
うつ病で退職するとどんなメリットやデメリットがあるの?

うつ病で退職するときにやるべきことを知りたい!
退職するのではなく、休職する選択もあり?
と思っていたり悩んでいたりしませんか?
うつ病を発症している方の中には、退職した場合のデメリットに対して不安に感じている方もいるでしょう。
結論、うつ病で退職すると再就職活動をする必要性が生じたり収入がなくなったりします。
一方で、治療に専念できたり、会社で受けるストレスから開放されたりするメリットもあります。
今回は、うつ病で退職するデメリットとメリット、退職までの流れなどに関して、退職サポートのプロである私が解説します。
最後まで読めば、うつ病を理由に退職したいときに感じる不安や、疑問点などを解消できるでしょう。
うつ病で退職する3つのデメリット

まずはうつ病で退職する際のデメリットから見ていきましょう。
収入が途絶える
退職に伴う最大の懸念は、収入が途絶えることです。これは誰でも退職を考える際に直面する問題です。
しかし、うつ病のような長期にわたる治療が必要な病気を抱えている場合、問題はさらに深刻化します。経済的な生活の安定と生活費や医療費の支払いの両立が課題となります。
再就職しなければいけない
うつ病で退職した場合、収入を確保するためには再就職が必要です。
また、新たな職場での働き始めは、うつ病の経験者にとってとくに大きなストレスになり得ます。
新しい環境への適応、新しい人間関係の構築や業務の覚え直しなど、これらはすべて精神的な負担となり、うつ病の再発リスクを増やす可能性があります。
退職することを上司に伝えなければいけない
うつ病を患い、退職を考えている場合、その旨を会社や上司に伝える必要があります。しかし、病状が重いと、職場に出向いて直接伝えるのは困難かつ大きなストレスを感じる作業となるでしょう。
また、労働者の声をきちんと聞き入れない会社であれば、状況下では、適切に対応してもらえない可能性もあります。
ですが体力や精神的な余力がある場合や、退職後も会社と良好な関係を維持したいと考える場合は、なるべく上司へ直接退職の意志を伝えることをお勧めします。

うつ病で退職するメリットも3つある

ここまでうつ病で退職するデメリットを解説しましたが、うつ病で退職するメリットも存在します。以下で3つのメリットについて解説していきます。
仕事や人間関係から解放される
うつ病で退職するメリットの1つに、ストレス源である職場や職場の人間関係から自由になることが挙げられます。
これによって、うつ病の回復に向けた第一歩となり、自身の健康と向き合い、体調を管理する時間を持つことが可能です。
自身だけでなく、支えてくれる周囲の人々にとっても、うつ病の原因と考えられる仕事から早期に距離を置くことで、精神的な負担を軽減できます。
ゆっくりと今後の人生について考える時間ができる
うつ病で退職するもう1つのメリットは、自身の将来についてじっくりと考える時間が生まれることです。
通常の勤務状況なら、週5~6日の勤務と1日8時間以上の労働時間、そして残業が加われば、自分のための時間は極めて限られてしまいます。
その結果、十分な睡眠時間を取ることすら難しく、体調管理や人生設計を考える余裕はほとんどありません。退職を選ぶことでこれらの制約から解放され、まずは規則正しい睡眠時間を確保できます。
とくに、うつ病により睡眠障害を抱えている人にとって、安定した睡眠は回復のための重要なステップです。
体調が落ち着き、元気が戻ってきたら、ゆっくりと自身の今後の人生について深く考える時間が生まれます。新たなステップアップを見つけるための貴重な時間となるでしょう。
うつ病の治療や療養に専念できる
うつ病で退職することにより得られるもう1つメリットは、治療と療養に専念できる点です。
もちろん、精神安定剤などの薬を服用しつつ勤務を続ける選択肢もありますが、それは症状を一時的に抑えるだけであり、根本的な解決には至りません。
また、症状が悪化すると回復が難しくなるうつ病の性質上、自分の身体や心が限界を感じたら、早めに休息を取ることが重要です。
そのようなときに退職を選択することで、仕事のプレッシャーやストレスから解放され、心身ともに治療と療養に専念できます。うつ病の回復には時間と落ち着いた環境が必要とされることから考えても、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
うつ病で退職する際の流れ

