内定が決まっているけど、数ヶ月先なので失業保険を受給したいと考えている方もいるでしょう。
実は、内定が決まっていても失業保険をもらえるケースがあります。
「どのようなケースで失業保険がもらえる?」「失業保険申請と内定の順番は関係ある?」と疑問に思っていませんか?
結論から言いますと、失業保険の申請をしてから7日間の待機期間後に内定を獲得した場合、入社日の前日まで失業保険がもらえます。
だたし自己都合退職の場合、2ヶ月間の給付制限中に入社日を迎えてしまうと失業保険をもらえないので覚えておきましょう。
今回は、内定と失業保険の関係についてや、内定日をずらすことのリスクについて、失業保険の給付金サポートをしている私がご紹介していきます。
本記事を読むことで、内定をもらっている人が失業保険をもらえるケースについて正しく理解することができますよ。
著者情報

退職サポーターズ編集部
「退職サポーターズ」では、社会保険給付金の申請を退職のプロと社会保険労務士が支援します。当メディアでは、自己都合退職や会社都合退職にともなう手続きや、失業保険・傷病手当金などの制度について、正確かつ実用的な情報をわかりやすくお届けします。
また退職サポーターズではこれから退職される方に向けて、
失業保険の受給金額が最大200万円になる給付金申請サポートを行っております。
今ならLINE追加するだけで、自分がいくら受給金額がもらえるのか無料診断ができます。
内定は出ているが次の仕事開始が数ヶ月先の場合、失業保険は貰える?
内定が数ヶ月先の場合、失業保険をもらえるかどうかはタイミングによります。
本項目では、次の仕事が決まっていた場合に、失業保険が受給できるケース・できないケースについて解説します。
次の仕事が決まっていても失業保険が受給できるケース
次の仕事が決まっていた場合であっても、失業保険が受給できるケースを以下にまとめました。
- 内定から入社まで期間が空いている場合
- 雇用契約を結んでいない場合
- アルバイトやパートなど短期間の仕事が決まっている場合
内定から入社まで、長く期間が空いていたり、雇用契約を結んでいなかったりする場合は、失業保険を受け取れる可能性があります。
失業保険は入社日の前日までが対象となるため、期間が空いている場合には、給付日数内であれば入社日の前日まで失業保険を受け取れます。
次の仕事が決まっていて失業保険が受給できないケース
一方で、失業保険が受給できないケースについても、以下にまとめました。
- すぐに就職できる状態の場合
- 雇用契約を結んでいる場合
基本的に、内定を獲得した状態で失業保険の手続きを行っても、失業保険をもらうことはできません。
そもそも、失業保険をもらうためには「失業状態にあること」という条件が必要だからです。
原則として、内定を獲得している状態は「失業状態」ではありません。
内定=次の仕事が決まっている状態なので、内定をもらってから手続きを行っても、失業保険を受け取れる要件を満たさないのです。
入社までの期間が空いている場合でも、必ず失業保険が受給できるとは限らず、ケースバイケースと言えます。

失業保険とは?
