しては基本手当や失業保険、失業手当などといわれています。

年金と関係する3つの失業手当について

年金と関係する失業手当の種類は以下の3つがあげられます。

  • 基本手当
  • 高年齢求職者給付金
  • 高年齢雇用継続給付

ここから具体的に解説します。

基本手当

基本手当とは退職者が再就職するまでの生活をサポートするもので、以下の条件を満たす必要があります。

基本手当を受給する条件
  • ハローワークで求職活動を申し込み、実際に活動をしていること
  • 退職する直前に、雇用保険に一定期間加入していること(自己都合:2年間に12か月以上、会社都合:1年間に6か月以上)
  • 再就職しようという思いがあり、すぐにでも働ける環境下にいること

自己都合退職か会社都合退職かにより、給付されるまでの期間や支給日数が異なります。

退職理由自己都合退職会社都合退職
給付開始となる日申込から、7日と2か月から3か月後申込から7日後
給付日数90日から150日90日から330日

会社都合退職者の方に対して有利になっているのが基本手当の特徴です。

65歳以上は高年齢求職者給付金

高年齢求職者給付金とは、基本手当と同じ意味合いを持つもので、65歳以上の方が対象です。

失業保険の場合は、毎月支給される点が特徴ですが、高年齢者求職者給付金の場合は一括で受給できる点が特徴になります。

しかし、下記の表の通り、総支給額で見ると失業保険の方が多く受給できることから、受給するのかを慎重に検討することが望ましいです。

被保険者期間給付金額
1年以上基本手当日額の50日相当分
1年未満基本手当日額の30日相当分

基本手当を受給するために、65歳までに退職するのも1つの方法です。

65歳以上の失業保険?高年齢求職者給付金受給の受給条件や申請方法を解説 65歳以上の失業保険?高年齢求職者給付金受給の受給条件や申請方法を解説

60〜64歳は高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付とは、60歳から65歳で雇用保険の加入期間が5年以上ある方のうち、60歳以前6ヵ月の給料と比較し、75%未満になった方が対象の給付金です。

賃金の15%を上限に、失業保険から給付される点が特徴です。

高年齢雇用継続給付には、以下の2つの給付金があります。

高年齢雇用継続給付の種類
  • 高年齢雇用継続基本給付金:基本手当を受給していない方で、60歳の時点に比べ60歳以降の賃金額が75%未満の方が受給できる
  • 高年齢再就職給付金:基本手当を受給後、再就職した場合に受給できる

65歳まで働き続けることをサポートすることが目的の給付金制度です。

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失業保険と年金は同時にもらえる?

真っ直ぐ道を進んで良いのか疑問に思っている男性

失業保険と年金を同時に受給することは可能ですが、下記の通り条件によります。

  • 65歳以上の場合は同時にもらえる
  • 60〜64歳の場合は同時にもらえるが減額される

ここから具体的に解説します。

65歳以上の場合は同時にもらえる

65歳以上の方の場合、失業保険と年金を同時に受給することは可能です。

65歳以上の退職者の方を対象とするものが、高年齢求職者給付金であるためです。

65歳以上の方の場合は失業保険と年金を同時に受給できますが、失業保険の受給金額が少なくなる点には注意しましょう。

前述の通り、65歳未満の方が退職した場合は、失業保険を最大で150日間受給できます。

しかし、65歳以降で退職した場合は、50日分に減額となります。

60〜64歳の場合は同時にもらえるが減額される

60〜64歳の場合も失業保険と年金を同時に受給できます

60〜64歳の方を対象とする高年齢雇用継続給付とは、失業した場合に受給できる給付金ではないためです。

ただし、最大で給料の6%に相当する金額が減額されます。

65歳までの方を対象とする老齢厚生年金と高年齢雇用継続給付は同時に受給できるものの、在職により年金が支給停止となる点は把握しておきましょう。

失業保険と年金を満額もらう方法

両手をあげ喜ぶ中年の男性

失業保険と年金を満額受給するには、65歳直前に退職し、65歳以降に失業保険を受給することです。

65歳以前に退職することで、退職金の金額に影響が出る恐れもある点には注意が必要ですが、失業保険と年金を満額受給するためには唯一の方法になります。

65歳になるまでに退職すれば、特別支給の老齢厚生年金を受給可能です。

特別支給の老齢厚生年金とは、被保険者期間の1年以上ある方が対象で、65歳になるまでに老齢厚生年金を受給できる制度のことです。

さらに、退職後には失業保険を最大で150日分受給できます。

失業保険を受給するにはハローワークで申請の手続きをしたうえで、毎月の失業認定日に認定を受ける必要があります。

失業保険が振込まれるまでの期間を合計すると、最短でも1ヵ月程度かかると把握しておきましょう。

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失業保険と障害年金は同時にもらえる

年金相談センターの看板

65歳未満や65歳以上で定年退職となり失業した場合、失業保険と障害年金は同時に受給できる点が特徴です。

障害年金とは、ケガや病気などの原因により、生活や仕事をすることに支障を来す場合に受給できる年金のことです。

障害年金は以下の2つの種類があります。

障害年金の種類
  • 障害基礎年金:1級と2級がある
  • 障害厚生年金:1級から3級がある

障害基礎年金とは、障害の等級により給付金の金額を決められる点が特徴です。

障害厚生年金とは、今までに保険に加入してきた期間や金額に応じて支払われるもので、条件により異なります。

失業保険と障害年金を同時に受給するには、「年金受託選択申出書」を年金事務所か、年金相談センターに提出する必要があります。

失業保険と遺族年金は同時にもらえる

失業保険のしおり

失業保険と遺族年金を同時に受給することは可能です。

平成18年度より、65歳以上の方の場合は、失業保険と遺族年金を同時に受給できると定められたためです。

遺族年金とは国民年金や厚生年金保険に加入していた方が亡くなった場合、遺族の方が受給できる給付金のことをいいます。

遺族年金は、具体的に以下の2つに分けられます。

遺族年金の種類遺族基礎年金遺族厚生年金
受給できる遺族・子供のいる配偶者
・子供(18歳到達年度の末日を経過していないor20歳未満で、障害年金の障害等級が1級か2級)
※上から優先順位の高い順番
・配偶者or子供
・父母
・祖父母
・孫
受給できる金額子供の人数による老齢厚生年金の4分の3
支給開始時期年金加入者が亡くなった翌日年金加入者が亡くなった翌日

遺族年金を受給できる場合でも、以下のケースでは受給されない点が特徴です。

  • 遺族年金の受給者が亡くなった
  • 結婚をした
  • 離縁した
  • 親族または配偶者の親族以外の養子になった

遺族基礎年金と遺族厚生年金とは、受給できる遺族や金額などに違いがあります。

まとめ

ここまで、失業保険と年金の同時受給の可否や、満額受給するための方法について解説してきました。

本記事のまとめは以下のとおりです。

本記事のまとめ
  • 失業保険とは退職した人の生活をサポートし、1日でも早く再就職できるように支援する制度である
  • 年金と関係する失業手当とは、基本手当や高年齢求職者給付金などがある
  • 失業保険と年金は同時に受給できるが、65歳未満の方の場合は減額される点に注意が必要である
  • 失業保険と年金を満額受給するためには、65歳直前に退職し、65歳以降に失業保険を受給する方法がある
  • 失業保険と障害年金・遺族年金は同時に受給できる

失業保険と年金は同時に受給できますが、受給する前によく考えた上で決断することが望ましいです。

本記事を参考に、失業保険と年金の同時受給について理解していただければ幸いです。