ここからはうつ病で退職する際の流れについて解説します。
うつ病で精神的にきつい状況下で、申請等の手続きは大変ですが、公的支援により生活の安定を図れるものもあるので確認していきましょう。
病院で診断書をもらう
もしも自身がうつ病かもしれないと感じた場合、まずは迷わず精神科や心療内科などの専門医の診断を受診しましょう。
うつ病の早期発見・早期治療は病状の改善に大いに寄与します。そして、病院で正式な診断書をもらってください。
これが退職を申し出る際の1つの根拠となり、自身の病状を理解し適切な行動を取るという自己判断を周囲に示す証拠にもなります。
上司に退職することを伝える
診断書を手に入れたら、次に上司に退職する旨を伝えます。
これは職場にとって大切な情報であり、上司に理解を求めるとともに、事務的な手続きの開始を告げるために重要です。
うつ病は深刻な病気であり、適切な治療と休養が求められます。自身の状況と退職の意志、その背景を上司に伝え、理解とサポートを求めてください。
傷病手当金の申請をする
退職の意向を上司に伝えた後、傷病手当金の申請をします。これは、働けない期間中の収入補填を目的とした制度です。
診断書とともに、適切な手続きを行うことで支給を受けられます。
うつ病なら退職でなく休職も検討しよう

うつ病などの精神的な問題で仕事が難しいと感じた場合、必ずしも退職を選択しなければならないわけではありません。実際、多くの会社ではこうした状況を考慮し、休職制度を設けています。
休職制度は、業務が遂行できない状況下でも労働契約を保持し、労働者が一定期間、業務の免除を可能にするものです。
給与の支払いは休止されますが、一部の企業では独自の給付金や保証を設けていることもあります。
注意点として、休職は基本的に復職を前提としています。したがって、退職を最終的な目標としている場合には、難しいと言えるでしょう。
うつ病で退職するなら会社都合で辞めよう

うつ病に陥った原因が長時間労働やパワハラといった会社に起因する要因であった場合、退職理由を会社都合とすることが適切です。
会社都合退職のほうが待期期間(2ヶ月)なく失業保険を早くもらえる上、もらえる期間も長期に渡ります。
しかし、会社側はこの退職理由に対して争う可能性があります。
このような状況で自身の主張を証明するためには、具体的な証拠が必要となるでしょう。
具体的には長時間労働の記録、パワハラに関するメールやチャットの記録、または同僚や上司からの証言などが該当します。
これらの証拠があれば、退職理由を会社都合と主張しやすくなります。
もし会社と退職理由について争いが生じた場合、労働局やハローワークが介入し、公平な判断を下します。

まとめ
いかがでしょうか。
今回のポイントは、
- うつ病で退職する際は、病院で診断書をもらう
- 傷病手当金を申請する
- 退職だけではなく休職も検討する
- うつ病で退職するなら会社都合で辞める
うつ病で退職を考えている人にとって、デメリット・メリットを理解することは非常に重要です。
退職すると収入が途絶え、再就職についても考えなければなりませんし、自身の状況を上司に説明する必要もあり、精神的な負担は大きいでしょう。
その一方で、退職は職場のストレスから解放され、自身の将来についてゆっくりと考える時間を生み出し、うつ病の治療に専念もできます。
うつ病で退職をするときは、医師から診断書をもらい、上司に退職の意向を伝え、傷病手当金の申請をしましょう。そして、できる限り会社都合での退職を検討をおすすめします。
これは再就職活動において有利になります。
どの道を選ぶにせよ、最も大切なことは自身の健康と幸せです。まずはしっかりと休養し、うつ病が完治したら、次のステップアップにつなげてください。