失業保険は、会社を退職した人が、安心して再就職に向けた活動ができるように支給されるセーフティーネット的な制度です。
実際に受け取るためには、さまざまな要件を満たす必要があります。
本項目では、失業保険に関する条件などをまとめました。
受給条件
失業保険の受給条件として、「失業状態」にあることが挙げられます。
失業状態とはどのような状態なのかを以下にまとめました
- 就職する意思がある
- 肉体的・精神的にも優れており、今すぐに就職できる状態にある
- 求職の申込を行うなど、求職実績がある
上記の条件を満たすことで、失業状態と判断され、失業保険を受け取れるようになります。
あとは、雇用保険に加入していた期間が一定の期間以上かどうかが問われます。
雇用保険に入っていた期間
失業保険を受け取る要件として、雇用保険に入っていた期間も重要です。
実は会社の辞め方によって、雇用保険の加入期間に関する条件が異なります。
自己都合退職・会社都合退職それぞれの条件をまとめました。
自己都合の退職の場合
自己都合退職の場合には、会社を退職する前2年間において、雇用保険の被保険者期間が12か月以上必要になります。
この後ご紹介する会社都合退職と比べると、比較的長めと言えるでしょう。
また、1か月の給付制限もあり、無収入の期間が生じます。
会社都合の退職の場合
会社都合退職の場合、会社を退職する前1年間において、雇用保険の被保険者期間が6か月以上必要です。
自己都合退職と比べると条件は緩く、直近1年で半年以上加入していれば、要件を満たします。
会社都合退職では給付制限期間がなく、手続きが完了すればすぐに失業保険の支給が始まるため、早期の経済的支援を受けられるメリットもあります。
再就職の準備を進めるうえで、大きな安心材料となるでしょう。
失業保険以外にもらえる手当
失業保険以外にも、受け取れる手当はいくつも存在します。
- 再就職手当
- 就業促進定着手当
- 就業手当/常用就職支度手当導入文
本項目では、失業保険以外にもらえる手当についてまとめました。
再就職手当
再就職手当は、早期の再就職を促すために設けられたもので、失業保険の給付日数が一定以上残った状態で再就職をした人に与えられます。
再就職手当は、申請してから1~2か月後にもらえることが多く、再就職先での給料とセットでもらえるため、ちょっとしたボーナス的な意味合いがあります。
再就職手当を受け取るための条件などは後程解説します。
就業促進定着手当
就業促進定着手当は、再就職手当を受け取った人の中で、再就職先で6カ月以上継続して雇用されていたものの、半年間に受け取った賃金が離職前よりも低かった場合に受け取れる手当です。
手当を受け取るためには、再就職手当の受給や6カ月以上の勤務、前職の時と比較して賃金が減少していることを満たさなければなりません。
就業促進定着手当は、前職と再就職先の賃金の差額を補填する意味合いで支給されます。
申請のタイミングが、再就職から6カ月経過後で、しかも2カ月以内に申請しなければならないため、忘れずに申請を行うことが求められます。
就業手当/常用就職支度手当
就業手当は、雇用期間が1年未満の、短期間の就職をした場合に、給付日数の残りの一部を受け取れる制度です。
一方、常用就職支度手当は、障害者や高齢者といった「就職困難者」がハローワーク等の紹介で1年以上の安定した雇用に就いた際に受け取れる手当です。
また、基本手当の支給残日数が3分の1未満しか残っておらず、本来再就職手当の対象外だった場合でも支給されるのが特徴です。
申請に関しては就職した翌日から1カ月以内に行う必要があるため、迅速な手続きが求められます。

次の仕事が決まっている場合の失業保険を申請するメリット・デメリット
次の仕事が決まっている場合であっても、失業保険を申請することには、メリット・デメリットそれぞれ存在します。
本項目では、次の仕事が決まっている場合に失業保険を申請するメリットやデメリットをまとめました。
メリット
失業保険を申請する最大のメリットは、金銭的な余裕を確保できる点にあります。
入社日までの期間が空いており、その間にアルバイトなどをしていなければ、無収入の状態が続くことになります。
しかし、失業保険を受給することで収入の空白を一定程度カバーでき、生活費の不安を軽減することが可能です。
金銭的な余裕があることで、焦らずに再就職活動へ取り組むことができるため、より自分に合った職場を探す余裕も生まれます。
さらに、職業訓練や資格取得に向けた準備もしやすくなり、将来的なキャリアアップにもつながる可能性が出てきます。
失業保険は、経済的支援だけでなく、前向きな転職活動を支える制度でもあるのです。
デメリット
失業保険を受給する際のデメリットとしてまず挙げられるのが、受給によって雇用保険の加入期間がリセットされてしまう点です。
次回以降の失業時に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
また、自己都合退職の場合には通常、給付制限期間が設けられており、実際に失業保険を受け取るまでに時間がかかる場合があります。
さらに、雇用保険の加入期間に応じて所定給付日数が決まるため、失業保険を受給しなければ将来的により長い給付日数を得られた可能性もあります。
