定年退職後の失業保険は何ヶ月もらえる?金額や手順、注意点を解説

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定年を迎えたら失業保険は関係ないんじゃないの?

アルバイトを少しする程度なら対象外では?!

上記の疑問を中心に、「定年退職でも失業保険はもらえるの?」と定年退職後の生活を考えて、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

失業保険を受け取りつつ、新たに働ける場所を探したい」と定年退職後も働きたい方にとっては、失業保険を受け取れるかどうかは非常に大事な話と言えます。

結論から言いますと、失業保険を受給する条件さえ整っていれば、仮に定年退職であっても失業保険は受給可能です。

そこで今回は、定年退職でも失業保険をもらえるのかという話題を中心に、失業保険の受け取り方や支給額、受け取れる期間など、失業保険の給付金サポートを手掛ける私が詳しく解説します。

これを知れば、定年退職後も安心してライフプランを立てられ、不安に感じることなく再スタートを切れますよ。

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定年退職者が失業保険をもらうための条件

まず失業保険を受給するための大前提として、失業状態であることが挙げられます。

失業状態とは、就業意欲と能力があり、求職活動を行っているにもかかわらず就業できない状況を指します。

失業認定を受けるためには、ハローワークにおいて「求職申込」を行い、7日間の待期期間を経た後、失業認定日までに2回の求職活動実績などの条件を満たすことで失業認定となります。

ちなみに初回の失業認定日までに最低でも1回の求職活動実績があれば条件を満たします。

ハローワークでの求職申込の後に行われる雇用保険説明会に参加した場合に求職活動実績としてのカウントが認められるためです。

2回目以降の失業認定日は2回の求職活動実績が必要となります。

次に、離職前2年間において雇用保険の被保険者期間が12か月以上である点も欠かせません。

上記の期間は自己都合による退職のケースが該当し、会社都合退職などでは離職前1年間で6か月以上雇用保険の被保険者期間があることが条件となります。

また失業保険は65歳になると受け取れないルールになっているため、65歳の誕生日を迎えた後に退職をしても失業保険の対象とはなりません。

65歳未満で定年退職をしていることが大切です。

65歳になってから退職した場合、「高年齢求職者給付金」が適用される可能性もありますが、支給期間は30〜50日と短くなります。

定年退職者が失業保険でもらえる金額

定年退職であっても、64歳の時に退職をしていれば、失業保険を受給することは可能です。

そうなると、失業保険はどのくらい受給できるか気になるところです。

失業保険の日額は、「賃金日額」×「所定の給付率」で計算できます

「賃金日額」は、離職前の6カ月に支払われた賃金合計を180(日)で割って計算します。

「所定の給付率」は最大で直近の賃金の80%までとされており、上記の計算式によって1日にもらえる失業保険の額が決まります。

結果的に、定年退職後に受け取れる失業保険は、離職前の収入の45〜80%の範囲で決まるのです。

給付額は離職前の給与よりも少なくなり、支給率は年齢や離職前の給与額によって変わります。

60歳以上65歳未満の場合、上限額は1日7,623円に設定されているため、仮に給付日数が90日だった場合には686,070円が受け取れる計算です。

定年退職者が失業保険をもらえる期間

失業保険の受給期間は退職理由と、雇用保険の被保険者であった期間(算定基礎期間)によって異なります。

65歳未満の定年退職者が失業保険を受ける場合、「算定基礎期間」と失業保険の支給期間(所定給付日数)は以下の通りです。

出典:ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数

定年退職退職の場合は、自己都合退職と同等に扱われるため、最大150日となります。

ただし、定年退職の場合は7日間の待期期間が終われば、給付制限期間なしで支給が開始されるため、支給のタイミングに関しては自己都合退職とは異なります。

定年退職者が失業保険を申請する手順

失業保険でもらえる金額と期間について解説しました。ここからは、失業保険の申請手順についてまとめています。

  • 必要な書類を揃える
  • ハローワークで申請する
  • 待機期間
  • 失業認定日の手続き
  • 失業保険の受給

本項目では、失業保険の申請手順について解説します。

必要な書類を揃える

ハローワークで失業保険の手続きを行う際に必要な書類は以下のとおりです。

必要な書類
  • 雇用保険被保険者証と雇用保険被保険者離職票(-1、2)
  • 個人番号確認書類
  • 身元確認書類
  • 写真2枚
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

雇用保険被保険者証と雇用保険被保険者離職票(-1、2)

事前に職場へ確認しておくことをおすすめします。

もし職場の担当者が失念している場合、手続きに時間がかかる可能性があるためです。

個人番号確認書類

マイナンバーカード、通知カード、個人番号が記載された住民票のいずれか1つが必要です。

身元確認書類

運転免許証、マイナンバーカード、写真付きの公的身分証明書などから1種類を用意してください。

身元確認書類がない場合は、指定の書類のうち異なる2種類が必要です。

写真2枚

正面から三分身が写っている縦3.0cm×横2.4cmのものを用意します。

本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

失業保険は銀行振込になるため、振込先として指定する本人名義の預金通帳またはキャッシュカードが必要です。

ただし、一部指定できない金融機関があるので注意が必要です。

ハローワークで申請する

書類が揃ったら、管轄のハローワークに行って申請しましょう。

窓口で用意されている求職票申込書に、再就職の希望条件や業務経験などを記入し、必要な書類と一緒に提出します。

仕事の希望がはっきりしていない場合は、ハローワークのスタッフと相談しながら書きましょう。

また、あらかじめ記入済みの履歴書を持っていくと、記入作業がスムーズに進みます。

待期期間

待期期間は自己都合退職・会社都合退職に関係なく、一律7日間です。

待期期間中にアルバイトなどを行うと、その日数分だけ待期期間が延長される仕組みとなっています。

たとえば、2日間働いた場合には本来7日で終わるところ、9日で終わることになるのです。

一方で待期期間中は求人情報を集めるなどの行為は問題なく行えるため、待期期間中に再就職に向けた準備を進めていくことも可能です。

失業認定日の手続き

失業認定日は4週に1回訪れるもので、雇用保険受給者初回説明会に参加したあと、初回の失業認定日が決まります。

失業認定日ではハローワークに足を運び、失業認定申告書に記入していきます。

失業認定申告書は求職活動実績やバイトの有無などを正直に記載するものであり、ここでウソをついてしまうと不正受給と判断されてしまうので注意が必要です。

雇用保険受給資格者証と一緒に提出し、チェックが行われたのちに失業が認定されます。

失業保険の受給

失業保険の受給は、失業認定日から5営業日後に受け取れるようになります。

受取口座は前もって設定した口座となっており、4週間分の失業保険を受け取れます。

一方で祝日や年末年始を挟む場合には通常よりも振込に日数がかかるため、注意が必要です。

失業保険の受給は所定給付日数を消化し終わるまで、失業認定を定期的に受けていくことで受け取り続けることができます。

定年退職者が失業保険の受給期間を延長する方法

定年退職などにより60歳以上65歳未満で離職して、しばらく休養したい場合もあるでしょう。

そのようなときは受給期間延長の申請が可能です。

失業保険の受給期間は通常、離職の翌日から1年間ですが、この1年に休養期間を追加できます。
ただし、定年退職の場合、最長で1年間まで。

手続きは、離職日の翌日から2か月以内に住所地を管轄するハローワークで行います。

提出書類には、離職票-2と本人の印鑑(認印)が必要です。
また、必要に応じて各種証明書も必要となるので、期限に十分注意して手続きを行いましょう。

失業保険と年金は同時にもらえないので注意

失業保険と65歳までの老齢厚生年金は、同時に受給できません。
その理由は、失業保険が失業期間中の生活支援を目的としているからです。

年金が支給されている状態は、生活支援の必要がないと判断されてしまいます。

これを踏まえて、失業保険と老齢厚生年金を選択する際には、どちらが自分の生活状況に適しているか慎重に検討しましょう。

年金受給を選ぶ場合は、再就職が見込めるかどうかも考慮し、失業保険を選ぶ場合は、年金受給開始までの期間を考慮して決定することが重要です。

65歳以上で定年退職する場合にもらえる高齢求職者給付金とは

65歳で定年退職する場合は「高年齢求職者給付金」がもらえる可能性があります。

高年齢求職者給付金は以下の条件で受け取ることができます。

「高年齢求職者給付金」の条件
  • 65歳以上
  • 離職前1年間において、被保険者期間が6か月以上
  • 失業状態であること

高年齢求職者給付金は、65歳で定年退職をした人を対象とした失業保険のような意味合いを持ちます。

そのため、失業状態であることや被保険者期間が6か月以上必要なことなど、条件が明確に定められています。

支給額は、雇用保険加入期間に応じて決まっており、被保険者期間が1年未満なら失業保険の30日分、1年以上なら50日分が支給されます。

高年齢求職者給付金は受給期限から離職日の翌日から1年となっており、定年退職後一定期間休んでから働き始める場合、受給期限内で受け取れるように調整を行う必要があります。