入社日までの期間が多少空いていたとしても、給付制限の影響で実際に受け取れる額が少なくなるケースもあり、受給の判断は慎重に行った方がいい場合もあるのです。
失業保険の申請方法
失業保険を受け取るためには、所定の手続きを重ねていく必要があります。
本項目では、失業保険の申請方法についてまとめました。
求職申し込み後、7日間の待期期間満了後であれば失業保険は受給できる
内定を獲得した状態で失業保険をもらうためには、内定を貰う前に失業保険の申請をしておく必要があります。
まずはハローワークへ行って、失業保険の申請を行い、7日間の待期期間を過ごします。
7日間の待期期間が終わってから内定を獲得することで、失業保険を受け取ることが可能となります。
再就職手当の申請方法
再就職手当の申請方法については、以下にまとめました。
- 再就職先に採用証明書を記入してもらい、ハローワークに提出
- ハローワークから再就職手当支給申請書を受け取り、再就職先の記入欄など各種項目を埋める
- 雇用保険受給資格者証など必要な書類を揃えてハローワークに提出
申請に関しては、再就職をした本人や代理人が行えるほか、郵送でも申請できます。
申請は再就職日の翌日から1カ月以内が期限とされていますが、2年以内であれば申請自体は可能です。
再就職手当がもらえる条件は転職先の労働条件による
再就職手当を受け取るためには、転職先の労働条件が大きく影響します。
主な条件として、1年以上の継続勤務が見込まれること、前職と同じ事業主や関連会社でないこと、転職先で雇用保険の被保険者として採用されることなどが挙げられます。
これらの要件を満たして初めて、再就職手当の支給対象として認められることになるのです。
再就職先を選ぶ際には、労働条件が条件を満たしているかを事前に確認することが求められます。
再就職先が決まっていても「離職票」が必要なケース
再就職先が決まっていても、退職から入社までの期間に失業保険を受給する場合は離職票が必要です。
失業保険の申請をする際には、離職票は欠かせない書類であり、離職票がないと受給手続きができません。
転職先から提出を求められるケースもあるため、手元に置いておきましょう。
再就職先の内定が取り消しになった場合の対処法
再就職先の内定が取り消しになった場合は、速やかにハローワークに連絡し、失業保険の受給再開手続きを行うようにしましょう。
ハローワークから内定取り消し通知書などを求められるため、書類を提出した上で求職活動を再び始めていきます。
内定前に失業保険を受け取っていた場合には、残りの給付日数を上限に失業保険を受け取れるようになるので、早めに手続きをしましょう。
自己都合退職の場合、給付制限中に入社日を迎えると失業保険をもらえない
7日間の待機期間に内定を獲得しなければ失業保険をもらえると説明しましたが、自己都合退職の場合は注意点があります。
それは、給付制限中に入社日を迎えてしまうことです。
自己都合退職の場合、2ヶ月間の給付制限が設けられます。
この期間に内定を獲得した場合、問題なく失業保険をもらうことが可能です。
しかし、2ヶ月間の給付制限中に入社日を迎えてしまうと失業保険をもらうことができません。
給付制限中は内定の有無に関わらず失業保険の給付が始まらないからです。
自己都合退職の場合、2ヶ月間の給付制限が終わった後に失業保険の給付がスタートします。
そして失業保険は入社日の前日までの期間のみ給付されるため、給付制限中に入社日を迎えてしまうと、失業保険をもらうことができないのです。
ただし、条件を満たしていれば再就職手当がもらえる
2ヶ月間の給付制限中に内定を獲得した場合、条件を満たしていれば再就職手当をもらうことができます。
再就職手当は失業状態から早期に再就職できた人に給付される一時金です。
もらえる金額は前職の給料や勤続年数によって異なりますが、失業保険全額の60%〜70%ほどを一括で振り込んでもらえます。
数ヶ月にわたって分割で受給するよりも、人によっては一括でもらえた方が都合がいい場合もあるでしょう。
そんな時は失業保険ではなく、就職活動に力を入れて再就職手当をもらうことを検討してみましょう。
再就職手当の受給条件
再就職手当の受給条件は以下の通りです。
- 雇用保険に加入していること
- 7日間の待機期間後に就職したこと
- 失業保険の給付日数が1/3以上残っていること
- 離職前の会社や雇用先への再就職でないこと
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受給していないこと
- 自己都合退職の場合、給付制限の最初の1ヶ月はハローワークまたは、職業紹介事業者の紹介による就職であること
- 失業保険の申請前から内定を得ていないこと
これら8つの条件をクリアすることで再就職手当をもらうことができます。
再就職手当についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

内定数ヶ月先の失業保険に関してよくある質問
内定が数か月先の状態で失業保険を受け取るかどうかについて、疑問に感じていることがある人も多いでしょう。
本項目では、内定数か月先の失業保険に関する質問をご紹介していきます。
- 内定日をずらして失業保険をもらうとどうなる?