また、高年齢求職者給付金の場合は、老齢厚生年金と並行して受給できる給付金です。

同時に受給ができるため、金銭的な余裕が生まれやすくなるのも特徴の1つと言えます。

高年齢求職者給付金の2つのメリット

高年齢求職者給付金には、主に2つのメリットが存在します。

  • 老齢厚生年金と同時に受給できる
  • 高年齢求職者給付金は一括で支給される

本項目では、高年齢求職者給付金のメリットについて詳しく解説します。

老齢厚生年金と同時に受給できる

高年齢求職者給付金は、老齢厚生年金と一緒に受給できるのが魅力となっています。

たとえば、失業保険の場合、65歳未満で受け取る場合には特定の条件において年金の減額、停止につながる恐れがあります。

その点、高年齢求職者給付金を受給したとしても、厚生年金が減額されたり停止になったりすることがありません。

年金のことを気にせずに安心して受け取れるのも、高年齢求職者給付金を受け取るメリットの1つと言えます。

しかも、高年齢求職者給付金はその後就職して雇用保険を結んだ場合、再度離職したら受け取ることが可能です。

高年齢求職者給付金は一括で支給される

高年齢求職者給付金は一括で受け取れるのも魅力的な要素です。

失業保険の場合、4週に1度の失業認定に合わせて4週間分の失業保険を受け取る形となります。

この間、常に求職活動実績を作り続ける必要があるほか、バイトなども自由にできないため、ちょっとした制約があるのも失業保険の特徴です。

高年齢求職者給付金は申請さえ通れば、30日分ないし50日分が一括支給されます。

まとまったお金が一気に振り込まれるため、金銭的な余裕が生まれやすくなるでしょう。

定年退職までまとまった金額を給与でもらっていた方であれば、50日分の高年齢求職者給付金が振り込まれれば相当な額となります。

求職活動実績を作り続ける必要もなく、受け取ってからバイトなどを行っても問題はないため、受け取れる人は受け取っておいて損はありません。

高年齢求職者給付金の2つのデメリット

高年齢求職者給付金にはいくつかのメリットがある一方、デメリットが存在するのも事実です。

  • 失業保険より給付日数は少ない
  • 受給期間の延長ができない

本項目では、高年齢求職者給付金を受け取る場合のデメリットについてまとめました。

失業保険より給付日数は少ない

高年齢求職者給付金は失業保険の30日分ないし50日分であるため、失業保険と比較すると受け取れる額はどうしても少なくなります。

失業保険の場合、最低でも90日分であり、仮に65歳の誕生日の前々日までに退職をしていれば最高150日分を受け取れる計算です。

つまり、退職のタイミングが少し違うだけで受け取れる金額が100日分も異なるケースが出てきます。

仮に1日5,000円の給付額だったとすれば、退職のタイミングの違いだけで500,000円も異なってしまいます。

一括給付の方がいい人にとっては別ですが、しっかりと失業保険を受け取りたい方にすれば、決して無視することのできない額となるでしょう。

受給期間の延長ができない

高年齢求職者給付金は受給期間の延長ができないのもネックと言えます。

失業保険も高年齢求職者給付金も受給期間は1年と定められており、一見すると同じ条件です。

しかし、失業保険に関しては病気などを理由に最長3年間の延長が認められています。

休職中に傷病手当金を受け取っていた場合には退職後も受け取り続け、傷病手当金の受取期間が満了してから失業保険に切り替えることも可能です。

高年齢求職者給付金の場合は延長が認められていないため、仮に働けない状況が続いていたとしても、受け取れないまま期限が過ぎてしまうこともあります。

なるべく元気なうちに高年齢求職者給付金を受け取っておくのが理想的です。

定年退職して失業保険のもらい方でよくある質問

最後に定年退職を行った後に失業保険を受け取る件について、よくある質問をまとめました。

定年退職を控えている方や定年退職後のことが気になる方にとって必見の内容です。

  • Q:定年退職したらハローワークに行くのはいつですか?
  • Q:失業保険は64歳と65歳ではどちらが得ですか?
  • Q:年金と失業保険はどちらが得ですか?
定年退職したらハローワークに行くのはいつですか?
定年退職後は、「離職票」など必要な書類がそろい次第、できるだけ速やかに最寄りのハローワークに行くことがおすすめです。

雇用保険被保険者証や離職票などを会社から受け取り、その後ハローワークに出向いて「求職申込」を行います。

その後、受給に関する説明会や7日間の待期期間を経て、認定日までに求職活動実績を作っていきます。

認定日から5営業日後に振込まれるため、実際に失業保険を受け取るのはハローワークで手続きを始めてから1か月以上先となります。

退職日の翌日以降、早めに準備し手続きを進めることが大切です。
失業保険は64歳と65歳ではどちらが得ですか?
結論から言いますと、64歳の方がかなり得です。

64歳で退職した場合は失業保険として、最低90日分を受け取れるほか、病気などを理由に64歳で辞める場合には、特定理由離職者として最大330日分を受け取れます。

一方、65歳以上で退職した場合は「高年齢求職者給付金」となり、30日~50日分の一時金がまとめて支給されます。

給付日数を考えると、64歳で退職した方が明らかに得です。

退職金の有無や有給休暇の消化、健康状態などを考慮し、最も得なタイミングでやめるのがおすすめです。
年金と失業保険はどちらが得ですか?
年金と失業保険はそれぞれ異なる制度で成り立っており、どちらが得ということはありません

たとえば年金の場合は、65歳になってから定期的に支給されるものであり、亡くなるまで安定的に受け取り続けられます。

失業保険はスムーズな求職活動を行えるように、最低限の生活を確保できるようにしたセーフティーネットの意味合いがあり、受け取れる日数も限られています。

年金には一生涯の生活保障の意味合いがある一方、失業保険には限定的な期間で生活保障がなされる状況です。

高年齢求職者給付金のように特定の条件を満たしている人にとっては一時的に失業保険の方がお得です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回のポイントは、

  • 定年退職者が失業保険をもらう条件は4つ
  • 定年退職後に受け取れる失業保険は、離職前の収入の45%~80%
  • 失業保険を受け取れる期間は、90日~150日
  • 失業保険と年金は同時にもらえないので注意
  • 65歳で定年退職する場合は高齢求職者給付金がもらえる

ここまで、定年退職者が失業保険をもらうための条件、受給金額や受給期間、申請方法について解説しました。

条件を満たせばパートやアルバイトをしながらでも失業保険を受給できます。

失業保険の申請期限は1年なので、退職後はスムーズに申請しましょう。

また、65歳で定年退職する場合は、高齢求職者給付金を受給できます。

高齢求職者給付金は年金と同時に受給できますが、支給期間は30〜50日と短くなるので退職のタイミングは慎重に検討してください。

人生100年時代と呼ばれているなかで、定年後の計画を事前に検討することは非常に重要です。さまざまな選択肢を検討できるよう、早期から情報を集めておきましょう。