- 失業保険をもらうためには、内定日よりも先に申請手続きを行っておく必要があります。
すでに内定を獲得している場合、内定日をずらして失業保険を先に申請した形にすればいいのでは?と思う方もいるでしょう。
そうすれば失業保険をもらえるかもしれませんが、内定日をずらして申請することは不正受給となるためおすすめできません。
失業保険を不正受給すると非常に重たいペナルティが課せられます。
もらった失業保険を全額返還することはもちろん、受け取った失業保険の2倍にあたる金額の返還が必要です。
つまり3倍の金額を返還することになり、まったくメリットがありません。
また、内定日をずらすためには、会社に依頼する必要があり、会社は内定日を偽ったとしてペナルティが課せられます。
これから入社して働く会社に迷惑をかけることになるので、お金以上に信頼を失うというペナルティがあります。
これらのことから、失業保険をもらうために内定日をずらすことはやめておきましょう。
- 再就職手当は全ての人がもらえますか?
- 結論から言いますと、再就職手当は失業保険を受給する人であれば誰しもがもらえるものではありません。
再就職手当を受け取るには、8つの支給条件があり、すべてクリアする必要があります。
自己都合退職で給付制限がある場合は、待期期間満了後1カ月間はハローワーク等の紹介で就職する必要があるため、たとえすぐに再就職先を見つけても、対象外になることもあるのです。
一方で、自己都合退職の給付制限期間が短縮されたように、再就職手当に関する条件が変化する可能性もあります。
再就職手当を受けとるためにも、申請前に最新の条件をハローワークで確認することが大切です。
- 退職を伝える際のスムーズな方法はありますか?
- 退職を伝える際、スムーズに進めていくためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
退職の意思が固まったら、直属の上司にできるだけ早く、口頭で伝えるのが無難です。
できれば退職の意思が固まる前に直属の上司に相談を行い、就業規則に則った形で退職の段取りをつけていくと、スムーズな退職につながりやすくなります。
退職理由に関しては、あくまでも前向きな内容を伝えるようにし、上司や同僚、会社への不満は最大限控えるのが理想的です。
あとは会社の指示に従って退職届などを提出し、引き継ぎや業務整理にも誠意を持って取り組んでいくのがおすすめです。
退職にあたっては、同僚や関係者への挨拶も忘れずに行い、最後まで誠実な対応を心がけることで、良好な人間関係を保ったまま退職することができます。
近年は退職代行サービスが人気を集め、利用者も増えていますが、こうしたサービスを使わずに誠心誠意対応するだけでスムーズな退職につながりやすくなるでしょう。
まとめ
今回は内定を得て入社日が数ヶ月先の場合、失業保険をもらえるかを解説をしました。
内定を獲得しつつ失業保険をもらうためのタイミングは以下の通りです。
- 内定を獲得しつつ失業保険をもらうためのタイミング
- 失業保険の申請→7日間の待機期間→内定
この流れであれば失業保険をもらうことができます。
ただし、失業保険をもらえる期間は入社日の前日までです。
また、自己都合退職の場合は2ヶ月間の給付制限が設けられており、その期間中に入社日を迎えてしまうと失業保険をもらうことができません。
入社日が数ヶ月先の場合は、再就職手当を申請しましょう。
再就職手当を申請すれば、失業保険の60%〜70%を一括でもらうことができます。
最後に、失業保険をもらうために内定日をずらすことは絶対にやめておきましょう。
不正受給となり、自分には失業保険の3倍の金額を返還するペナルティが課せられるとともに、会社にも迷惑をかけることになります。
失業保険についてわからないことや不安なことがある場合は、1人で悩まず、ぜひ退職サポーターズにご相談ください。
また退職サポーターズではこれから退職される方に向けて、
失業保険の受給金額が最大200万円になる給付金申請サポートを行っております。
今ならLINE追加するだけで、自分がいくら受給金額がもらえるのか無料診断ができます。
